スエード靴の染直し
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
年末から新潟に帰省していました。
今年の正月は新潟も暖かかったのですが、大雨が降ったり雷が鳴ったりと、天候はいまひとつ。
日本海側の冬の景色は鉛色の空なので、正月はお盆の帰省とは真逆で行動力を鈍らせます。(笑)
三が日は、ひとり暮らしの父親と二人でゴロゴロしながらテレビを見たり、私の近況や仕事の話をしたり、父親の趣味のゴルフの話を聞いたり、昭和20年代後半に神田の平和堂靴店に勤めていた頃の昔話を聞いたり、(毎年同じ話を聞いています。笑) 普段できない親孝行の毎日。
ほとんど外出しませんから、着ているモノはお洒落とは程遠い格好。(笑)
でも、初詣に行った実家の近所の小さな神社で見知らぬ人に声をかけられたり、そんなことが度々あるので、いくら休みで気が抜けてると言っても、最低限気を使わなければと反省しました。
昨日初出社でしたが、あるところに出していた私の靴が戻って来ていました。
10数年前に別注したCHEANEYのクレープソールのフルブローグ。
当時”CHURCH’Sの73番ラストのFAIRFIELD”をイメージして別注したこの靴。
色々なブランドで別注をしてきましたが、この靴はその中でも5本指に入る自信作で、これまで履かない時期もあったのですが、手放さずに大切にずっと持っていました。
今の流れにも合っている靴なので、久しぶりに履きたい気分になっていたのですが、タバコスエードのようなブラウンは、もう少し濃ければなという感じです。
ダークブラウンのスエードスプレーを何度もかけたのですが、少し濃くなる程度でほとんど変わりません。
根本的にスエードの色を染め直す方法はないかと、靴に詳しい人達に色々聞いていたのですが、皆そんな話は聞いたことがないという返答。
その後も自分で色々調べていたら、偶然お取引先の社長さんが前職で靴の染直しをやっていたことがわかり、ダメもとでお願いしたら快く引き受けていただけました。
色のイメージは、今BEAMSでも展開している81番ラストのフェアフィールドのダークブラウンスエードのような色。
この画像を送って、なるべく近い色に仕上がるようにお願いしました。
イメージどおりの色に仕上がりました。
濃く染めるとスエードの素材感が悪くなるかもしれないということでしたが、元々経年変化で毛足が粗くなっていたので、染め直しで毛足が少し寝て、むしろ表面は滑らかになった感じです。
染め直しの方法はまさに職人技の域。
企業秘密なので詳細はお伝えできませんが、かなり時間と手間をかけないと、なかなかこのように綺麗には仕上がらない根気のいる作業です。
この靴がうまく仕上がってきたら他にもお願いしたい靴があったのですが、今の仕事が忙しくてとても無理だと言うお話でした。
残念・・・
蘇ったこの靴、早速ガンガン履きます。
こんな感じの昔ながらの武骨な英国靴や米国靴が今の気分。
個人的にはチャーチの73番ラストのフェアフィールドを復活させたい気持ちですが、今のチャーチは別注をかなり渋るようで、実現には相当ハードルが高そうです。
ならば、この10数年前に別注したこのモデルをチーニーで復活させようかと・・・
ラストはチャーチの73番とほとんど変わらないですし、今のチーニーであれば当時よりもクオリティーが高い靴ができるに違いありません。
早速当時のラストが今もあるのか日本の代理店に聞いてみることにします。
靴の流れが少し変わってきているので、来秋冬は靴のバリエーションが重要になってくるのではないかと思っています。
新年から色々なアイデアが浮かびますが、靴の別注は時間がかかるので早く動かないといけません。
BEAMSの別注はうるさいので、過去には新しいモデルがデリバリーされるまで2年もかかったこともあります。
世の中にはフィッティングもしないでオーダーするバイヤーも多いと聞いています。
それはオーダーを受けるサプライヤーにとっては楽な仕事です。
そう思うと、我々は本当に面倒な奴らです。
でも、これからも妥協はしません。
それが我々のアイデンティティーですから。
2プリーツのサイドアジャスターでミディアムグレーのサキソニー。
シルエットは細身でかなりキレイなシルエット。
来年の秋冬確実にトレンドになると思われるパンツが40%OFF。
インターナショナルギャラリーのバイヤーがバイイングしたモデルですが、早すぎましたね。(笑)
GTA DESIGN
プリーツ入りのパンツが気になっている方にはお勧めです。
まだ少し在庫があります。
気になる方は是非ご試着してみてください。
これはいいです。