M.E.× ERNESTO × BEAMS | ELEMENTS OF STYLE

M.E.× ERNESTO × BEAMS


昨年個人的にオーダーした

”ERNESTO”のバルカラーコート。




ネイビー×ホワイトのトーンが

かなりハッキリしているので、

既製で展開するのは難しいだろうと思い、

個人的にイタリアでオーダーしたのですが、

facebookなどをご覧になられたお客様からの

問い合わせがかなり多く、

今シーズン全く同じものを既製で展開することに

なりました。

しかし、入荷前かなり予約が入り

早々に予約分でほぼ完売・・・

今でも多くのお客様から

お問い合わせをいただきますが、

着数に限りのあるBEAMSの

エクスクルーシブ生地だったので、

追加オーダーはできませんでした。

ご購入できなかったお客様、

申し訳ございませんでした。




このエルネストのバルカラーコート、
スティレラティーノのコートと並び、
最近私が最も気に入っているコートです。

と言うこともあり、今年の1月に工場取材に

行った際にMEN’S EXの副編集長から
「何か別注はできないか」という話があり、
「それなら私の一押しのコートで」

と言う流れになり、10月の誌面で紹介されている

”M.E.× ERNESTO × BEAMS”

別注コートをオーダーすることになりました。







リクエストは「仕事でも着られてオフでも

着られる柄と素材」

実は、このリクエストが難題です。
普通のネイビーにすれば

仕事では着られますが、

休日に着るにはチョット堅すぎて、

柄がハッキリしたものにすれば、

ビジネスでは難しい・・・

そして、そのリクエストに応えるべく、

私がエルネストのコレクション以外の

生地メーカーのコレクションから生地を

選びました。



遠目では無地に見えますが、

近くで見ると大きめのハウンドトウース。
ネイビー×インディゴブルーの

コンビネーションなので、色が馴染んで

柄の大きさの割にそれほど目立ちません。

一見ツイードにも見えますが、
アルパカ、モヘア、シルクが

混紡されているので、
見た目の印象よりかなり柔らかく

軽い着心地です。

遠目で見ると無地に見えるチェックで、

一見ツイードのようなスポーティーな

生地にも見えるのに軽くて柔らかい着用感。

まさに、コレが私の考える

オンオフ兼用できるコートの条件でした。

これだけ書くと良いことばかりですが、
モヘアが混紡されているので、

少し表面にモヘアの長い毛が目立ちます。

ロングヘアーは今シーズンの素材の
トレンドでもあるのですが、

見慣れない方には少し違和感を感じるかも

しれません。


このエルネストのコート。
袖はラグランスリーブです。



ラグランスリーブは肩先が膨らむと

古臭い印象に見えます。

肩先が丸くナチュラルなラインであることが

今の時代のラグランの重要なポイントです。


このエルネストのコートは、
バックベルトが付いているので、

普通のテーラードコートのような

タイトなシルエットをイメージされる方も

多いと思いますが、ラインはあくまでも

ウエストシェイプのないシルエットです。

そして、このような裾にかけて自然に広がる

適度なAラインのシルエットが、

今のバルカラーにとって重要な要素です。

プリーツ入りのパンツもそうですが、

スリムすぎるシルエットの反動から

少し余裕のあるシルエットが

流れに敏感な人達を中心に

注目されています。

実は、その流れは既に2年前くらいから

始まっていました。

昨年の1月のPITTIで、

ゆとりのあるバルカラーコートを着た

人が増えていたのも

その変化を感じさせ要因でした。

と言うことで、私も今シーズンは

バルカラーコートに注目していますが、

昨年から着ている、このエルネストの

バルカラーコートは、

私が実際にワンシーズン着て

そのシルエットの良さを実感しているので

特にお勧めしたいコートです。

テーラードコートを何着もお持ちの方は、

今シーズン、是非バルカラーコートを

検討されることをお勧めします。

そして、バルカラーコートの流れは

来年の秋冬も続くと予想されるので、

一過性の流行ではありません。


最近色々な意味で数年続いた流れが

少しづつ変化してきているように感じます。

その流れの変化についても

今後少しづつ紹介して行きたいと思います。