ミラノ ショールーム 続報 LARDINI
先週の金曜日に帰国しました。
今回は人生初のロストバゲージで、PITTIの3日目まで同じ服という最悪のスタートでした。
パリのシャルル ドゴール空港乗り継ぎのエールフランス便でフィレンツェ入りという、ロストバゲージのゴールデンルートで今までロストが無かっただけラッキーだと色々な人に言われました。(苦笑)
それでも着ていたスティレラティーノのコートが良かったので、毎日同じ格好でも結構スナップ撮られました。
このコート、現地でも色々な方から褒められました。
どこのコート?と聞かれて、スティレラティーノと答えると皆納得してしまう。
そんなブランド、本当になかなかないです。
今回の出張は本当にこのコートに救われました。
乗り継ぎのあるヨーロッパ出張はフランクフルトかミュンヘン経由のルフトハンザ乗り継ぎが安心です。
そうなるとJALは成田出発で現地での乗り継ぎも悪いので、全日空に替えるしかない・・・
10数年乗り慣れた航空会社を変えるのも悩むところです。
次回の出張まで考えます。
今回は出張中にアップできなかったミラノのショールームでチェックしたLARDINIのコレクションについてです。
PITTI UOMOのブースのプレゼンテーションが素晴らしかったラルディーニ。
実際にオーダーを取るミラノのショールームは更にサンプルも増え、傾向もより分かりやすくレイアウトされています。
なので、PITTIのブースだけでなく、ミラノのショールームを見ることは我々にとってはとても大事なのです。
まずショールームのディスプレイをお見せします。
春夏から続くブラウン系ワントーンのスーツコーディネート。
コーデュロイのベルテッドコートがいい雰囲気です。
ネクタイもコーデュロイ。
それも変わり畝のコーデュロイです。
コーデュロイは来秋冬のトレンド素材なので、ラルディーニも色々なアイテムでコーデュロイを使っていました。
こちらもブラウンのワントーン コーディネート。
大きい襟でレトロ感のあるトレンチコートはウールのグレンプレイドです。
このコートもなかなか良かったです。
スーツはコートを着ているのでわかりませんが、2ボタンのピークドラペルです。
これもピークドラペルのスーツ。
ヴィンテージ調のガンクラブチェックの3ピースという、個人的にもかなり刺さるスーツです。
PITTIでもピークドラペルの打ち出しは多かったですが、ラルディーニもかなり積極的に打ち出していました。
ここ数シーズン ラルディーニが提案している新たなパーティーウェア。
来秋冬はホームスパンのショールカラ―のタキシードです。
ホームスパンのタキシードはセオリー的には邪道なので、クラシックのルールを重んじる人には確実に怒られます。(笑)
袖口がターンバックカフスになっていて英国のビスポークテーラー風です。
来秋冬は英国調の傾向がさらに強まっているので、こういう提案が出ることも理解できます。
ブラウンとホワイトのジャケットコーディネート。
ベルベットのダブルのテーラードコートが上品な色使いにマッチしています。
シンプルですがセンスのいいコーディネートですね。
モッズ風のコートを使ったジャケットコーディネート。
ダブルのグレンプレイドのジャケットに襟ぐりが伸びたようなクルーネックにタイドアップというコーディネート。
オールドスクール風のコーディネートにモッズコートと言う、英米をミックスしたようなテイストのコーディネートです。
パンツはバックストラップ付のベルトレレスです。
ショールカラ―のロングカーディガンを使ったジャケットコーディネート。
ジャケットとジレはジャージで同素材の2ピースです。
タイドアップしたジャケットスタイルにロングカーディガンという、かなり洒落たコーディネートです。
カーディガンは画像では良く分かりませんが、大きい柄のヘリンボーンで、これがなかなかいいです。
このカーディガンはかなり刺さりました。
最近のラルディーニのニットはニット専業ブランド顔負けの企画力です。
パンツは2プリーツのサイドアジャスターです。
バブアー風のアウターを使ったカジュアルコーディネート。
フェアアイルのニットとタッタ―ソールのパンツという、かなり英国調を強くアピールしたコーディネートです。
今までのラルディーニには無かったテイストのコーディネートです。
ショールカラ―のニットにタイドアップも来秋冬らしいコーディネート。
個人的にはシャツがNGです。
カジュアルなコーディネートにスーツに合わせるようなドレス感の強いシャツを合わせるのはミスマッチです。
PITTIのバルバやボレッリのブースにあったような、セミワイドのタッタ―ソールのシャツの方が雰囲気ですね。
いずれにしても来秋冬はまたショールカラ―のカーディガンが新鮮です。
その他にも気になったものが色々ありましたのでご覧ください。
このブラウンのグレンプレイドのピークドラペルのジャケットもいいですね。
昔のラルフローレンのようなカラーリングのジャケットです。
ロング丈のミリタリーテイストのコート。
ガンクラブチェックの生地と大きなフラップのスラントポケット、ファー付の襟と、英国のヴィンテージショップにでもありそうな雰囲気のコートです。
このコートもなかなか良かったです。
ラルディーニも着丈の長いコートのバリエーションが増えました。
ダークタータンやタッタ―ソールのダッフル、ショートダッフルと、ダッフルコートのバリエーションが増えているのはラルディーニも同じ。
今回のPITTIやミラノのショールームではダッフルコートの打ち出しが本当に増えていました。
レザーのアヴィエータ―ジャケットやムートンのボマージャケット、そして英国調の生地を乗せた英米ミックステイストのボマージャケット、ベースボールジャケットは身頃がスエードで袖がツイードという、これも英米のミックステイスト。
カジュアルウェアはリアルなアメリカンテイストと英米のミックステイストで打ち出されていました。
アメリカテイストのレザージャケットが多く見られるのも来秋冬の傾向です。
中畝のコーデュロイとブラウンのグレンプレイドのグルカタイプのパンツ。
他のブランドと同様に、来秋冬のラルディーニもベルトレスのパンツがかなり増えています。
スコットランドのニットブランドで展開しているようなリアルな雰囲気のフェアアイルベスト。
これまでのラルディーニには無かったリアルな英国テイストの提案です。
来秋冬のラルディーニのコレクションは他のブランド以上に英国テイストを強めたコレクションでした。
同価格帯のブランドの中では最も良いコレクションだったと思います。
ブランドのトータル化に否定的な人もいますが、ジャケットやスーツやコート以外のアイテムも、専業メーカー以上に企画力のあるものが多いのが今のラルディーニの強みだと思います。
日本のラルディーニ ファンの方がこのフルコレクションを見れば、きっと良い意味で今までのラルディーニのイメージが変わると思います。
この世界観を見てからバイイングするのと見ないでするのでは大きな差があると感じます。
なので、ミラノでフルコレクションを見ることは我々にとってはとても重要なのです。
問題は値段が上がっていること。(苦笑)
原材料が上がっていることと、為替が上がっていることが主な理由ですが、他のブランド同様にラルディーニも値上がりしています。
ピックアップは終わっているので最終的なオーダーは日本でしますが、ピックアップしたものの中には値段が決まっていないものもあるので、
何とか現実的な値段に収まっていることを願うばかりです。
ブログを通して代理店さんにプレッシャーをかける私。
でも、お客様目線で値段を考えることは本当に重要だと思っています。
それでもどうにもならないこともあります。
懸命に交渉した結果なのでご容赦ください。
来秋冬も懸命に交渉します。