BEAMS SNAP 2
2月に入り、日本での展示会が始まります。
1月のイタリア出張でチェックしたものや、
現地でミーティングした別注やスペシャルなリクエストなども
日本の展示会でオーダーするので、
月末まで、ほぼ毎日朝から晩まで展示会まわりという日々が続きます。
オフィスには日中殆どいないという忙しい一ヶ月ですが、
私にとって実際に洋服に触れる時間は最も充実した時間なので、
忙しい割にはストレスを感じません。
それでも、全く刺さるモノがない展示会もあり・・・
テンションが下がってしまう時ももあります(笑)。
今日も前回に続き、
”BEAMS SNAP ” です。
ホームスパン風のベージュのジャケットに同系色のベスト、
デニムのシャツにネイビーのウールタイというスタイル。
タイを敢えてネイビーにしたことで、Vゾーンがしまった印象になっています。
コートはカセンティーノ風生地のブルーのバルカラー。
今回のPITTIは、カセンティーノやカセンティーノ風の生地を使ったアウターが
かなり多かったです。
日本でも”毛玉”が受け入れられる日が来るのでしょうか(笑)。
日本のファッション誌でもお馴染みのプリモさん。
ファーの付いたカセンティーノのダブルのコートは
フィレンツェのテーラー、リベラーノで仕立てたものです。
今ではあまり見かけなくなりましたが、
以前はカセンティーノのコートにファーを付けて着た人を
フィレンツエの街中でもよく見かけたものです。
因みにこのコート、裏地が派手なグリーンで、
袖のターンナップカフスやバックベルトの裏も全てグリーン。
さすがプリモさんです。
ORIANの社長 フェデリコ。
タータンチェックのツイードジャケットにデニムのファイブポケット、
足元はマウンテンブーツです。
このマウンテンブーツ、数年前に大ブレークして
それ以降年々少なくなっている印象でしたが、
今回のPITTIでは、また増えていました。
マウンテンブーツだけでなく、ラギッドソールを使ったブーツや靴が増えていて、
それらをジャケットコーディネートに取り入れるスタイルが結構見られました。
上半身はエレガントなジャケットコーディネートでまとめ、
ボトムは綺麗に色落ちしたデニムのファイブポケットを合わせています。
パンツはライトグレーのフランネルやサキソニーであれば更にエレガントですが、
敢えてデニムを合わせたのが、この人の狙いだったのでしょう。
デニムの色落ち感とシルエットがトップスと合っているので違和感がありません。
我々日本人には最も難しいコーディネートですね。
前回も書きましたが、このような長めのピーコート風のアウターがかなり多かったです。
前回ベージュのジャケットに赤いタートルを合わせていたこの方、
この日はライトグレーのダブルブレストのスーツに生成りのタートルを合わせ、
シャツの襟をタートルから出しています。
アウターはアメリカ製のレプリカのM-65、
靴はおそらくオールデンのコードバンのプレーントウです。
さすがにコレだけひねったコーディネートの人はなかなかいないです。
スナップの常連なので、撮られることを意識したコーディネートように感じます。
ELEVENTYのマルコ、
ジャージのダブルブレストのコートに色落ちしたデニムのファイブポケット、
足元はワークブーツです。
ダブルブレストのコートにワークブーツというコーディネートは一見違和感がありますが、
こんなコーディネート提案も今回のPITTIではよく見られました。
ミラノのERAL55のスタッフ。
右の方は前回タイドアップスタイルでしたが、
同じジャケットをこの日はデニムとあわせ、
ムートンのコートというカジュアルなコーディネートにまとめていました。
同じジャケットがコーディネートで全く違う印象に見えます。
それにしてもイタリア人はデニムの着こなしがうまい人が多いです。
シルエットや色落ちの具合など、相当考えているように感じます。
もちろん、全く考えていないような人も多いですが(笑)。
モデルのデビット。
前回はスーツスタイルでしたが、この日はジャケットスタイルでした。
LARDINIのネイビージャケットにグレーのサキソニーのパンツという
シンプルなコーディネート。
深いパープルのソックスで足元にアクセントをつけています。
スタイルがいいとシンプルなアイテムが更に引き立ちますね。
羨ましい。
色々なサイトをチェックしていると、かなりスナップを撮られています。
それにしても、ただPITTIを見に来ただけなのに、
クラッチバッグ抱えてお洒落なバイヤー風のスタイルは、
狙っているのでしょうか(笑)。
スナップを見ていて気づかれた方も多いと思いますが、
パンツがかなり細いですね。
最近はサイズ48の人でも裾幅が18㎝、
もしくはもっと細いなんていうのが当たり前になっています。
イタリアでは日本のようにスーパースリムのパンツがどこでも売っている訳ではありません。
業界人だけでなく、ファッションに興味のある人たちは、
皆自分の好みの細さに直して穿いています。
それは普通のパンツだけでなく、ファイブポケットも同じです。
日本は直すことに関してネガティブな方が多いですが、
現地ではむしろ自分の好みに合わせて直すのが当たり前です。
パンツはブランドで選ぶのではなく、自分の体形に合うものを選び、
そして好みのシルエットに直す。
今度パンツを購入されるときは、そんなことも意識して選ぶと選択肢が広がると思います。
おまけです。
初公開。
PITTIでの仕事風景。
仕事しています。
毎日真剣。
次回も”BEAMS SNAP”続きます。