ディスプレイ指導 | ELEMENTS OF STYLE

ディスプレイ指導

 

以前は実際に店舗に行ったり、VMD担当者から送られてくる画像をチェックするしかなかった店舗のディスプレイ。

 

 

最近は社内のコミュニティが整備され、全店のディスプレイ コーディネートをチェックできるようになりました。

 

 

コーディネートの気になる点をコメントに入れるのですが、反応があったりなかったり・・・(苦笑)


まるっきりダメなコーディネートは変更するように指示しますが、それは稀でほとんどが担当者が気付かないようなことばかりなので、単純により良くなるためのアドバイスとしてコメントしています。

 

 

今回は最近の店舗のディスプレイ コーディネートにコメントしたことや自分なりの印象をまとめてみました。

 

 

皆さんのコーディネートの参考になることもあると思うので、私の小言に少しお付き合いください(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BEAMS F

 

 

全体的に良くまとまったコーディネートですが、色使いが秋冬っぽいかなと言う印象。

 

 

 

 

 

 

ジャケットの柄の中のピンクをひろって同系色のボルドーのニットを入れたのはセオリー通りですが、ニットをもう少し明るい色にした方が季節感が出るので、オレンジのような明るめのニットを入れた方が良いとアドバイスしました。

 

 

ちなみに、パンツはオフホワイトを合わせてコントラストをつけて正解です。

 

 

ベージュやグレーのパンツを合わせるとジャケットの柄が沈んで、より秋冬っぽいコーディネートになってしまうので注意が必要です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BEAMS 六本木

 

 

BEAMS Fにアドバイスした内容を実際に取り入れたのかと思われるコーディネート・・・

 

 

 

 

インナーのオレンジのニットとイエローがかったベージュのコートが春らしい色使いでとても軽やかに見えます。

 

 

BEAMS Fのディスプレイの後に組まれたものなので、私のコメントをチェックしているかはわかりませんが、このコーディネートはコートの色使いも良かったと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BEAMS F

 

 

プレッピー的なコーディネートに艶感のあるポケットチーフがミスマッチに感じました。

 

 

 

 

 

 

下段がアドバイス後のチーフ。

 

 

クラシックなパターンのチーフに変更しましたが、色も含めてこちらの方がVゾーンとの親和性があっていいですね。

 

 

このコーディネートの場合、ジャケットもシャツもネクタイも柄なのでチーフは無地でもいいと思います

 

 

BEAMSのディスプレイコーディネートは柄を多く使いたがる傾向があるんです・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BEAMS HOUSE 神戸

 

 

シアサッカーのスーツ、マドラスチェックのシャツ、クレストタイと、これも柄を使いすぎてしつこいので引き算が必要とアドバイスしました。

 

 

 

 

 

 

ネイビーのニットタイに変更してVゾーンはすっきりしましたが、これに対してVMDの責任者からこんなアドバイス 「タイがアウターと同色でつまらなくなったので、シャツをイエローかピンクにして最初のクレストタイに戻した方が良いのでは」 

 

 

アウターが無ければこれでもいいですが、確かに全体感で見るとVゾーンが暗く見えてしまいます。

 

 

再度変更したのがこのコーディネート。

 

 

 

 

随分印象が変わりました。

 

 

それぞれのアイテムが引き立ちバランスが良くなったと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BEAMS 二子玉川

 

 

ジャケットがメランジで少し暗いトーンのブルーなので、イエローのシャツとホワイトパンツでコントラストをつけたのは正解。

 

 

 

 

それぞれのアイテムが引き立つ色使いがいいですね。

 

 

アウターはネイビーのバブアーですが、インナーが都会的なコーディネートなのに対してアウターのラギッド感が強いので、アウターはもう少し軽いものか、バブアーを使うのであればベージュの方が良いとアドバイスをしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BEAMS 銀座

 

 

シアサッカーのスーツをブルーとホワイトのコーディネートでまとめたのは正解ですが、ネクタイのドットが大柄でランダムに配置されているので少しVゾーンがうるさく感じてしまいます。

 

 

 

 

シアサッカーは遠目や画像では無地っぽく見えますが実際はストライプなので、ストライプと大柄でランダムに配置されたドットが合わさってうるさく感じます。

 

 

アドバイス後に変更されたコーディネートがこちらです。

 

 

 

 

ちょっと地味になってしまいました・・・

 

 

このネクタイであればシャツは白の方がいいですね。

 

 

スタッフを少し迷わせてしまったみたいです(苦笑)。

 

 

大柄のドットは間違っていないので、ランダムではない普通のドットかネイビー×白のワイドピッチのストライプを合わせると良いとアドバイスしました。

 

 

ちなみに、シアサッカーでアイビーっぽく合わせるのであれば、ネイビー×白ドットのニットタイですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BEAMS 広島

 

 

CIRCOLOのシアサッカー風プリントのストライプにボーダーのスキッパーが少し野暮ったく感じてしまい・・・

 

 

 

 

色使いはあっているのですが、ストライプのスーツにボーダーという合わせが野暮ったい感じに見えてしまうんです。

 

 

この場合はセットアップスーツではなく、パンツはホワイトの方がバランスが良いと思います。

 

 

セットアップのままであれば、シンプルにネイビーのクルーネックのニットをあわせた方がいいですね。

 

 

細かいところですが、合わせている靴を考えればドローコードが見えているのもアウトです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BEAMS EX 横浜

 

 

コットンスーツにTシャツではなく上質なクルーネックのニットを合わせるのは、上品に見えるのでBEAMSでも推奨しているコーディネートです。

 

 

 

 

同系色で合わせているので色使いは間違っていないのですが、ポイントとなるカラーが何もないのでぼやけた印象に見えます。

 

 

ニットをオレンジやイエローのような発色のいいカラーにするか、ネッカチーフを明るい色にするとそれぞれのアイテムが引き立つとアドバイスしました。

 

 

春夏の始まりなのでコーディネートのどこかに春らしさが欲しいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BEAMS HOUSE 神戸

 

 

ナイロンのパーカーにTシャツ、スニーカーというスポーティーなコーディネートは良いですが、パンツ選びが気になり・・・

 

 

 

 

サックスブルーのスリムなパンツがコーディネートの意図と違うように感じました。

 

 

簡単に言うと上半身と足元を分断してしまっているような感じ・・・

 

 

この場合はドローコードのジャージパンツやカーゴパンツの方が全体の雰囲気と合うと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BEAMS HOUSE 梅田

 

 

上の画像と同じナイロンのパーカーにスニーカーというスポーティーなコーディネート。

 

 

 

 

使っているアイテムも色使いもバランスが良いコーディネートです。

 

 

オレンジとミリタリーグリーンは難しい合わせですが、パーカーのベージュがいい具合に色合わせを中和させています。

 

 

ニットはイエローを合わせるとオレンジより難易度が下がりますね。

 

 

パンツが短いのはマネキンに対してパンツの丈の長さが短い設定になっているので、このような丈で穿くことをおすすめしているわけではありません(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BEAMS 六本木

 

 

ラギッドなバブアーのコートを都会的に見せるコーディネート。

 

 

 

 

このコーディネートのポイントはイエローのパンツを合わせたところ。

 

 

インナーに着せたブラウン リネンのGジャンタイプのブルゾンとのバランスも良く、まったく野暮ったさがありません。

 

 

六本木エリアではバブアーのようなラギッドなアイテムの販売はなかなか難しいので、このようなコーディネートはショップの打ち出し方としてもいいですね。

 

 

既成概念ではなく、ご来店されるお客様のテイストを考えた提案は大事ということですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BEAMS 梅田

 

 

ハンティング風ジャケットをジャケットがわりに使ったコーディネート。

 

 

 

 

シャツとパンツは普通のテーラードジャケットと合わせるようなコーディネートで、あえてカジュアルなハンティングジャケット風のものを合わせているのがポイント。

 

 

このコーディネートにバブアーや本気のミリタリーものを合わせるとバランスが悪くなります。

 

 

アウトドアテイストのジャケットですが、適度に軽さとこなれ感のあるイタリアブランドのジャケットを合わせたところがポイントですね。

 

 

ミックスコーディネートはこういうさじ加減が重要なんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BEAMS 名古屋

 

 

ネイビーブレザーにマドラスBDというプレッピー風なコーディネート。

 

 

 

 

 

 

ベルトがウェスタンベルトというのが80年代のフレンチアイビー風ですね。

 

 

スタッフはわかってやっているのでしょうか・・・

 

 

今度聞いてみます(笑)。

 

 

肩掛けのクリケットセーターのストライプが見えるのもディスプレイとしては効果があっていいですね。

 

 

チーフはいらなかったかなと言うのが唯一のアドバイスでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が日ごろショップスタッフに言っているのは、ディスプレイがお客様にとってお買い物の参考になっているかどうか。

 

 

ディスプレイのコーディネートを見て何かしらの反応が得られなければ、厳しいですがそのディスプレイの意味はないと思っています。

 

 

そう言った意味では、普通に考えてお客様が”こんなコーディネートはできない” とか ”しない” というディスプレイはNGで、逆に洋服屋っぽい提案でも取り入れてみようかと思っていただけるようなさじ加減は重要だと思っています。

 

 

なんでもバランスが大事です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分が若いころは自分のコーディネートもディスプレイ コーディネートも先輩の指導が厳しくて大変でした(苦笑)。

 

 

出社早々ソックスの色のチェックから始まって、最悪はコーディネート自体NGで全部着替えろなどと言うのは日常茶飯事。

 

 

ディスプレイも組んだ後に何度も変更なんて言うのも当たり前で、さんざんコーディネートを悩んだ挙句 ”お前はセンスがないからディスプレイはやらせない” と言わることも・・・

 

 

今なら完全にパワハラですね(笑)。

 

 

でも、そういう厳しい指導から基本を学んだと同時に、BEAMSイズムを叩き込まれたのも間違いないので、いまとなっては良い経験だったと思っています。

 

 

なので、私も小言は言いますが、時代に合わせた優しい指導だと思っています(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

基本なくして応用なし。

 

 

そして、時代に合わせたBEAMSイズムを継承していくことも大事。

 

 

枠にはまるのも良くないですが、なんでもありもNG。

 

 

おやじの小言はバランスが大事なんです(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お知らせです。

 

 

3月11日(水) 21:00からインスタのライブを行います。

 

 

 

 

お時間のある方は是非ご覧ください。