MEN’S EX 連載 1月号
MEN’S EX 1月号が発売されました。

私の連載 ”中村達也の今、買いのアイテム”


今回のテーマは ”ミリタリーアウター” です。
イタリアでも以前からM65タイプのアウターは
定番として様々なブランドが展開してきました。
代表的なのは、イタリアで歴史的な
ヒットアイテムと言われている
ASPESIのM65タイプのフィールドジャケット。
もう15年以上前でしょうか。
1月にイタリアに出張に行くと、
PITTIの会場でもフィレンツェやミラノの
街角でも、ASPESIのM65タイプの
フィールドジャケットを着た人たちが
どれだけいるの? と思うほど、
大人気のアウターでした。
元々アメリカのカジュアルウェアに対しての
造詣に乏しいイタリア人にとって、
アメリカのワークウェアやミリタリーウェア
のテイストを広めたASPESIの功績は
大きいと言えます。
その様な経緯もあり、イタリアでミリタリー調の
アウターと言えば、これまではM65タイプが
一般的でしたが、その流れも少し変化が
見られます。
今年の1月のPITTI UOMOの会場で撮った
画像があります。










ご覧のように、M65タイプが多いのは
変わりませんが、N3BやM43タイプ、
モッズパーカやボマージャケットタイプなど、
バリエーションが広がっているのがわかります。
その背景には、今シーズン様々なブランドで
提案されている ”MIX スタイル” の影響が
少なからずあると思います。
MIXスタイルとは、簡単に言うと、
ドレス的なアイテムとカジュアルなアイテムを
ミックスしてコーディネートしたり、
イタリア的なスタイルに英国やアメリカの
テイストをミックスしてコーディネートする
スタイルです。
このブログでも何度か書きましたが、
今の流れは、”全身イタリアン” 的 な
イタリア血中度の高い艶っぽいスタイルは、
現地でも既に古臭いものになっています。
その様な流れもあり、ミリタリーテイストの
アウターが再注目され、バリエーションも
M65タイプだけではなく、様々なタイプの
モデルがアウターブランドから提案されて
いると言うのが今シーズンの特徴です。
このMIXスタイル、実は以前にも何度か
流行したことがありました。
80年代後半から90年代中ごろにかけて
英国調のブームが起きたとき、
イタリアでもバブアーのオイルドコートや
ハスキーのキルティングジャケットが
流行したことがありました。
その当時のPITTI UOMOは、
今のようなカジュアルなスタイルは
ほとんど見られず、スーツスタイルが
圧倒時に多かったので、
皆エレガントなスーツスタイルに
バブアーのオイルドコートや
ハスキーのキルティングジャケットを
着ていたものです。
その後、テーラードコートが全盛になると
バブアーやハスキーを着る人もほとんど
見かけなくなりましたが、90年代後半に
なると、アスペジのM65タイプや
ウールリッチのアークティックパーカなどの
ダウン系のアウターが人気となり、
やはり、それらをドレススタイルと
合わせる人が、PITTI UOMOの
会場だけでなく、イタリアの街角でも多く
見られるようになりました。
このように、ここ30年くらいの流れを見ても
ドレススタイルにアウトドアやミリタリー
テイストのアウターを合わせるスタイルは
何度か流行したことがあります。
そして、この流れは次の春夏も続きます。







ご覧のとおり、6月のPITTI UOMOでも
ほとんどのアウターブランドが
ミリタリーテイストのアウターを
打ち出しているのを見ても
それは明確です。
そして、この流れは来年の秋冬も
続く事が予想されます。
個人的には、以前はミリタリーテイストを
薄めるために敢えてネイビーを選んで
いましたが、今シーズンはミリタリー的な
イメージの強いオリーブグリーンやカーキ
が気になります。
他のショップでも今シーズンは
ミリタリーグリーンのアウターを
積極的に展開しているようです。


難易度が高いと思っている方も
是非ご試着してみてください。
カーキやミリタリーグリーンを選んだだけで
何故か今風に見えるのが今シーズンの
ミリタリーアウターです。
そう言われても、やっぱりネイビー・・・。
その気持ちもわかります。(笑)
無理のない程度にチャレンジ。
それがコーディネートの幅を広げる
第一歩です。