MEN’S EX 連載 | ELEMENTS OF STYLE

MEN’S EX 連載


MEN’S EX 1月号が発売されました。


私の連載ページ ”中村達也の今買いアイテム”


今月は ”膝上丈のテーラードコート” です。


ELEMENTS OF STYLE


80年代後半に英国テイストのクラシックが世界的なトレンドになってから、


テーラードタイプのコートはオーバーコートの定番として復活し、その影響を最も受けたイタリアを中心に、


ヨーロッパでは最もポピュラーなオーバーコートとして近年多くの人たちに愛用されています。



特に90年代の後半からは、多くのサプライヤーが、軽く柔らかい素材で仕立てたテーラードコートの


バリエーションを増やし、積極的にテーラードコートを打ち出したことで、その人気は更に広がりました。



ここ数年、ドレスクロージングのカジュアル化という流れもあり、PITTI UOMOの会場や街中でも


ジャケットやスーツの上に軽い中綿入りのアウターを着る人が増え、クラシックなテーラードコート


を着た人が以前と比べ少し減ったという印象でしたが、昨年あたりからテーラードコートを着る人たちが


再び増えてきているという印象を受けます。

テーラードコートが再び注目されるきっかけとなったのが、今回連載でも紹介している


”軽快感のある膝上丈のテーラードコート” です。



私が1月のPITTI UOMOで撮ってきた画像がありますのでお見せします。


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ここ数年、ダウン等の中綿入りのアウターが流行する前は、”スポルベリーノ”と呼ばれる、


軽く柔らかい仕立てのテーラードタイプのコートが冬のアウターの主流でした。


その軽く柔らかな仕立ては継承しつつ、今シーズンは更に丈の短い軽快感のあるテーラードタイプのコートを


多くのサプライヤーが提案していました。



加えて、バックベルトやターンナップカフ、エルボーパッチなど、クラシックなディティールのモデルが


加わったことと、ジャケット同様に製品染めや製品洗いなど、更にバリエーションが増えたことも


再びテーラードタイプのコートが注目される要因となっています。



日本では、冬でもジャケットやスーツの上に着るコートはステンカラータイプのコートが主流で、


テーラードコートはなかなか一般的にならないですが、ヨーロッパでは日本とは逆に、ステンカラータイプの


コートを着た人は少なく、冬に着るコートはテーラードタイプのコートが主流で、イタリアでは特にその傾向が


強いです。



特に軽い仕立てのテーラードコートが出てきてからは、ジャケットやスーツに合わせるだけでなく、


ニットの上にジャケットやアウター感覚で着るカジュアルなスタイルも浸透しています。



上の画像の一番下は、ミラノのKITONのショップのディスプレイですが、中央のキャメルのテーラードコート


には、ニットとデニムのファイブポケットを合わせています。



このように、今やテーラードコートは、ドレス用のコートという枠ではなく、カジュアルにも着られるコートと


いう認識がヨーロッパ(特にイタリア)では常識になっていると言えます。



まだテーラードタイプのコートをお持ちでない方は、是非この冬チャレンジしていただきたいと思います。






と言うことで、今日は私もダブルブレストのテーラードコートを着て出勤しました。


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ダブルブレストですが、膝上丈でスッキリしています。



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バックベルトが付いているコートが個人的には好きです。


冬場に着るオーバーコートは、ほとんどテーラードタイプのコートしか着ません。


”スポーティー且つエレガント” が膝上丈のテーラードコートの魅力です。