PITTI UOMO 91 画像 | ELEMENTS OF STYLE

PITTI UOMO 91 画像

 
 
今や仕事でもスマホで画像を撮る人が多いですが、私は今でもカメラが欠かせません。
 
 
それは、毎シーズン資料として数百枚の画像を撮るからで、毎回PITTIの出張では600枚近い画像を撮ります。


今回の出張もあまり撮っていないなと思ったのですが、終わってみれば500枚弱の画像を撮っていました。


日本の展示会でも撮るので、最終的にはいつも通りの枚数になりそうな感じです。
 
 
私の部下たちも皆カメラで画像を撮っているので、ビームスのバイヤー陣ほど画像を撮るバイヤーはいないと思います。


ある意味、BEAMSのドレスクロージングチームの伝統でもあります。
 
 
それだけ多くの画像を撮る理由は、店舗スタッフに流れを伝える資料を作るためと、帰国後何度も画像をチェックして流れをしっかり掴むためと言う両面があります。
 
 
私のような立場になると、PITTIのブースやショールームでも偉そうにふんぞり返っている日本人もいるのですが、私は今でも中腰になって画像を撮ったりして忙しなく動き回っています。


業界人風にカッコつけたり偉そうにしている人を見ると、”自分が泥臭くてカッコ悪いな” と思うこともあるのですが、どんな立場になっても ”やるべきことはやらなければならない” と言うのがポリシーなので、これからも初心を忘れずに泥臭くやるのは変わらないと思います。


この業界、偉そうにふんぞり返っている人って、たいていいなくなるんです。


そういう人を多く見てきて、反面教師として今までやってきたという事もあります。


ファッション業界は軽く見られがちですが、ノリでやれるような仕事ではありません。


”日々精進” ファッションとは無縁の様な言葉ですが、少なくても私にとってはそれが日々の仕事の糧になっている事は間違いありません。


こうなったら、日本一泥臭いクリエイティブディレクター を目指そうかなと思っています。(笑)
 
 







 
今回はこれまでの出張レポートでお見せできなかった画像をお見せします。


多くの画像をお見せしたいので、今回は文章は少なく短めです。


雰囲気が伝わりやすい画像をチョイスしましたので、じっくり見て感じ取っていただければと思います。
 
 


 
 


LARDINI
 
 
 
 
 
 
 
今回のラルディーニのディスプレイは、ここ数年で一番良かったと思います。


打ち出したいモノやコトが明確に伝わりやすいディスプレーでした。


ブラウン系の打ち出しとコートのバリエーション そして英国柄


やはり、これらはハズせません。
 






 
 
 
GABRIELE PASINI
 
 
 
 
 
ピンホールカラ―の打ち出しとレジメンタルタイ


”パジーニ風クラシック回帰” という提案を感じさせるディスプレイです。


ピンホールのカラ―バーのデザインがパジーニらしいです。


エキセントリックな提案が特徴だったパジーニも、クラシック回帰はハズせないキーワードだと言うことなのだと思います。
 



 
 
 
 
 
 
TAGLIATOLE
 
 
 
 
 

キャメルからブラウンのカラー、挿し色のボルドー、英国柄、そしてコートのバリエーション


今までと比べるとシックな色目が多くなりましたが、それでもタリアトーレらしさを充分に感じさせるコレクションでした。


下段 中央のグレンプレイドのコート、一見FERLA調ですが、タッチはツイード風です。


大柄のグレンプレイドのコートは、来秋冬のトレンドですが、多くのグレンプレイドのコート生地の中でも、この生地は個人的にかなり刺さりました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
L.B.M
 
 
 
 
 
ここでもグレンプレイドとハウンドトゥースのコート
 
 
これだけどこのブースに行っても見せられれば、よほど勘の悪いバイヤーでなければ、英国柄が来秋冬のトレンドであることはすぐに理解できると思います。


ここでも挿し色にボルドー
 
 
コートもジャケットも白いネップの入った生地が見られますが、この白いネップと言うのも生地の傾向です。


しかし、日本ではネップが敬遠される傾向があります。


”ゴミが着いているみたいに見える” と言われることがあるようです。


自分の世代にとっては、ネップ入りのツイードは定番中の定番だと言えますが、これも世代の違いという事なのだと思います。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
DRAKE’S
 
 
 
 
 

英国人が英国のシャツファクトリーで米国風のボタンダウンを作って、イタリア人のように襟先のボタンを外す。


そして、ディスプレイから受けるイメージはアメリカンブリティッシュ風


これも新しい世代のクラシックスタイルなのだと思います。


ひとつの国のスタイルに縛られないこのようなスタイルは、個人的に共感できます。
 
 
英国人も若い世代は柔軟でスタイルも変わってきたという事なのだと思います。






 
 
 
 
FINAMORE
 
 
 
 
フィナモレも新しい提案はセミワイド
 
 
作り手自体も大きく開くカッタウェイは今の流れではないという事を感じているのは間違いありません。


ドレスのコーディネートもレギュラーカラ―に近いカラ―を使っていました。
 
 
カッタウェイが無くなったり着れなくなるという事はないですが、今回のPITTIを見ても今後はカジュアルもドレスも普通のワイドやセミワイドを選ぶとこの先長く着られると思います。


個人的には、ドレスはセミワイドやレギュラーが今の気分です。



先日InstaとFacebookにアップした画像。

 
こんな襟が最近の気分です。

 
今シーズンはセミワイドやレギュラーのドレスシャツを色々新調しようと思っています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
国内の展示会も今がピークです。


11月のプレコレクションから始まり、PITTIからミラノのショールームまわり、そして国内の展示会と、すでに来秋冬の傾向も明確になってきています。


細かいことは色々あるのですが、ひとつ言えることは、ここ10年くらい続いたドレスクロージングのカジュアル化以前のスタイルやモノがアップデートされて提案されているということです。


それは、ドレススタイルが全盛だった頃のスタイルやモノが見直されているということです。


そして、重要なのはアップデートされているということ


我々のようなスタイルにも時代性は必要です。


当時をリアルに経験していても、その経験が邪魔をするということもあります。


”軸はブラさず、頭は柔らかく”


相反することのように思えますが、
 
 
私の仕事はそれが大事だと思っています。