PITTI SNAP の真実
すっかりPITTI UOMOの風物詩?となった感のある、メイン会場前の”スナップを撮られたい人たち”の人だかり。
今年の1月のPITTI UOMOは数年ぶりの大寒波で、さすがに例年に比べると少なかった印象ですが、それでも陽がさして少しでも暖かくなれば、どこからともなく人が集まり大混雑になります。
通り抜けるのが困難なくらいの大混雑。
寒波といえば・・・・
一年中素足履きを通していたバイヤーのTも1月のイタリア出張では寒波に勝てず、現地でホーズを買って何年かぶりのホーズスタイル。
白パンにスーパースターにネイビーのホーズ、かなり微妙な感じですよね。(笑)
スナップ ブームが起きる前は、この広場はただのメイン会場のエントランスに向かうための広い通路みたいなもので人もまばらでした。
それが今ではいつもお祭り状態。
トレンドとは無関係なスタイルの ”目だってナンボ” な人たちと、それに群がるカメラマン達で大混雑。
ネットの色々なサイトでPITTIのスナップを見ると、こんなコスプレっぽいん人がかなり多いので、現地に行っていない人は、PITTIで打ち出されているトレンドってこんな感じなの?と思われる方も多いと思いますが、それは間違いで、会場の中にはこんな人誰もいません。
では、この人たちはナンなの? ということになりますが、私が知る限りの情報では、PITTIに出展しているブランドがモデル達に目立つ色柄の洋服を着させて、この広場をウロウロさせてスナップを撮られることで宣伝効果を狙ったもの。
もうひとつは、ファッション業界人達がスナップを撮られたいが為に、明らかに普段は着ないような目立つ服を着て広場をウロウロする。
つまり、仕事をしないでスナップを撮られる為だけにPITTIに来ている業界人達。
そして、ファッションが趣味の一般人? がスナップを撮られたいが為に、コスプレまがいの格好で会場の中に紛れ込んでいるという噂。(あくまでも噂で真相は不明です。)
あとは、数年前から急激に増えたカラフルな服を身に着けたアフリカ人?のような人達。
数年前に話題となった ”サプール”的な流れに関係して誰かが後押ししているのかもしれません。
とにかく謎の多いコスプレイヤーたちです。(笑)
撮る人達も、とりあえず派手で変わった格好をしている人を撮れば、なんとなく絵になるという意識で撮っていることもこの流れを助長しているように感じます。
現在のスナップの大ブームを起こしたのはこの本。
2009年に発刊されたLEON SNAP。
もともとLEONはイタリアのショップのオーナーやファッション業界人を誌面で紹介していたこともあり、当時からイタリアのファッション業界人達にも非常に知名度がありました。
そのLEONがPITTI SNAPを始めたとなれば、現地のファッション業界人達も色めき立ちます。
”あいつが載ってる、俺が出ていない、なんでこんなやつが出ているんだ”、などと、当時は大変なことになっていました。(笑)
ただでさえ見栄っ張りで嫉妬深いイタリア男達は、LEON SNAPが出てからは、LEONの専属カメラマンさんKさんの陣取るメイン会場前の広場を用もないのにウロウロし始めます。
これが現在の撮られたい人たちの始まり。
そして、その後SNSの発達と共に、多くのブロガーや有名フォトグラファー達がスナップを撮って配信するようになると、そのブームは更に加速して現在にいたります。
スナップブームが起こる前は、知らない人に写真を撮られると怒る人も結構いたものです。
イタリアは誘拐や強盗が多い国なので、知らない人に黙って写真を撮られることが怖いと思う人が多かったのが理由です。
なので、日本人のように、高級な車や時計、豪華な家や別荘などを持っているjことをSNSで自慢する人は今でもほとんどいないというのが実情です。
それを考えれば、現在のような、強烈な撮ってくれアピール (スナップに載せて欲しいアピール) というのも随分時代が変わったなという印象です。
現在のPITTI UOMOはバイイングをするためだけの場ではなく、ある意味 "ファッションの祭典" と言えるでしょう。
功罪含めて色々あると思いますが、PITTIの関係者の皆さんも、とにかくPITTIが盛り上がってファッション業界が盛り上がればいいと思っていると思います。
それについては私も同感です。
そう言った意味では、この空前のスナップブームはPITTIを盛り上げるための重要な要素になっていると思います。
ただ、ファッション業界人だけでなく、一般の方たちもネットを通してスナップを見るようになった今、それがリアルなスタイルなのか、スナップを撮られるためのスタイルなのか、判断する眼も必要になってきていると思います。
冒頭に書いたように、コスプレみたいな格好をして会場の中で仕事している人は誰もいません。
なので、私は海外のスナップよりも日本のスナップ本のほうがリアリティーがあると思っています。
LEON SNAPをはじめ、MEN'S CLUBのSNAP特集、以前紹介したGLOBERなどは、現在のPITTIのリアルなスタイルの人たちをスナップしていると思います。
良識ある日本人が作る良識あるスナップ。
いつか自分も自ら監修したスナップ本を出してみたいものです。
皆さん買ってもらえますか?








