ITALIA REPORT 4
イタリアに続き、今週から国内の展示会が始まりました。
私にとっては、イタリア出張で感じとった来秋冬の傾向と、BEAMSとして提案すべきモノやスタイルを再確認
しながら、クリエイティブ ディレクターとしてBEAMSのドレスクロージング全体の方向性を固めていく重要な
時期でもあります。
今回もイタリア レポートです
ノープリーツ一辺倒だったパンツにも少し変化が出てきています。
圧倒的にノープリーツのパンツが多く、主流であることに変わりはありません。
そんな中、ほとんどのパンツブランドが、プリーツ入りのパンツを少しづつですが提案しはじめています。
プリーツと言っても、ごく浅いプリーツで、以前のような腰回りがゆったりするようなプリーツではなく、
あくまでもディティールとしてのプリーツという印象です。
パンツのシルエットはプリーツが入っていても現在主流のスリムなノープリーツと変わりません。
フロントにプリーツが入っていて、渡りから裾まではノープリーツと同じというのが、
新しいプリーツ入りパンツの特徴です。
ウールのドレスパンツではなく、コットンのカジュアルなパンツに多く見られるのも特徴です。
実はプリーツ入りのパンツの提案は、昨年の一月のPITTI UOMO でも既に見られましたが、
今回の PITTI UOMO では更に増えたという印象です。
ほとんどのパンツブランドが、ノープリーツの次の流れを模索しているという印象を受けます。
PITTI UOMO の会場でもトレンドに敏感な人たちが、既に浅いプリーツのパンツを履く姿が見られました。
2011年秋冬、2012春夏に続き、ベージュからブラウンのカラーが多く見られました。
ここ数シーズンでイタリアの定番的カラーとなった印象のベージュからブラウンのカラー。
オフホワイト、ナチュラル、ベージュ、キャメル、ブラウン といった明るい色からダークな色まで
幅広いトーンのカラーが展開さていました。
ベージュからブラウンの同系色でコーディネートするディスプレイの提案が最も多く目につきました。
数シーズン続いているトレンドカラーのライトグレーは、キレイなベージュとのコーディネート提案が
多く見られました。
ライトグレーからミディアムグレーのカラーには、画像のような発色の良いベージュと合わせる
コーディネート提案が多く見られました。
ベージュからブラウンの同系色コーディネートと、グレー×ベージュのコーディネートは、
今回のPITTI UOMOでは最も多く見られたコーディネートでした。
数年前までは、イタリアと言えば発色の良い派手な色づかいが象徴的だった時代もありましたが、
ここ数シーズンは、トーンを抑えたノーブルでエレガントなカラーとミリタリー系のカラーが主流となり、
以前のような ”派手な色柄で目立つことが勝負” というような人達が随分少なくなったように感じます。
クラシックはモードのような劇的な変化はないですが、毎シーズン少しづつ変化しています。
その小さな変化を見極めることが最も大切だと思っています。
それが ”時代性のあるクラシック” を提案するBEAMSの役割だと思っています。
次回はイタリアレポート最終回です。
懐かしい人と再会しました。
10年程前、BEAMSでも人気だったイタリアのシャツブランド ”MAURO BONAMICO” の
マウロ ボナミコです。
マウロ ボナミコ は、イタリアのボローニャ近郊のフォルリでハンドメイドのシャツを手掛けるブランドでした。
私も彼のシャツが好きで当時は良く着ていましたが、今から8年くらい前にブランドをやめ、
今はBEAMSでも展開している ”GV CONTE” というブランドで働いています。
2001年頃に彼と一緒に撮った写真があります。
マウロはちょっと貫禄が付きましたね(笑)。
彼はこの当時から、サルトリアで仕立てた肩パットも芯地もない、センツァインテルノのジャケットやスーツを
着ていました。
因みに、私が着ているジャケットは、当時気に入っていた”CASTANGIA” でスミズーラした
ジャケットです。
そして、以前のように二人で写真に納まりました。
20年も海外に出張に行っていると、色々な人との出会いや思いがけない人との再会があります。
そんなエピソードもブログの中で紹介していきたいと思います。