秋冬の買い物 4
毎日暑くてまだニットが着られるような気候ではないですが、今シーズンはローゲージもハイゲージも
動きが早く、いつものように出遅れると、実際に着る時期に色もサイズも売り切れというパターンに
なりかねないので、オーダーした時から購入しようと思っていたニットを本日購入しました。
ELEVENTY のVネックのニットです。
画像のブラウンと一格薄いベージュで散々迷った挙句、ブラウンを購入しました。
今回も大人の2色買いで行こうかとも思ったのですが、ブラウンとベージュが同系色だということもあり、
一枚購入して冷静に考えることにしました(笑)。
このニット、表面にムラがあるように見えますが、 ”TINTO FREDDO(ティント フレッド)”
という特殊な製品染めの手法で染められています。
このティント フレッドで染められているというのが、今回このニットを購入したポイントです。
ティント フレッド というのは、通常製品染めを行う場合、染料を高温にして染めることによって色を定着させる
のですが、染料を冷たい状態のまま染めることで、染め上がりに適度なムラができ、ヴィンテージ加工のような
雰囲気を作り出す染め方です。
昨年の秋冬くらいから、”スプレーフィニッシュ” と言われる、表面にスプレーで染料を吹きかけたような
染め方や、このティントフレッドのように ”敢えてキレイに染めないニット”が、多くのニットブランドから
提案されるようになりました。
私が実際にPITTI UOMOで撮ってきた画像がありますのでお見せします。
このような加工は、昨今のイタリア製品に良く見られる ”TINTO IN CAPO(ティント イン カーポ)”
と言われる、製品で仕上がったものを後染めして、ビンテージ風に仕上げる加工のニット版とも言えます。
見た目がカジュアルな印象なので、カジュアルっぽいニットに限定した染め方のようにも思われますが、
カシミアでもこのような加工をしたものも多く、実際に高級なニットブランドも積極的に展開していることからも、
ニットの一つのトレンドであると言えます。
因みに、BEAMSではイレヴンティだけでなく、CRUCIANI でもティント フレッドのニット
を展開しています。
CRUCIANIはさすがに高級ニットブランドだけあって、ティント フレッドであっても染めがキレイです。
クオリティーが高く、キレイな染めをお好みの方は、クルチアー二がお勧めです。
画像の色以外にサックスブルーもあります。
Vネック、カーディガン、タートルネックの展開です。
このティント フレッド、ムラ染めと言っても他のアイテムのビンテージ加工とは仕上がり感が違います。
かすれた感じの色合いは、ベーシックな糸染めのニットとは違う、なんとも言えないアジがあります。
そこが私がこのニットを購入したポイントです。
ビンテージ加工の強いジャケットやアウター、パンツと合わせると、ビンテージ感が協調されるので、
敢えてキレイめなものと合わせると、コーディネートの良いアクセントとなると思います。
このような加工のニットにまだ馴染みのない方も多いと思いますが、今までのニットには無い
独特の表情と色合いをご覧いただき、是非ワードローブに加えていただければと思います。