ブラックスーツ
私くらいの年齢になると、お通夜や葬儀に参列する機会も多くなります。
お通夜はダークスーツでも通用するのですが、
葬儀はやはりブラックスーツでなくてはなりません。
逆に結婚式で今までブラックスーツを着たことがないので、
多分これからも必要に迫られない限り着る機会はないと思います。
普段着るスーツとしても黒を着ることはありません。
モード的なスーツとしてのブラックスーツは定番だと思いますが、
クラシックなスタイルでブラックスーツを着ることはないと思います。
因みに、取引のある欧米のサプライヤーが来日すると、
黒いスーツを着たビジネスマンがあまりにも多いことに驚きます。
彼らの見解では、ブラックスーツをビジネスで着るのは
日本人とドイツ人くらいだと言います。
まあ、世界は広いので、そんな風に言い切るのも極端だと思いますが、
私の経験上、確かにオーソドックスなビジネススーツで
これほどブラックが一般的なのは日本だけかもしれません。
と言うことで、葬儀や法事で着るブラックスーツがかなり古くなったので、
10年ぶりにブラックスーツを新調しました。
今回新調したスーツは既製ではなく、
”CUSTOM TAILOR BEAMS” でオーダー。
この肩パッドがなくソフトで軽いスーツが、
個人的にはBEAMS Fのオリジナルスーツの中で
最も完成度が高く着やすいモデルだと思います。
ポケットはフォーマルスーツなので、
ブラック以外でもフォーマルで着られそうなスーツは、
フラップ無しの両玉縁でオーダーすることが多いです。
いわゆるクラシコブームの頃に、
フラップの無い両玉縁のポケットが流行ったことがあり、
その当時は、フラップポケットが付いたスーツを着ていると、
イタリア人にフラップポケットをポケットの中に押し込まれたものです。(笑)
普通の背抜きより ”MEZZA FODERA NAPOLETANA”(メッツァ フォデラ ナポレターナ)
といわれる裏地が極力少ないこの仕様が個人的には好きなので、
オーダーでスーツやジャケットを作る場合は、
秋冬であってもこの仕様でオーダーします。
ジャケットの場合は色々な色柄の生地があるので、
カラーバリエーションが多いナットボタンでチョイスすることが多いですが、
ダークスーツの場合はホーンボタンの方が高級感があるので、
今回はこのボタンをチョイスしました。
袖ボタンは重ねボタンにも本切羽にもしませんでした。
葬儀や法事にしか着ないので、
ディティールで遊ぶ必要がないというのが理由です。
パンツは敢えてワンプリーツにしました。
昨年まで展開していた浅いワンプリーツです。
このワンプリーツのモデルをベースに、
渡りや膝幅、すそ幅は今のノープリーツのモデルに近くなるように
寸法を調整してオーダーしました。
仕上がりはプリーツが入っているというだけで、
シルエットは今の細身のノープリーツとほとんど変わりません。
裾の仕上げは、シングルのモーニングカット。
裾幅を17.5cmにして、前後差1cmのモーニングカットにしました。
ブラックスーツはフォーマルでしか着ないので、
シングルのモーニングカットと最初から決めていました。
なんでワンプリーツ?
と思われる方がほとんどだと思いますが、
実は今回のオーダーは特にここがポイントでした。
理由は、スーツのパンツはプリーツが入っていた方が
エレガントに見えるので、個人的にドレッシーなスーツは
プリーツが入っていた方が今の気分です。
元々、パンツブランドがノープリーツを打ち出して
ノープリーツのパンツがトレンドになった後も、
しばらくはスーツのパンツはプリーツ入りを穿く人の方が多く、
ジャケットにはノープリーツパンツ、
スーツにはプリーツ入りというのが
イタリアでも一般的でした。
その後、ドレスクロージングのカジュアル化の流れの中で、
ジャケットに細身のノープリーツというスタイルがトレンドとなり、
その影響もあって、スーツにもノープリーツのパンツという組み合わせが一般的になり、
現在に至ります。
私自身ここ数年はノープリーツのパンツのスーツを着ていましたが、
取引先のイタリア人達の間でプリーツ入りのパンツのスーツを着る人たちが
少しづつ増えているのを見て、それがすごく新鮮に感じたのと、
やはりエレガントに見えることを再認識し、
今回ブラックスーツをオーダーするにあたり、
パンツはスリムなシルエットのワンプリーツにすることに決めました。
因みに、彼らが穿いているワンプリーツのパンツは私がオーダーしたのと同じく、
スリムなシルエットのノープリーツにプリーツを入れたような、
今の時代感を感じさせるワンプリーツです。
実は、このプリーツ入りの細身のパンツ。
ほとんどのパンツブランドが数年前から提案しています。
まだまだ穿いている人も少なく、トレンドにかなり敏感な人たちのモノですが、
数年後には大きな流れになるかもしれません。
それに関しては、また別の機会にコメントしたいと思います。
と言うことで、今後個人的にオーダーするスーツに関しては、
細身のワンプリーツでオーダーしようと思っています。
春夏も ”CUSTOM TAILOR BEAMS” でスーツをオーダーしようと思っています。
その際は、またご紹介します。
春夏絶対に買おうと決めていたこのバッグ。
出張から帰ってきたら店頭在庫が無くなっていました。
お客様のお取り置き分にキャンセル待ちを入れて待つしかありません・・・
少し小さくなったBEAMS別注のポスティーナ。
これは欲しいです・・・







