セミナー
先週の名古屋のトークショーに続き、今週は初めて企業向けのセミナーを行いました。
過去に何度か知り合いのスタイリストさんを通じて企業向けのセミナーを依頼されたことがあるのですが、タイミングが合わず機会を逃していました。
なので、今回が私のキャリアの中で記念すべき初めての企業向けセミナーでした。
今回のセミナーのご依頼は、企業向けの戦略コンサルティングをされている 株式会社ドリームインキュベータ(DI)様
参加者は50名でした。
トレンドという事ではなく、”誰にでも印象良く見えるスーツの着こなし” というテーマで、ビジネスシーンにおける基本的なスーツスタイルをサイズ選びからお直し、コーディネートまでお話しました。
司会は新潟、名古屋のトークショーに続きプレスの小林が担当しました。
名古屋のトークショーが終わってからセミナーに向けての準備にかなり手間取って、前日は眠れないほど緊張していましたが、始まってしまえばジョークを交えながら場を和ますスムーズな司会進行。
私と同様に企業向けセミナーの司会は初めてだったので、何事も経験ということですね。
司会があまりにもうまくなったので、会社の大きな行事の司会も任せようかという話になり、かなり焦っていました。(笑)
ジャケットのサイズ選びのポイントとお直しのポイントは実際に参加者に着ていただいて説明しました。
サイズが合っているスーツを着ることは、着心地だけでなく見た目に大きく関わることなので、肩やウエストまわりのフィット感、袖丈や着丈の長さなど、スーツを購入する際にチェックすべきポイントを細かくお話しました。
太っている方や痩せている方のサイズ選びや袖丈を合わせる際の基準など、参加者の皆さんが今まで意識していなかったことも多かったようで、熱心にメモをとられていました。
パンツはBEAMSのスタッフが実際に着用して、NG例を主にお話しました。
私が電車の中や街中で見かけるビジネスマンの中で最も気になっているのがパンツの丈の長さ。
右のようにクッションを入れて裾をダブつかせて穿いている人を多く見掛けますが、これでは足が短く見えてしまい、パンツのシルエットが台無しです。
左の正しい丈と比べると視覚的な効果の違いも一目瞭然です。
参加者の皆さんも納得されて、ご自身の裾の長さを確認していました。
パンツのシルエットが綺麗にでるとスタイルが良く見えるので、スーツスタイルの印象がかなり良くなります。
シャツもBEAMSのスタッフが実際に着用してお話しました。
最近はスリムフィットのシャツが一般的になったので、ボディーに関しては以前のようにダボダボのシャツを着る人は少なくなりましたが、ネックサイズに関しては選び方が曖昧な人も多いです。
大き目のネックサイズのモノを着て襟が重なっている人や、逆に小さめのモノを着て第一ボタンをとめずにネクタイを緩めている人も街で良く見かけるので、適正サイズを着てネクタイをすることの重要性をお話ししました。
Vゾーンは特に目につくところなので、適正サイズをきちっと着ることは印象の良さに影響する部分です。
ネクタイの結び方もビジネスマンにとって重要です。
一時期に比べると随分少なくなりましたが、街中でもテレビでもいまだに ”おにぎりみたいな大きなノット” の人を見掛けます。
今の流れはプレーンノットですが、何故それが今主流になっているかもお話しました。
そして、スタッフによるプレーンノットの結び方の実演。
BEAMS Fのスタッフの具志堅が実演しましたが、緊張してうまく結べません。(笑)
ネクタイで重要なポイントはディンプルを作ること。
今回の参加者の中にはプレーンノットでディンプルを作られている方が多かったですが、ディンプル自体を知らない方もいらっしゃったので作り方も実演してお見せしました。
最近はシャツの第一ボタンを外してネクタイを緩めている人を街中で多く見掛けますが、せめて大事な商談の時はボタンを閉めてネクタイをしっかり結んだ方が相手に対しての印象が良くなることをお伝えしました。
Vソーンは特に目につくところなので、ここがだらしないとスーツスタイル全体の印象も悪くなってしまうというのが大きなポイントです。
そして、スーツの生地や色柄の基本的な選び方についてもお話しました。
日本では最近黒いスーツを着たビジネスマンを多く見掛けますが、世界的に見ても黒いスーツをビジネスで着るのは日本人とドイツ人だけと言われています。
最近はそれに中国が加わっていますね。
イタリアの某有名生地ブランドが ”ORIENTAL EXPRESS” というブラックばかり集めたコレクションを展開していますが、まさにそれを物語っています。
ビジネスで着るダークスーツはネイビーかグレーを選んで、ストライプも目立たない控え目なモノを選び、少し変化をつけるのであればマイクロチェックのような遠目に無地に見えるモノを選ぶとコーディネートのバリエーションが広がるというお話をしました。
黒いスーツは絶対にNGという事ではないですが、着るのであればモノトーンでコーディネートした方が良いと思います。
黒いスーツにピンクやサックスのような明るいカラ―のネクタイを合わせている人を良く見かけますが、それはNGだとお伝えするのを忘れていました。
シャツは色や柄の話をメインに。
日本では圧倒的にホワイトシャツを着たビジネスマンが多いですが、我々プロからするとベーシックな無地のスーツにホワイトシャツでネクタイを選ぶのは意外と難しいものです。
無難なVゾーンは作れても気の利いたVゾーンを作るのは私でも迷います。
白いシャツしか着れないという制約が無ければ、ブルーのシャツやオーソドックスなキャンディ ストライプを選ぶとコーディネートの幅が広がるというお話をしました。
これ以外にもバッグの選び方や靴の選び方をお話をして質疑応答へ。
セミナー中、ファッション用語でわからないことはすぐにネット検索されている方が多かったので、質問も今回のセミナーの趣旨を踏まえた的確な質問でした。
思わず、私も小林も ”良い質問ですね” と言葉がでてしまうほど。
我々も見習わなければならないところです。
自分で何も調べず、なんでも質問してくるスタッフが最近多いのが気になっていたので、仕事に対する意識の高さはこういうところに現れるものだと感じました。
セミナー終了後は参加者の皆さんと店舗スタッフやプレススタッフを交えた懇親会。
金曜の夜なのでセミナーが終わったらすぐに帰られる方も多いかなとも思っていたのですが、皆さん残られて懇親会の最中もスタッフに色々熱心に質問をされる方が多く、我々にとっても嬉しい限りです。
用意したサンプルも色々ご試着いただきましたが、アットリーニの着心地には皆さん驚かれていました。
もちろん、50万円というお値段にも驚かれていましたが・・・
今回のセミナーはスーツはユニフォームではないという事を念頭に、サイズの選び方や、お直しの重要性、色や柄の選び方、ネクタイの結び方、合わせる靴やバッグの選び方など、ビジネスシーンにおいて最も重要な清潔感があって印象良く見せる方法の基本的な部分をお話させていただきました。
正直セミナーが始まる前までは、あまり興味がなく会社の命令で仕方なく参加されている方もいらっしゃるかなと思っていたのですが、皆さん私の話を真剣に聞いてくださり、熱心にメモを取られている方がほとんどで、参加するからには何かを吸収しようという意識の高さには驚きました。
過去に色々な場で講義をしてきましたが、これほど参加者の意識が高い会は初めてです。
セミナーの最後にお話したのですが、値段や購入されるお店に関係なく、清潔感があって印象良く見えるスーツスタイルを作ることはできます。
ただし、その基本となるサイズ選びや補正しなければならない箇所や寸法などがお客様まかせでアドバイスしない(できていない)お店も多く、何がご自身に合っているのかわからないまま、なんとなくスーツやシャツを購入され着ている方も多いように感じます。
結果的にサイズが大きかったり逆にピタピタすぎたり、袖丈やパンツの丈が長かったり、シャツのネックが大きかったり、ネクタイをしっかり結んでいなかったり、結び方が間違っていたりと、清潔感あって印象良く見えるスーツスタイルとは程遠くなってしまっている人が多くなっているように感じます。
つまり、販売する側もお客様もそういう基本的なことに対しての意識が高ければ 清潔感あって印象良く見えるスーツスタイルのビジネスマンがもっと増えるのではないでしょうか。
私の結論は、しっかりアドバイスしてくれるお店で購入してもらいたいということ。
もちろん、それがBEAMSであれば一番うれしいですが、皆さんの好みや予算もあると思うので、良い縁があればと言う感じです。
次回機会があれば、今度はコーディネートについてお話したいですね。
今回も質問で少し出ましたが、コーディネートが難しいと感じられている方も多いようです。
制約がある中でのビジネス向きのコーディネート、実は私結構得意なんです。
今回ご依頼いただきました株式会社ドリームインキュベータ(DI)様、ありがとうございました。
私にとって初めての企業向けのセミナーでしたが、皆さんが興味を持って真剣に聞いてくださり本当に嬉しく思います。
また何かあればお声掛けください。
美味しいプロセッコ用意してお持ちしております。(笑)
株式会社ドリームインキュベータ(DI)
http://www.dreamincubator.co.jp/