シアサッカーのスーツ
予約でほぼ完売してほとんど店頭に並ばなかったTITO ALLEGRETTOのブラウンのシアサッカースーツ。
先日やっと購入することができました。
この生地、展示会で見たときにひと目でささりました。
ブラウンの濃淡で織られたシアサッカーは色もいいですが、ハリとコシがある素材感も私の好み。
リネンもそうですが、皺が出る生地は着こんでいった時にどんな皺が出るのか予想して選ばなくてはなりません。
ペラペラでフニャフニャなシアサッカーは着こんでいくと安っぽく見えるので、生地選びは重要です。
フロントダーツが裾まで抜けているのはナポリのサルトリアの特徴的なディティール。
イタリアには数多くのスーツブランドがありますが、このディティールを既製服で取り入れているブランドはほとんどありません。
こう言った濃いディティールも気に入っているポイントです。
裏地の付け方もサルトリアのジャケットに見られる仕様です。
既製服の場合、普通は表地を見返しに使う大身返しや、裾まで裏地を使う半裏の仕様がほとんどで、こんな手間のかかる仕様を取り入れるブランドはほとんどありません。
ちなみに、以前BEAMSのオリジナルのジャケットに取り入れていたことがありました。
パンツ2アウトプリーツのサイドアジャスター。
イタリアンクラシックが全盛だった90年代後半や2000年代前半頃であれば、ナポリのスーツでサイドアジャスターなどあり得ないディティールでした。
今はそのようなことはなく、近年は若い世代(若いと言っても30代から40代ですが)を中心に様々な国のテイストを取り入れて自分のスタイルを確立しようという流れが強くなっているので、昔ながらのナポリのステレオタイプに縛られるのもちょっと古臭いかなと個人的には思っています。
自分がここ数年DALCUOREでオーダーしたスーツは、上着はリアルナポリテイストですがパンツは2プリーツのサイドアジャスターにしました。
DALCUOREも自分が作りたいと思った時には既にサイドアジャスターのパンツを作っていたので、流れをよくわかっていたのだと思います。
ちなみに、ジャケットは何も言わなくてもゴージの傾斜が強いモデルになっていました。
サルトリアのテイストはトレンドとは無縁と思っている方も多いと思いますが、細身のパンツが流行っていた頃はナポリのサルトリアもノープリーツのパンツを普通に作っていましたし、細身のラペルが流行ればそれにも対応していました。
とかくナポリというキーワードが出てくると頭でっかちになりがちですが、それに縛られることはないと自分は考えます。
もちろん、なんでもありではなく ”ベースにあるものをきちっと理解したうえで” ということは言うまでもありません。
コーディネートは時期的にタイドアップよりもノータイが多くなりそうです。
やはりマローネ エ アズーロ(ブラウン&ネイビー)が基本になるかなと思います。
ワンピースカラーやリネンのシャツ、ポロシャツなど、ネイビー系のインナーはなんでも合います。
自分はネイビー系のシャツやポロはたくさん持っているので買い足す必要はありません。
むしろ色合わせがワンパターンになるのが危険です(笑)。
シャンブレーやデニムもブラウンのシアサッカーにはよく合います。
カジュアルなスーツにウエスタンシャツはよくするコーディネートですが、インディゴ系の生地であれば襟型は問わずよく合うと思います。
デニムやシャンブレーのシャツはたくさん持っているので、これもコーディネートに困ることはなさそうです。
ネイビーやインディゴ系のカラー以外ではこのあたりのカラーがよく合いそうです。
ベージュやイエロー、オレンジ、ピンクなど、どの色もブラウンのシアサッカーにはよく合います。
これからの季節であれば、リネンのシャツやショートスリーブのポロを合わせたい気分です。
もちろん、クルーネックのTシャツやニットも合いますが、なんとなく襟付きの方がオジサンにとってはしっくりくるんです・・・
靴はこのあたりがいいと思います。
ビットローファー、ローファー、ベルジャンシューズ、キャンバスのスリッポン。
足元はなるべく軽快に見えるものを合わせたい気分です。
スリッポンの定番であるタッセルが入っていませんが、なんとなくこのスーツに合わせるには堅いかなというのが私の感覚なんです。
このスーツ、シーズン前から私のおススメとして紹介していました。
たくさんご予約を頂き入荷時は店頭に並ばなかったのですが、その後少しキャンセルが出て数着だけ店頭に出ています。
今の在庫は46と48が一着ずつの計2着。
ご興味のある方は是非最寄りの店舗にお問い合わせください。
私のおススメのスーツが10数着は少ないですよね・・・
皆さんにおススメしても全国で10数人のお客様にしか買っていただけなく、キャンセル待ちがたくさん入るのは申し訳なく思っています。
改善します・・・
英国のネクタイブランドJOHN COMFORTのオーダー会を原宿のBEAMS Fで開催しています。
久しぶりのネクタイのオーダー会。
このご時世にもかかわらず、先週末は毎日数十本のオーダーを頂きました。
ありがとうございます。
今ではもう手に入らない貴重なマダープリントの生地もご用意しています。
6月6日(水)まで開催しています。
オーダーするかどうかわからないけど見てみたいという方も大歓迎です。
ご興味のある方は是非BEAMS Fで生地をご覧いただければと思います。