
ショップ ディスプレイ 夏編
今回は久しぶりショップディスプレイについてコメントしたいと思います。
真夏に向けてショップディスプレイも軽いコーディネートが多くなってきたので、この一か月間でVMD担当者に送られて来たディスプレイの中から、グッドコメントを入れたコーディネートを紹介しします。
TITO ALEGRETTOのコードレーンスーツを使ったディスプレイ。
コードレーンのスーツにマドラスチェックのネクタイという王道なコーディネートですが、意外とこれが王道だと理解しているスタッフが少ないというのも事実・・・
アイビーやアメトラを通っていないとわからないのも仕方ないのかもしれません。
コードレーンやシアサッカーに派手目なビンテージプリントのネクタイを合わせるスタッフも多い中、こういったトラッドなコーディネートが逆に新鮮に感じます。
ナポリテイストのスーツですが、タブカラーとマドラスチェックでVゾーンを作るとアメリカンブリティッシュ調になるという一例です。
CARUSOのチェックジャケットを使ったコーディネート。
このジャケットの柄いいですね。
個人的にも好みのチェックです。
2ボタン3パッチポケットでウェストシェイプも緩いというスポーティーなジャケットは、意外と合わせるシャツやパンツのテイストとシルエットが難しいんです。
このコーディネートはリネンのオープンカラーと少し太めのパンツを合わせうまくバランスが取れていると思います。
靴も全体の雰囲気に合わせグルカサンダルを選んだのもいいですね。
タッセルやローファーでも合わないことはないですが、ちょっと堅い感じになるのでグルカサンダルで抜け感を作ったのは正解だと思います。
LARDINIのAMAJというシャツタイプのカジュアルジャケットを使ったコーディネート。
シェイプの入っていないリラックス感のあるジャケットをリラックス感のあるパンツとシャツで合わせたコーディネート。
こういうジャケットにリラックス感のあるドローコードのパンツを合わせるのは個人的にも好きなコーディネートです。
インナーにポロシャツやクルーネックのニット、Tシャツを合わせたくなるところですが、プルオーバーのシャツをタックアウト
して合わせているのがこのコーディネートのポイント。
全体の色合わせもいいですね。
赤みのあるテラコッタのようなブラウンと淡いパープルの合わせも絶妙です。
しいて言えば、靴にひと工夫欲しかったところですね。
最近こういう都会的なコーディネートができるスタッフが少なくなっているのがちょっと心配なところ。
すみません。
指導します。
ショーツとホワイトのGジャンを合わせたコーディネート。
色づかいもアイテムのバランスもとてもいいコーディネートです。
スタッフのグッドコメントも多かったですね。
夏にショーツスタイルにGジャンを合わせるかというところはあると思いますが、カジュアルなショーツスタイルに羽織りモノを合わせるだけでぐっと大人っぽいコーディネートになります。
仮にショーツがドローコードのパンツに変わったとしても成立するコーディネートですね。
実際に着る時は肩掛けのボーダーはなくてもいいと思います。
ショーツスタイルもなかなかいいコーディネートがないので、思わず ”いいね、カッコいい!” とコメントを入れました(笑)。
BRILLAのリネンのプルオーバーのシャツいちコーディネート。
このBRILLAオリジナルのブルーのリネンのプルオーバー買いました。
個人的には今年のBRILLAのオリジナルのリネンシャツの中ではこのブルーと上にもある淡いパープル(プラム)がおススメです。
このコーディネート、パンツがマスタードっぽいイエローと言うのがいいですね。
こんな色合わせのコーディネート、BEAMSのディスプレイにはなかなかありません。
肩掛けの生成りっぽいニットもパンツとのバランスが取れていて色合わせの妙を感じます。
靴がちょっと惜しかったかな・・・
デッキシューズでも合わないことはないですが、エスパドリーユのようなもう少しリラックス感のある足元も方がよりいいかなと思います。
ベージュのリネンシャツを使ったコーディネート。
アースカラーでまとめたと思いきや、パンツのオレンジのペーンがいい具合にポイントカラーになって洒落たコーディネートになっています。
肩掛けのニットがライトグレーと言うのも正解。
パンツの色目を引き立たせるにはニットの色は引き算にした方がいいですね。
パンツが普通のブラウンのチェックだったらちょっと地味かな・・・
その場合は逆に肩掛けのニットは綺麗な色にした方がいいですね。
その場合は逆に肩掛けのニットは綺麗な色にした方がいいですね。
自分ならイエローのニットを合わせるかな・・・
シャツいちのディスプレイはシンプル過ぎて味気ないので、肩掛けのニットをポイントによく使いますが、実際に着る場合はもちろん無くても大丈夫です。
真夏に肩掛けニットは暑いですからね・・・
シャツいちのディスプレイはシンプル過ぎて味気ないので、肩掛けのニットをポイントによく使いますが、実際に着る場合はもちろん無くても大丈夫です。
真夏に肩掛けニットは暑いですからね・・・
EMMETIのスエードのシャツジャケットを使ったコーディネート。
ヨーロッパのリゾートスタイルを彷彿させる洒落たコーディネートです。
全体を白とブラウンでまとめ、グレーイッシュなサックスブルーのスエードジャケットを羽織ることによって夏らしいカラーリングのコーディネートになっています。
日本の夏はヨーロッパと違って湿度が高いので実際にはスエードのジャケットは厳しいですが、淡いブルーのリネンのオーバーシャツを羽織ってもいいと思います。
街中で着ても洒落たオトナのショーツスタイルだと思います。
帽子はいらなかったかな・・・
ちょっと唐突な感じがします。
やり過ぎはお客様に理解されないので注意が必要です。
この時期は商品も少なくなってきて、スタッフも限られたアイテムで工夫してコーディネートを組んでいる感じです。
真夏に向けてのディスプレイコーディネートはシンプル過ぎても物足りなくなり、かと言って盛り過ぎてもリアリティーがなくなってしまうのでそのあたりの塩梅がとても難しいんです。
今回ご紹介したディスプレイはそれが良くできていると判断してグッドコメントを入れました。
最近VMDのスタッフにも話しているのですが、個人がSNSで発信するスタイリングは基本的に自由なので、どんなに個性的なコーディネートでも構わないのですが、ショップのディスプレイはお客様にリアリティーを感じていただけなければNGだと。
あくまでもお客様目線を基本とし、その範疇の中でいかに個性を出すかと言うことが大事だと伝えています。
なので、こんなコーディネート誰がするの? というのは自分も厳しめのコメントを入れるようにしています。
先日久しぶりに読者の方から厳しいコメントを頂きましたが、確かに色々な部分で軸がブレていることもあるなと感じています。
ご意見は真摯に受け止めて改善していきます。
なんでもありは一番ダメ。
オヤジの小言は続きます。
MEN'S EX 夏号に掲載されたトラッド50年史の記事です。
一般的なジャーナリストの文献と違い、私の経験や実体験をもとに書かれているのでよりリアリティーのある記事だと思います。
是非ご一読ください。