イタリア人とうかい亭 2
昨年の11月29日にアップしたブログ ”イタリア人とうかい亭” からもうすぐ一年になります。
先日、あるイタリアの取引先が来日し、どうしても うかい亭 に行きたいと言うので、
一年ぶりに表参道の うかい亭 に行ってきました。
そのイタリア人がこの人です。
一年前も一緒に うかい亭 に行った、PT-01のマリオ マランです。
「また うかい亭 に行きたい」 と駄々をこねたらしく、私たちは 「もっと気楽な店で」 というリクエスト
だったのですが、言う事を聞かない ”子供のようなマリオ” のために、うかい亭 に行くことになりました。
今回もコースで食べましたが、去年食べた時とコースの内容は全く違うものでした。
サーモンのマリネも選べたのですが、日本人の私は当然カニを選びます(笑)。
前菜二品目は、ほうれん草のソテーです。
見た目は見栄えがしませんが、さすがにうかい亭なのでソースが絶妙です。
スープはバルマンティエという、ジャガイモのスープです。
熱いうちに飲もうとする私達とは逆に、マリオは熱いと文句を言ってスープをスプーンで5分くらい混ぜて、
冷ましてから飲んでいました。
日本は熱いものは熱すぎて、冷たいものは冷たすぎると、ブツブツ文句を言っていました。
昨今、そんなことを言うイタリア人は、60過ぎのオジさんだけです(笑)。
魚料理は舌平目でした。
舌平目のソテー ケッパー風です。
ソースが醤油ベースなので、さっぱりしていて美味しいです。
メインのステーキは、但馬牛のサーロインステーキです。
肉はもちろん美味しいのですが、付け合せの玉ねぎも厳選されたものを使っているのですごく甘みがあり、
ステーキに良く合います。
ガーリックも絶妙の炒め加減で、他の店で食べことのないような軽い風味と食感に仕上がっています。
こんなガーリック食べたことありません。
ステーキを平らげてご満悦のマリオ。
今回も落ち着きがありません。
私の横でずっと騒いでいます(笑)。
一方、CEOのエドアルドは、お行儀よく料理を堪能しています。
この二人の二人三脚で今のPT-01があるのですが、二人は対照的な性格です。
それが上手くいく秘訣なのかもしれません。
〆はキノコのお茶漬けです。
お茶漬けと言っても、軽く火を通した椎茸をブイヨンのスープに入れて、
椎茸の風味がスープと合わさるようにしてあります。
うかい亭なので、ただのお茶漬けが出てくるとは思いませんでしたが、予想以上の味でした。
CHOUVENET CHOPIN Nuits Saint Georges 1er Cru AUX THOREY 2008
イタリアのワインの銘柄は少しは分かるのですが、フランスのワインは全く分かりません。
アルコールが全くダメな私は、いつものようにテイスティングだけしましたが、
ワインに詳しい方に失礼なので、コメントは控えさせていただきます。
デザートは、場所を移してテラスで頂きました。
テラスが嬉しいのか、マリオは一層落ち着きがありません。
カメラで写真を撮りまくっています。
デザートは、カフェとノアのパルフェをチョイスしました。
クルミと黒蜜のアイスとコーヒーゼリーのパフェです。
結構ボリュームがありましたが、甘さも丁度良く、甘いモノ好きの私にはたまらないデザートでした。
その後、マリオは 「濃いめのエスプレッソをカップに1cmの量で飲みたい」 と、ナポリの老人のような
わがままを言って、一瞬、ウエイターも?という顔をしましたが、別のスタッフが気づき希望通りの
エスプレッソが出てきました。
さすが、うかい亭です。
あらゆるリクエストに応えます。
食事中、マリオが履いている靴が気になりました。
チャーチの ”SHANGHAI” と思ったのですが、良く見るとレザーソール…
マリオに聞いたところ、私も知っているイタリアのあるブランドのもの、
「コピーだろ!」 と突っ込んだら、「こっちの方がトゥ シェイプがいい」 と訳の分からない言い訳、
プライスは SHANGHAI より3割程度安いようです。
このような SHANGHAI のフルコピーや SHANGHAI 風のキルトシューズは、
今イタリアで非常に増えています。
それだけ SHANGHAI がもたらした影響は大きく、来年の春夏はキルト付きのシューズが
トレンドになっているほどです。
これが本物の SHANGHAI です。
確かに、トゥ シェイプは少し違いますが、どう見てもマリオの靴はコピーです(笑)。
今回、なぜマリオが、いつも うかい亭 に行きたがるのか、理由を聞いてみました。
そこには、こんなエピソードがありました。
PT-01のブランドが立ち上がった頃、日本でPT-01は、ブランドとしては全く認知されていませんでした。
日本では当時、INCOTEXやGTAなどのブランドが、すでにマーケットの中で大きなシェアを持っており、、
他のブランドが入り込む余地がない状況でした。
そんなこともあり、日本で最初にセールスを行ったシーズンは、たった70本しかオーダーが取れない
という散々な結果でした。
落ち込んだマリオは、これからPT-01を盛り上げていくためにも、「東京で最も美味しいレストランで
食事をしたい」 と行って、選んだレストランが うかい亭でした。
うかい亭で食事をしながら、「PT-01を日本で最も売れるブランドにするぞ」 と誓ったそうです。
それから数年経ちましたが、PT-01がどのようなブランドに育ったかは、皆さんもご存じの通りです。
それ以来、マリオにとってうかい亭は、”幸運を呼ぶレストラン” になり、
日本に来るたびにブランドの発展を祈って、必ず一度は うかい亭 で食事をするそうです。
マリオらしいエピソードですが、彼の何事も諦めない強い信念のようなものが、
今のPT-01の隆盛に繋がっているような気がします。
マリオは騒がしく暴れ馬のような男ですが、彼の仕事に対するポジティブでパワフルな姿勢を見るたびに、
私もパワーをもらっているように感じさせるイタリア人です。
次回の来日は11月、今度は私が ”安くて美味しい店” に連れて行こうと思います(笑)。














