
パーソナル オーダー
先日オーダーしたスーツが仕上がってきました。
ナポリのTITO ALLEGRETTO
最近私が好んで着ているナポリのスーツです。
生地は最近お気に入りのE.ZEGNAのBIELMONTE
ゼニアらしからぬ?ドライでハリのある生地は、英国生地以上に英国生地っぽいというところが気に入っているポイント。
ドライな生地なので肌に直接触れるところは少しチクチクしますが、それがまたいいんです。
ちょっとマニアックすぎ・・・・(笑)。
ちょっとマニアックすぎ・・・・(笑)。
従来の滑らかで柔らかいゼニアの生地が好きな人にはウケないんだろうなと思いながらも、自分的にはゼニア史上最高の生地だと思っています。
この生地、実は今シーズンBRILLAのオリジナルで展開している生地と同じなんです。
自分が欲しくてオーダーした生地ですがマイサイズが早々に完売。
どうしてもこの生地のスーツが着たくて、なんとか生地を手配することができTITO ALLEGRETTOでオーダーしました。
TITO ALLEGRETTOのジャケットは、フロントダーツが裾まで通った伝統的なナポリのサルトリア仕様。
既製服ではほとんど見られない、コッテリとしたナポリ仕様です(笑)。
裏地の付け方と仕様もナポリのサルトリア仕様。
半裏と大見返しをミックスしたような独特の仕様も既製服にはほとんど見られない仕様です。
襟は継ぎ目のない一枚襟。
昨今は20万円以上するイタリアの有名ブランドの既製服もアイロンワークを省略するためにつなぎ目を入れた2枚襟が多いのが実情。
この価格帯で硬くて動きにくい生地をアイロンワークで殺して一枚襟で仕立てるのは、いかにTITO ALLEGRETTOのスーツが手間をかけて作られているのかがわかります。
襟の吸い付きの良さはハンガーにかけた状態でわかります。
ハンガーにかけた状態で後ろ襟がかなり登り、襟とハンガーのネック部分に全く隙間がなく吸い付いています。
下の画像は同じくイタリアの某ブランドのジャケットですが、ハンガーのネック部分が多く見えるのと、襟とハンガーのネック部分に少し隙間ができます。
実際に着てみればその差は歴然ですが、ハンガーにかけただけでそれに気づくのが本当のプロです。
偉そうなこと言ってすみません・・・
でも、昨今こう言うことに気づく業界人が本当に少なくなっているんです・・・
偉そうなこと言ってすみません・・・
でも、昨今こう言うことに気づく業界人が本当に少なくなっているんです・・・
ステッチはダブルステッチ。
これもコテコテのナポリ仕様です。
パンツは2プリーツのサイドアジャスター。
サイドアジャスターは英国風の仕様なのでナポリっぽくはないですが、最近はナポリのサルトリアでもサイドアジャスターのパンツを作るところも多くなっているので、自分は腰回りがシンプルに見えるベルトレスの組下が好きなんです。
TITO ALLEGRETTOのパンツは太くもなく細くもない丁度いいシルエット。
パンツの落ちが良くラインが綺麗に見えるパンツです。
腰裏にはプリーツが入っています。
プリーツが入っていることによって着用した時にウェストのカーブに対する可動域が広がるので、ウェストのフィット感が良くなります。
最近は省略されがちな仕様ですが、本格的な仕立てのパンツには大事な仕様です。
パンツの内側の縫い代は後身の方を多くとってあります。
これによってパンツ全体をお直しで太くすることが可能になります。
イタリアの既製服では、おそらくKITONやATTOLINIクラスでないとこの仕様になっていないと思います。
ちなみに、BEAMS FやBRILLAのオリジナルスーツのパンツは全てこの仕様になっています。
おまけに、内側だけでなく外側もこの仕様になっています。
このスーツ、オーダーと言ってもBEAMSで展開しているモデルに生地を乗せただけで、寸法も私が普段着ている44そのままです。
このスーツ、オーダーと言ってもBEAMSで展開しているモデルに生地を乗せただけで、寸法も私が普段着ている44そのままです。
なので、仕立ても仕様も特別なモノではなく、現在店舗で展開しているものと同じです。
今回はパーソナルオーダーの話をするはずでしたが、スーツの作りの話の方が多くなってしまいました(笑)。
TITO ALLEGRETTOの作りについて話したことがなかったので、いい機会と思い少し触れてみました。
TITO ALLEGRETTOの作りについて話したことがなかったので、いい機会と思い少し触れてみました。
コダワリのポイントはまだまだあるのですが、長くなるのでまた別の機会に。
ひとつ言えることは、この価格帯でこれだけのことをやっているイタリアのブランドはおそらく他には無いと思います。
何十万円もするナポリのハンドメイドのスーツやジャケットを着てみたいという人は多いと思います。
一方で、欲しくても簡単に買えるような値段ではないのも事実。
TITO ALLEGRETTOは手の届く価格でナポリのサルトリアのテイストを色濃く感じることができるスーツやジャケットです。
ご興味のある方は是非最寄りの店舗でご試着してみてください。
TITO ALLEGRETTOって誰?という人も多いと思います。
こんなナポリの伊達男です。