PITTI SNAP by BEAMS 2017SS CASUAL編
3月に入り暖かい日が多くなりましたが、朝晩はまだまだ寒いですね。
さすがに3月に入ると洋服屋的には厚いウールのコートはもう着られないので、ここ数年かけて揃えたスプリングコートが毎日大活躍しています。
呼び名がスプリングコートなので、どうしても春に着るものと思われる方も多いと思いますが、実は春先以上に秋口のほうが長く着られるので、個人的には3シーズン コートと呼びたいところですが、私がなんと言おうと業界的にはスプリングコートというのは永久に変わらないと思うので、永久に春に着るものというイメージも変わらないということですね。
最近は休みの日のカジュアルなスタイルにもスプリングコートを合わせているので、本当に重宝しています。
スプリングコートを着て、薄くて軽いカシミア×シルクのパシミナ調のスカーフをバッグに突っ込んで、寒ければそれを巻いて温度調節。
最近の通勤スタイルはそんな感じです。
今回は、ジャケット編、スーツ編に続き、PITTI SNAP by BEAMS カジュアル編です。
シャンブレーのミリタリー風ジャケットのコーディネート。
ホワイトデニムのファイブポケットは、適度にゆとりのある501のようなシルエット。
最近このような501のようなシルエットのモデルを多くのサプライヤーが提案しているのも、今の流れです。
ファイブポケットもピタピタのスリムではなく、適度にゆとりのあるシルエットのモノを穿く人が増えています。
インナーはポケットのディティールが特徴的なカジュアルなジレ。

シャツは洗いざらしのオックスフォードのレギュラーカラーで、もちろん前立てが付いています。
このコーディネートに前立てのないカッタウェイのシャツを合わせたら雰囲気が台なしです。
首元はネッカチーフを結ばずに垂らしています。
ネッカチーフがアクセサリーのトレンドになっていますが、結ぶのに抵抗がある人は、彼のように無造作に垂らすのもいいと思います。
ベルトはウエスタンタイプですが、剣先を垂らすことなく、ジャストサイズでつけています。
今はこのバランスが正解です。
数年前にあれだけ流行った、ベルトの剣先を垂らすスタイルも今やほとんど見かけなくなってしまいました。
ベルトレスの流れもあるので、今はベルトで主張する流れではなくなっているのが理由です。
サイズアップして剣先を垂らしていた方は、ジャストサイズに直すこともできますのでご安心ください。
フロントでベルトを主張しない代わりにサイドにコンチョをつけてさりげなく主張。
イタリアとアメリカのテイストをミックスするのがうまい彼らしいテクニックです。
靴は金茶のスエードローファー。
おそらく、彼のショールームで扱っているナポリの靴工房のモノだと思います。
カーフのスリッポンを履く人が増えているのは間違いないですが、スエードのスリッポンが古臭くなったわけではありません。
コーディネートによって使い分けるのが正しいので、流行だからといって何でもかんでも表革を合わせる必要はありません。
時計は年代モノのROLEX SUBMARINERにビンテージ調のスエードストラップ。
最近このハンドステッチの入ったストラップをつけている人が急増しています。
イタリアではNATOストラップに続くストラップのトレンドになっているようです。
因みに、日本でも既に似たモノがネットで売られています。
http://item.rakuten.co.jp/chronoworld/1039-0000101/
http://item.rakuten.co.jp/
http://watch-monster.com/
ご興味があれば、チェックしてみてください。
ここ数年急増しているシャツ+ジレのコーディネート。
シャンブレー素材のカジュアルなジレですが、テーラードの襟が付いています。
これもサルトリアっぽいディティールをカジュアルに取り入れるという、最近多く見られるスタイルです。
パンツはゆとりのある2プリーツ。
ネイビーの無地に見えますが、よく見るとストライプが入っています。
ブルー×ホワイトのシンプルなコーディネイトなので、パンツにこのような控えめな柄が入っているのは効果的です。
これに派手な柄物のパンツを合わすと古臭い印象のコーディネートになります。
この人もベルトループの付いたパンツをベルトレスで穿いています。
数年前なら、このようなカジュアルなスタイルには剣先にチップの付いたベルトやスタッズの付いたベルトを垂らすのが定番スタイルでしたが、流れが大きく変わりました。
足元はスーパースターのネイビースエード。
ここ数年スーパースターとスタンスミスが現地でも圧倒的に人気がありますが、次に来るものはまだ出てきていません。
時計はROLEXのOYSTER PERPETUAL。
ロレックスの定番モデルはイタリアでは根強い人気があります。
こちらもシンプルなホワイト×ネイビーのコーディネート。
GジャンとCPOジャケットをミックスしたようなブルゾンは、少しエクリュがかったトーンがポイント。
パンツやシャツのピュア ホワイトのトーンと少しずれていることで、全体のトーンがうまくまとまっています。
パンツはノープリーツですが、このくらいが今の流れから考えると最もスリムなシルエットでしょう。
これ以上細いフィットは古臭く感じるのは否めません。
ブルゾンの下にはジレを合わせています。
日本ではジレはジャケットに合わせるものと思っている方がまだまだ多いですが、現地では色々なアイテムに合わせられる便利なアイテムという認識の方が強いので、カジュアルなコーディネートにジレを合わせる人がとても多いです。
足元はタバコスエードのタッセル。
英国や米国調のタッセルというのが今のスタンダードです。
数年前は、このようなコーディネートだとドライビングシューズを合わせる人が多かったですが、今やドライビングシューズもほとんど見られなくなりました。
定番も時代とともに変化すると言うことです。
ベーシックなスタイルにも時代性は必要です。
時計は小さくてよく見えませんが、おそらく MONBLANCのマイスターシュッテック へりテージでしょう。
薄型のシンプルな3針の時計ですが、意外とカジュアルなコーディネートにマッチします。
サファリ テイストのジャケットにタイドアップしたコーディネート。
画像だと分かりにくいですが、もしかするとスーツ・・・?
スーツだったら、かなり狙っています。
狙っていたとしても、このコーディネートにはホワイトパンツの方がいいですね
それと、ジャケットのバランスに対してパンツが細すぎます。
このようなジャケットにタイドアップというスタイルは、PITTIの会場でも多くのサプライヤーから打ち出されていましたが、せっかっくのコーディネートもバランスが悪くてもったいない感じです。
シャツはオックスフォードのセミワイドのシャツを洗いざらしで着て、ネクタイはシルク×リネンのざっくりした素材感のモノを合わせています。
このようなカジュアルとドレスをミックスしたタイドアップ コーディネートの場合、ネクタイの素材感は重要なポイントです。
一番手軽で間違いないのが、ニットタイですね。
ベルトの留め方も狙っているのだと思いますが、真中でないほうが良いのでは・・・
足元はこの方もタッセル。
よく見ると、アッパーがダークブラウンのもみ革です。
モカ縫いの感じを見るとALDENっぽいですが、はっきりとは分かりません。
時計はBELL & ROSSのVINTAGE WW1です。
イタリアではベル&ロスの知名度はとても低いです。
私もVINTAGE 124と126を持っているので、イタリア出張に着けていくことがありますが、時計好きの人たちに見せても、見たことがないという人がほとんどです。
もともとフランスのブランドなので、フランスではとても人気があります。
もしかすると、この人はフランス人かもしれませんね。
PITTIにいる外国人を見て皆イタリア人と思っている人も多いと思いますが、世界中のファッション業界人が集まる展示会なので、実はスナップに出ている人がイタリア人でないことも多いというのが実情です。
ダブルのショールカラーのニットジャケットにピンクのシァサッカーのパンツというコーディネート。
今シーズンのトレンドに RETRO RESORT というキーワードがありますが、まさにレトロなリゾートスタイルを現代的にアップデートさせたスタイルです。
金色のメタルボタンもいいですね。
メタルボタンはしばらくシルバーが多かったのですが、クラシック回帰の流れもあり、ゴールドのメタルボタンがリバイバルしています。
インナーは白いパイルのスキッパー。
襟を外に出してリゾートっぽさを演出しています。
ポロシャツをジョンスメドレーのようなニットポロを合わせても今シーズンらしい雰囲気になります。
シァサッカーのパンツは2プリーツ。
ノープレスで穿くようなカジュアルなパンツもプリーツ入りのパンツが増えています。
適度にゆとりがあって裾にかけてテーパードしていくシルエットは、今のプリーツパンツの基本となるシルエットで、日本人が穿いてもスタイル良く見えるシルエットです。
足元はブラックカーフのタッセル?
革の表情から見るとブラックコードバンのALDENにも見えますが、イタリアでブラックコードバンを見たことがほとんどないので、真相はわかりません。
ピンクのパンツに黒の靴を合わせるのも彼らしいコーディネートです。
タッセル以外にビットローファーやグルカサンダルを合わせても今シーズンらしいコーディネートになると思います。
ジャケット編、スーツ編、カジュアル編、全てで彼のコーディネートを紹介しましたが、個人的にも彼のコーディネートには注目しています。
1月のPITTIのレポートでお見せしたLARDINIのディスプレイのコーディネートも、彼が手がけました。
私が仕事をしているイタリア人の中で、いま彼が最もセンスのいいイタリア人です。
因みに、彼が着ているニットジャケットはBEAMSでも展開しています。
ネイビーとエクリュの2色展開です。
白のボーダーは入れないでワントーンで別注しました。
個人的にも今シーズン押さえたいニットジャケットです。
カジュアルに関しては様々な流れがありますが、クリーンなコーディネートが求められるような流れになっているのは間違いありません。
今回のスナップで見られた大きなポケットの付いたジャケットは、サファリやミリタリーやワーク、アウトドアといった様々な要素のジャケットを包括してUTILITY JACKET(ユーティリティー ジャケット)と呼ばれ、多くのサプライヤーから提案されていました。
そして、ニットジャケットやシャツジャケットなど、軽くてリラックスして着られるカジュアルジャケットも再び多くなっているのが傾向です。
カジュアルパンツもプリーツというのはジャケットとスーツと同じ流れです。
上の画像のとおりノープリーツのパンツを穿いている人も、ピタピタに脚に張り付くようなタイトなシルエットのパンツを穿いた人はかなり少なくなりました。
どうしてもプリーツパンツを穿けないという方は、今後プリーツパンツを選ぶ際は、スーパースリムではなく、普通のスリムフィットを選ぶか、スーパースリムをワンサイズ上げてウェストを詰めて穿くと今風のノープリーツのシルエットになります。
足元はタッセルやローファーを履いた人がとにかく多いです。
これも、カジュアルなスタイルであっても綺麗に着こなすという、今の流れの影響が大きいと考えます。
特にタッセルは、ジャケットにもスーツにもカジュアルにも使われているので、いま最も使える靴と言えるでしょう。
ユーティリティージャケットは個人的に今シーズン欲しいアイテムです。
これは買おうと思っています。
http://www.beams.co.jp/item/beamsf/jacket/21160950115/
シャンブレーのサファリジャケット。
かなり刺さります。
合わせるパンツは、サイドアジャスターのベルトレス。
それだけは決めています。



























