PITTI SNAP ドレスダウン編 | ELEMENTS OF STYLE

PITTI SNAP ドレスダウン編


6月の出張ではドレスアップした人だけでなく、ドレスダウンからカジュアルスタイルの人まで、様々なスタイルの人のスナップを撮ってきました。

 

 

ドレスダウンと言っても、クラシックなジャケットやスーツを着崩したスタイルと言うことではなく、昨今日本でも多く見られるセットアップスーツも含めた様々なジャケットやスーツの着こなしです。

 

 

今回は先回のドレス編に続き、ドレスダウンした人のスナップを紹介します。

 

自分が気に入ったコーディネートということではなく、客観的に見た今のドレススタイルの様々な傾向を紹介したいと思います。

 

 

 

 

 

 

生成りのジャージのセットアップスーツ。

 

 

日本でセットアップスーツと言うと、化繊混の生地でネイビーやブラックでスリムなパンツの付いたカジュアルなスーツと言うのが今やマスになっていますが、ヨーロッパに来るとそのような人はほとんど見かけません。

 

 

もはやジャパニーズスタイル?なのかもしれませんね。

 

 

PITTIの会場でよく見かけるのは、こんなユルイ感じのセットアップスーツ。

 

 

おそらくジャージのセットアップスーツです。



足元はやはりスニーカー。

 

 

どこのスニーカーが分かりませんが、シンプルなデザインとカラーで正解。

 

 

スニーカーが流行っていますが、合わせるスニーカーが微妙な人がとにかく多いです。






 

オイスターホワイトのリネンのセットアップスーツ。

 

 

これもユルイ感じのセットアップスーツ。



パンツは共生地の帯がベルトの代わりになっています。



シャツはプリントのバンドカラー。



白いTシャツだけでなく、この手のセットアップスーツにはバンドカラーやプルオーバーのシャツを合わせている人もよく見かけます。

 

 

これはTシャツ一択の日本とは大きく違うところです。



足元はラフィアのタッセル。

 

 

BEAMSでも以前展開していました。



あまり人気はなかったですが・・・(苦笑)。

 

 

同じセットアップスーツでもこの感じだとスニーカーではないですね。

 

 

足元はこんな感じかエスパドリーユみたいなものがいいですね。



 

 

 

 

クラシックなスーツを用いたドレスダウン。

 

 

6ボタンのダブルブレストにチェンジポケットがついたかなりクラシックなテーラードスーツ。

 

 

インナーはプリントのTシャツでベースボールキャップを被り、足元はホワイトのグルカサンダル。



ドレスダウンというよりも、かなりドレスとカジュアルをミックスしたコーディネートです。

 

 

ここまでクラシックなスーツをカジュアルとミックスするコーディネートは、現地でもなかなか見ないです。

 

 

LL BEANのトートバッグも含め、色づかいにかなり気を配っているのがうかがえます。

 

 

なので、テイストはバラバラですが、なんとなく上手くまとまっているように見えます。

 

 

イタリア人にはこういう人はいないので、おそらくアメリカ人か英国人ではないかと思われます。

 

 

PITTIスナップ=イタリア人というのは、今や間違った認識です。

 

 

 

 

 

 

 

こちらもクラシックなスーツにプリントのTシャツとスニーカーを合わせたコーディネート。

 



6ボタンのダブルでサイドベント、袖口も本切羽になっています。



パンツもクリースが入って裾はダブル。

 

 

明らかにドレス仕立てのクラシックなスーツです。

 

上の人に比べると色合わせもアイテムもシンプルでハードルは少し下がっているので、クラシックなスーツでもコットンやリネンであれば、このくらいのドレスダウンは出来そうですが、こういうコーディネートは ”頑張っている風に見せてはいけない” ので、頑張らなければ着れない人はマネするべきではないコーディネートです。

 

 



 

 

クラシックなダブルブレストのブレザーにベースボールキャップ。

 

 

今までしていたスタイルに、何も考えずにただベースボールキャップを被るという人がかなり増えています。

 

 

彼らにとっては最も簡単で今っぽい?ドレスダウンなのでしょうが、これが今ひとつ・・・



スポーティーなブレザーにベースボールキャップは相性がいいので、インナーとパンツとシューズにひと工夫必要ですね。

 

ベースボールキャップがとにかく流行っていますが、上手くコーディネートしている人は10%くらいしかいないという印象です。

 

 

なので・・・

 

 

ドレススタイルにベースボールキャップを取り入れようと思っている方は、ネットのPITTIスナップは見ずにウチの王子のコーディネートを参考にしましょう。

 

 

いつもながらポーズが決まっています。

 

 

 

 

 

 

 

ドレスダウンと言うか、ジャケット着た方がいいのに?という感じのコーディネート。

 

 

パンツと同じ色のジャケットでスーツだったら無理のないドレスダウンなのに・・・と思うのは自分だけでしょうか。

 

 

クラシックなリネンシャツのボタンも開けすぎ・・・



靴は軽くシンプルなスリッポンで抜きを作っているので、ジャケットは抜かずに普通で良かったのに・・・

 

 

全体的にクラシックな雰囲気が漂うコーディネートなので、色々な意味でもっと普通に寄せた方が良いドレスダウンになると思います。



ヨーロッパは今すごくTATOOが流行っているんです。



”こんな普通の人もTATOO入れるの” というのが今回の出張でも多く見られました。

 

 

このコーディネートも、もしかすると胸元のTATOOを見せることが軸だったのかも・・・



 

 


 

少し前のPITTIでは見かけなかったコーディネート。

 



生成りのシアサッカーのジャケットは肩掛け、パンツはタータンチェックで靴はエスパドリーユ。



首元はネッカチーフを巻いて、ハットをかぶるという、リゾートなのかイタリアンなのかフレンチなのか・・・?

 

 

自分的には上半身と下半身がバラバラな感じがするんです・・・



上半身がモノトーンなので、パンツにダークブラウンのリネンを入れたらいいかなと思います。



エスパドリーユの雰囲気とも合いますし・・・



普通でいいのに普通では済まされない、ドレスを着崩す人はそう言う人が多いのが実情です。

 

 

 

 

 

 

 

今回のPITTIでよく見かけた明るいブルーのスーツ。

 

 

コバルト系のブルーがトレンドと言うこともあるでしょう。

 

 

足元は最近イタリアやフランスで大人気のAUTRYのスニーカー。

 

 

コットンスーツにスニーカーは良いと思いますが、”以前はスリッポンを履いていましたがが、スニーカーに変えました” というコーディネートが本当に多いです。

 

 

それだけスニーカーが大流行しているということなんです。

 

 

このコーディネート、インナーがスキッパーではなくTシャツにするだけでイメージが変わると思います。

 

 

スニーカーの色も合わせ過ぎでしょうか。




 

 

 

マドラス風のジャケットが目に留まり撮ったスナップ。

 

 

このジャケットいいですね。



どこのでしょうか、マドラスチェック好きには気になります(笑)。

 

 

ネイビーのニットTとホワイトデニムでラテンアイビーっぽいのはいいですが、足元は今だとこうなるんです・・・

 

 

ニューバランスのクラシックタイプかコンバースのオールスターみたいなレトロなスニーカーならいいと思うのですが、彼らにはそれでは物足りないのかもしれません。



これはADIDASですが、どこのスニーカーかわからない正体不明の派手なスニーカーをあわせている人が本当に多いです。



スニーカーとベースボールキャップが手っ取り早いドレスダウンのアイテムになっているのが実情です。

 

 

自分だったらレザーのデッキいシューズを合わせるかな・・・

 

 

逆にそれでは彼らにとっては古臭いのかもしれません(苦笑)。

 

 

 

 

 

 

 

生成りとホワイトでまとめたコーディネート。

 

 

これも今まではスリッポンだった足元をスニーカーに変えたコーディネート。

 

 

違和感がないのは、ジャケットが適度にユルイ感じなのとスニーカーのカラーリングが他のアイテムと馴染んでいること。



スニーカーのカラーリングまで考えていたらなかなかですね。



取引のあるサプライヤーのスタッフなので、今度会ったら聞いてみます。



イタリアっぽいコーディネートが好きな人には、良いコーディネートだと思います。

 

 

若い子にはわからない、オジサン好感度系コーディネートですね(笑)





 

 

 

グリーンのリネンスーツにストライプ(シアサッカー?)のウェスタンシャツ。

 

 

暑かったのか上着は脱いでバッグに引っ掛けています。

 

 

コットンやリネンのスーツにウェスタンシャツを合わせるのは自分もよくやりますが、比較的簡単にドレスダウンできるコーディネートです。

 

 

ジャケットを着るとヨークは見えないですが、ステッチとボタンがいいアクセントになります。



ベルトはバックルのターコイズブルーがアクセントになったウェスタンベルト。



ウェスタンベルトは10年くらい前に流行りましたが、復活の兆しがあります。



シャツとベルトで抜いて靴はクラシックなタッセル(おそらくALDEN)と言うのもバランスがいいですね。



これでスニーカーやカジュアルなスリッポンだったら大ハズレです(笑)。

 

 

彼はまだ20代ですが、ルイジ ボレッリのネクタイの企画を任されています。



イタリアの20代でクラシックとカジュアルを上手くミックスしている人は意外と少ないです。



日本の20代の人達にはまずいないタイプのコーディネートです。

 



 

 

 

 

日本代表は高田くん。

 

 

白いストライプのスーツってPITTIの会場でもなかなかいません。

 

 

かなりクラシックな感じのスーツですが、インナーをTシャツにしてスカーフを垂らしてアクセサリーも付けて、足し算と引き算でドレスダウンという感じでしょうか。

 

 

バッグは自分も持っているACATEのヘルメットバッグ。



多分中身はほとんど入っていないと思うので、これもコーディネートのひとつでしょうか。

 

 

足元は抑えてクラシックなタッセルと言うのがいいですね。



こういうコーディネートの時は、どこかに正統派なアイテムを入れて整えることが大事です。

 

 

 

 

 

コロナ禍前はクラシック回帰の流れがあって、6月のPITTIでもドレスアップした人がかなり増えていましたが、コロナが開けると一気にカジュアル傾向に振れていました。

 

 

カジュアルと言ってもドレスを軸としたカジュアルの人が多いですが、中でもベースボールキャップとスニーカー、Tシャツなどでドレスダウンする傾向が多く見られました。

 

 

これは90年代中頃から2000年代前半頃まで続いたイタリアンクラシックの流れの後に、製品染めのジャケットが出てきてドレスのカジュアル化が進んだ流れに似ています。

 

 

当時もCONVERS、ONITSUKA、ADIDAS、DIADORAやドレスシューズメーカーが作るレザースニーカーが大流行して、ジャケットやスーツにスニーカーを合わせるスタイリングが大流行しました。

 

 

そういう意味ではドレスの世界にもY2Kのような流れがあるのかもしれません。

 

 

それにしても本当にただベースボールキャップかぶってスニーカー履いてドレスダウンという人が多かったですね。

 

 

PITTIに来るような業界人はミーハーな人が多いので、ちょっと流行ると皆同じになるんです・・・

 

 

そうなるだろうと思って自分は3日間スーツにタイドアップでした。

 

 

おそらく、このご時世に真面目にスーツ着た人の注目度はかなり低いですが・・・


 

 

 

次回はカジュアル編と言いたいところですが、自分の撮ったカジュアルスナップなど説得力がないのかも・・・

 


画像はたくさん撮ってきたので少し考えます。

 


カジュアルはちょっと癖のあるアメカジ系が多かったかなと・・・

 

 

 

 

 

 

MR_BEAMS CHANNEL 23秋冬 ”NAKAMURA NOTE” 更新しました。

 

今回はカラー編です。

 

 
是非ご視聴ください。