
洋服屋のクールビズ
最近クールビズのスタイルについての質問を多く受けるのですが、質問される方の会社がどのような服装規定なのかわからないと的外れな回答になるので、なかなか難しいというのが正直なところです。
基本的に自分はTPOだけ守れば何を着ても問題ないので、服装規定がなんでもありの方であれば少しは参考になるアドバイスができるかなと言う感じです。
と言うことで、今回は ”洋服屋のクールビズ” と題して、私の最近のクールビズ的なコーディネートをご紹介します。
昨年購入したERNESTOのストライプジャケット。
少し艶っぽさもあるジャケットなので、あえてイタリアっぽくないポロシャツを合わせて、イタリア感が強くならないようにしているのがポイントです。
パンツは3年前くらいに購入したGERMANOの2プリーツのホワイトパンツ。
足元は黒っぽく見えますが、ダークブラウンスエードのタッセルローファーです。
ちなみに、昨年のPITTIでは、こんなスタイルでした。
こちらはブラウンのニットポロでパンツはGTAのベージュのベルトレス、足元はビットローファーです。
同じポロを使ったコーディネートでも、色だけでなく、襟型が違うと随分雰囲気が変わると思います。
足元も装飾性のあるビットローファーだと少し派手な印象になります。
このように、合わせるアイテムが少し違うだけで印象が随分変わるので、派手に見せたいか落ち着いた感じに見せたいかで、アイテムを選びを考えるといいと思います。
5年くらい前に購入したERNESTOのストライプジャケット。
エルネストはとても柔らかくて軽いので、毎シーズン何かしら購入していますが、リネン混のものは特に軽い着心地なので、この時期好んで着ています。
上と同じネイビーポロを使ったコーディネートですが、台襟が付いたワイドの襟のポロシャツを合わせています。
ちなみに、自分が着ているのは7~8年くらい前に購入したものです。
最初に紹介したベージュのストライプと比べると、ブルー系で色が落ち着いているので、あえてイタリアらしいポロシャツであわせました。
ちなみに、自分は襟を出して着ていますが、台襟が付いたポロは襟を出さなくても襟のロールが綺麗に出るので、襟を出すのが嫌な人は襟を中に入れて着てください。
一般の方が洋服屋のこなしをそのまま真似る必要はないので、取り入れれられる部分だけ取り入れてください。
パンツは昨年購入したGTAのホワイトのベルトレス。
ベルトレスなので、ポロシャツの裾はパンツにインしていますが、出して着ても問題ありません。
ただし、裾を出す場合は着丈が長いとバランスが悪くなるので、着丈の長さは注意してください。
靴はネイビーのスエードのタッセルを合わせましたが、これは失敗でした・・・
色を合わせ過ぎて野暮ったいですね。
黒のビットローファーなど軽いスリッポンにするべきでした。
3年前にBEAMSのカスタムテーラーでオーダーしたシャンブレイのスーツ。
翌年には製品化して、たいへん好評をいただいたので、持っている方も多いのではないかと思います。
今でも気に入ってよく着ているのですが、パンツのヒップの色が少し落ちてきたので、来年また同じ生地でオーダーしようかなと思っています。
今シーズンよく合わせているのが、カスタムテーラーでオーダーしたドレスゴードンのタブカラー。
春先はこのシャツにネイビーのニットタイを合わせていましたが、暑くなってきたので最近はフレンチアイビー風にノータイで着ています。
タブカラー自体馴染みがないのにタブカラーのノータイなんて、という方も多いと思いますが、自分がBEAMSに入社した頃には既にタブカラーはBEAMS Fの定番で、私がBEAMS Fのショップマネージャーだった頃は、ビジネスシャツとしてもかなり人気のシャツだったので、自分にとってはドレスシャツの定番が久しぶりに戻ってきたという認識しかないのです。
さらに、BEAMSに入社した頃はフレンチアイビーが流行っていて、タブカラーのノータイもBEAMSの定番スタイルだったので、自分は全く違和感がないのです。
とは言っても、その時代に生まれていなかった人も多いと思うので、違和感があるのは仕方ないと思います。
タブカラーに違和感がある方は、無理せずボタンダウンや普通のワイドのシャツをあわせてください。
靴は黒のビットローファー。
シャンブレーとタータンと言うシンプルなコーディネートなので、足元は少しだけ装飾性のあるビットローファーでバランスをとりました。
2年前にスミズーラしたDALCUOREのコットン リネンのスーツ。
シャツはイタリアの夏のシャツの定番ワンピースカラー。
2年前に購入したGUYROVERのものです。
スーツがとても発色が良く綺麗なブルーなので、ホワイトのシャツではコントラストがつきすぎて派手に見え、サックスのシャツだとぼやけてしまい、柄のシャツは品が悪く見えるので、ネイビーのシャツでVゾーンを引き締めバランスを取りました。
リゾートっぽいリラックス感をだすために襟を出していますが、ワンピースカラーは襟を中に入れても襟のロールが出るので、これも襟を出すのが苦手な人は無理せず襟を中に入れて着てください。
ただし、このスーツにネイビーのワイドの襟は個人的に無いんです・・・
ワンピースカラーか、プルオーバーのシャツ、ポロという選択肢です。
理由はスーツの素材感や色のイメージからリラックス感がポイントなので、そのような雰囲気のシャツで合わせたいということなんです。
足元はシンプルに黒の表革のタッセルです。
ちなみに、2年前のPITTIでのタイドアップはこんな感じでした。
白のオックスフォードのタブカラーに3色のワイドピッチのストライプ。
スーツが派手に見えないようにVゾーンは抑え目なコーディネートです。
タブカラーはシンプルなコーディネートにちょっとした変化が欲しいときに役立ちます。
4年前に購入したDEPETRILLOのオリーブグリーンのコットンスーツ。
昨年購入したBRILLA オリジナルのリネンのプルオーバーシャツとあわせました。
グリーンのグラデーションなので、色は合うのは間違いないのですが、ポイントはグリーンのトーンなんです。
スーツがオリーブグリーンなので、シャツのトーンが明るくないとかなり地味で野暮ったいコーディネートになってしまいます。
もともと真夏用に一枚で着ることを考えて購入したシャツですが、結果的にこのスーツにコーディネートできる色でした。
プルオーバーシャツはスリムなボディーにすると着たり脱いだりできなくなってしまうので、必然的に緩いボディーになります。
パンツにインするとボディーが少し緩く感じますが、それがリラックスした感じに見えるので自分は気に入っています。
足元はブラウンとオリーブのキャンバスのコンビのタッセルにしましたが失敗でした・・・(苦笑)
グリーンの分量が多すぎて野暮ったく見えます。
スーツにローファーは普通は合わせませんが、この場合コットンスーツのカジュアルコーディネートなので、ブラウンのローファーでも良かったかなと思います。
ちなみに、4年前のPITTIでのタイドアップのコーディネートはこんな感じでした。
シャンブレーのタブにネイビーのニットタイ。
これもシンプルなコーディネートなので、タブカラーで襟の表情に変化をつけているのがポイントです。
昨年オーダーで作ったDEPETRILLOのダブルブレストのスーツ。
普通はこんなクラシックなストライプスーツにポロは合わせないですが、このスーツは4プライのフレスコという、ドライタッチで目の粗い生地を使っているのがポイント。
このスーツの生地が番手の細い糸を使ったトロピカルの生地であれば、このようなコーディネートはしません。
ビジネスに着るようなスーツをクールビズ的に着る場合は、スーツの素材感に注意してください。
昨年のイタリア出張の時も同じコーディネートでした。
靴はブラックスエードのベルジャンシューズ。
靴もスーツの生地の素材感に合わせスエードにしました。
今回は7パターンのコーディネートをご紹介しました。
見ていただくとわかるのですが、アイテムは以前買ったものがほとんどで、特別なものはなくベーシックで定番的な色や柄のアイテムがばかりです。
そして、インナーに着るものは休日にも使えるものが多いというのもポイントです。
私は基本的にシンプルなコーディネートしかしないので、文中に書いたようなポイントだけ気にしながらコーディネートしています。
一番難しいのが靴の選びで、私もしばしば失敗しています(苦笑)。
今回は洋服屋(私の)クールビズスタイルについてご紹介しましたが、少しでも皆さんの参考になればと思います。
もしご好評いただければ、続編もやりたいと思います。
”こんなの参考にもならない” とか ”ぜんぜんカッコよくない” という声が多ければやめます。
無理せず自分らしいコーディネートを心がける。
それが私のポリシーです。
昨晩のMEN‘S CLUBとのインスタライブ、たくさんの方にご視聴いただきありがとうございました。MEN’S CLUBのアカウント@mensclub.snapのIGTVでご覧いただけますので、見逃された方は是非ご覧ください。