PITTI UOMO 93 続報
毎日寒い日が続いていますね。
零下の気温は新潟出身の私でもこたえます。
今では考えられませんが、中学生や高校生の頃は雪が降ってもライナーなしのバルカラーにローファーで通学していました。
なので、先週の大雪でもPARABOOTSを履いて早足でガンガン歩けるんです。(笑)
これだけ寒い日が続くとタートルネックが重宝するので、先週はほぼ毎日タートルネックでした。
自分は首が長いのでタートルは似合わないと思っていたのですが、数年前に意外と似合う事がわかり、それ以来ハイゲージからローゲージまでかなりの枚数のタートルネックを買い揃えました。
今週のスタートもタートルネック。
ERNESTOのジャケットにDRUMOHRのキャメルカラ-のタートル。
パンツはGERMANOの2プリーツのオフホワイトのコットンツイル。
コートはSTILE LATINOのキャメル色のカセンティーノ、マフラーは10年以上前に購入したスコットランドのGLEN PRINCEのウインドウペンのカシミアマフラー。
キャメルとブラウンとオフホワイトの同系色でまとめたコーディネート。
最近はブルー系だけでなく、こんなトーンのコーディネートがお気に入りです。
キャメルやブラウンは来秋冬も引き継き傾向のカラ―なので、来秋冬もこのコーディネートそのまま着られそうです。
前置きが長くなりましたが、今回はPITTI UOMOの続報です。
現地でレポートできなかったブランドの傾向をレポートします。
THE GIGI
ハウンド トゥースのバルカラー、コーデュロイのジャケット、アーガイルやクリケットセーターと、ジジも英国調の柄と素材の打ち出しでした。
英国調の打ち出しが多いPITTIでしたが、アーガイルは意外と少なかったという印象です。
バルカラーのフロントボタンをスナップにしているのが新しい提案でしたが、これは個人的にはいまひとつ・・・
ちょっとヒネリ過ぎかなというのが正直な印象です。
個人的に刺さったのが、コーデュロイにグレンプレイドのプリントを施したこのジャケット。
ジジのメインコレクションはミラノで見れなかったので、カラーバリエーションも含めて日本の展示会でチェックします。
ジジのコレクションはキャンセルになる生地が多いので、キャンセルになっていなければいいのですが・・・
後染めか製品洗いのガンクラブのジャケット。
ダブルブレストですが、クルミボタンで少しカントリー調に仕上げています。
イタリアの服でも少し素朴で野暮ったい雰囲気に仕上げるのが来秋冬の流れです。
クリケットセーターもあります。
ガンクラブチェックのジャケットもクリケットセーターもどちらも英国テイストですが、色が今の雰囲気ですね。
ジジはこんな深みのあるオレンジっぽいトーンや黄色みのあるキャメルカラ―を打ち出していました。、
そして、ジジでもタータンチェックを展開しています。
ブラックウオッチのブレザー。
読者の皆さんはどこかで見たジャケットだと思います。
そうです。 昨年末にこのブログでご紹介したカスタムテーラー ビームスで私がオーダーしたジャケットと同じ組み合わせ。
昨年からタータンチェックが来ることは予想していましたが、やはりブレザーもありましたね。
ブラック ウォッチのメタルボタンのブレザーは昔、英国や米国のブランドや日本のトラッド ブランドが展開していたので、タータンが流行ればそれが出てくることは容易に予想できます。
GABRIELE PASINI
エキセントリックなコーディネートが特徴でもあるパジーニですが、今回はかなりリアルな英国調の素材づかいが見られました。
使っている生地はイタリア的にアレンジされていないかなりリアルな英国柄。
英国のマーチャントのオーダーバンチに入っているような、昔からある直球の英国柄の生地を使いつつ、パジーニらしいエキセントリックなコーディネートを提案していました。
来秋冬の流れを考えれば、パジーニでこのような生地を使うのは当然と言えば当然でしょう。
GTA
GTAも英国調の柄や素材をメインにした打ち出しでした。
コーデュロイ、ハウンドトゥース、ガンクラブ、ホームスパン、タータンチェックと、かなり英国調を意識した素材使いです。
プリーツ入りのパンツがメインになっていることは最早語るまでもありません。
サイドアジャスターのパンツがかなり増えているのも他のブランドと同じ傾向です。
今回のPITTIのブースややミラノのショールームではサイドアジャスターのパンツの打ち出しがかなり増えていました。
VALSTAR
以前はBEAMSでもアウターの主力ブランドのひとつだったVALSTAR。
ここ数年色々な事情がありオーダーはしていなかったので、久しぶりにコレクションをチェックしました。
定番のスエード ブルゾンの裏地がタータンになっていました。
このあたりも英国調の流れの影響が感じられます。
こんなアメリカの雰囲気を意識したモデルも提案されていました。
フライトジャケットのA2にウェスタンヨークを付けたようなモデル。
金茶のスエードと言うのも、ヴィンテージのアメリカのレザージャケットのようです。
ウールのヘリンボーンをのせたブルゾンも提案されていました。
以前バルスターのブルゾンが流行った頃は英国というキーワードとは無縁だったので、これも今の流れを物語っているのだと思います。
ブルゾンだけでなく、バルカラーのコートも展開しています。
かなり大柄なウールのグレンプレイドのコート。
左側のブラウン×ボルドーのグレンプレイドは個人的にも好きな柄です。
数年前にBEAMSで展開していてすぐに完売した、Aラインのゆったりしたシルエットのバルカラーとおそらく同じモデルです。
ここ数年続いている英国調の流れですが、今回のイタリア出張では更に多くのブランドで英国と言うキーワードが聞かれ、その流れが更に加速していることを感じました。
今まで英国調というキーワードに無縁だったブランドも来秋冬は英国テイストを謳っているほどです。
素材、柄、ディティール、アイテム、どれをとっても英国的なテイストが来秋冬の流れであることは間違いないでしょう。
ただ、英国調と言ってもそのままリアルな英国スタイルを取り入れる訳ではありません。
イタリアの服が持つ、軽く柔らかくリラックスした雰囲気と色気のようなものに、英国のテイストをいかに取り入れて表現していくかということがポイントになってくると思います。
90年代の英国ブームを知らない人たちにとっては、そもそも何が英国調なのかわからないと言うのが正直なところではないでしょうか。
それについては、その当時をリアルに経験しているので、今後も皆さんにお伝えしていきたいと思っています。
格式ばった決まり事が優先されたのが90年代の英国ブーム。
基本は押さえつつ、何事も時代性に合わせて柔軟に取り入れていく事が今の英国調の取り入れ方だと思います。
難しく考えない英国。
もともと英国テイストが大好きなイタリア人のように、我々ももっと気楽に英国調を取り入れられたらいいですね。
2018年春夏のトレンド解説動画 第一弾アップしました。
トレンドと言うと、なにかすごい流行もののような感じを受ける方も多いと思いますが、この動画は色々な角度から検証した今シーズンのリアルな傾向を解説しています。
是非ご覧ください。
http://www.beams.co.jp/feature/180126/