ROUND TOE | ELEMENTS OF STYLE

ROUND TOE

 

私のようにクラシックなファッションのバイイングをしていると、モード的な最新トレンドをバイイングする

 

バイヤーと違い、大きな変化のない中で、いかに小さな変化を見逃さずバイイングするかということが

 

非常に重要になります。


 

それは、PITTI UOMO や ミラノのショールームを漠然と見るだけでは見逃がしてしまうものも非常に多く、

 

実際にサプライヤーが打ち出しているモノ、業界人たちが身に着けているモノ、現地の有力なショップで

 

打ち出されているモノ、現地の様々な人たちから得る情報、それらを総合して正しいトレンドを導き出すという

 

のが最も重要で大変な仕事です。


 

今回は今年の1月にイタリアにバイイングに行った際に感じた、カジュアルシューズのトレンドの変化

 

に関して書きたいと思います。


 

ここ数年、イタリアのカジュアルシューズは、ノーズが長くラストも細身でスクエアトゥのシューズを

 

履いている人が非常に多く、ある意味そのようなシューズがイタリアのクラシックなカジュアルシューズ

 

の定番であったように感じています。


 

そんな中、今年の1月の出張で、ラウンド トゥのシューズが急速に増えているという変化を感じました。

 

実際に現地で撮ってきた画像をお見せします。

 


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PITTI UOMO の会場の中では、画像のように細身のパンツにボリュームのあるラウンドトゥの

 

シューズを履く業界人がかなり増えていて、明らかにラウンドトゥがクラシックの中でトレンドと

 

なっているという印象を受けました。


 

実際、私が良く知るイタリア人の中で、日本で言えばLEON的な不良っぽいスタイルを好む人たちも、

 

これまでは皆スクエアトゥのシューズを履いていましたが、そのような人たちでさえ、ラウンドトゥの

 

シューズを履くようになっていました。


 

ミラノやフィレンツェのショップでもラウンドトゥのシューズを積極的に打ち出していました。


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ラウンドトゥ、フルブローグ、レースアップというのが、トレンドの3要素ともいえるほど、

 

このようなシューズが打ち出されていて、ファッションに敏感な業界人たちも実際に履いているという

 

ことからも、この流れがカジュアルなレザーシューズの確かなトレンドであると言えます。


 

そんなクラシックのトレンドを踏まえ、私が今シーズン何を履くかと言うと…


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数年前に購入した、GEORGE CLEVERLEY のクレープソールのチャッカ ブーツです。

 

ここ数年、トウが丸すぎる感じがして、ほとんど履いていなかったのですが、まさに今シーズン

 

の流れにピッタリのラウンドトゥのブーツです。


 

クレープソールというのも、今シーズンのトレンドのカントリー風のスタイルに良く合うブーツです。

 

このブーツ、今は展開していないのですが、代わりにこのブーツを展開しています。

 


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CHURCH’S の ”RYDER” です。

 

このブーツ、実は非常にイタリアっぽいブーツとも言えます。

 

それは、今から10数年ほど前、イタリアで爆発的に人気が出たことがあり、当時多くのシューメーカーが

 

このブーツのコピーを出していたほど人気のモデルでした。


 

その当時も裾幅の細いパンツがトレンドだったので、ある意味今のスタイルに近かったとも言えます。

 

また、このチャーチのライダーは、私がBEAMSに入社した当時、すでに定番として展開していたブーツ

 

なので、BEAMSにとっては時代を超えた定番と言える靴です。


 

そしてもう一足は…


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10数年前に英国のCHEANEYに別注した、クレープソールのフルブローグです。

 

当時、チーニーはチャーチと同じグループということもあり、チャーチのディフュージョンライン

 

という位置づけで、本格的なグッドイヤーのドレスシューズが3万円台で買えるということもあり、

 

BEGIN などで度々紹介され、良く売れていたブランドでした。


 

競合他社が、3万円台のドレスシューズをチーニーでオーダーしていた時に、へそ曲がりの私は(笑)

 

本格的なグッドイヤーで作れるのであれば、カジュアルなレザーシューズを手ごろな値段で提供しようと、

 

このシューズを別注しました。


 

さすがにここ数年は、ラウンドトゥのセミブローグというのが少し古臭く感じていたのですが、

 

今シーズンのトレンドを押さえているうえ、カントリースタイルにはチャッカブーツと同様に

 

良く合うシューズなので、久しぶりに活躍しそうです。


 

勿論、この靴も現在展開していないのですが、代わりにこれを展開しています。


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CHURCH’S の ”FAIRFIELD” です。

 

クレープソールのセミブローグという、チーニーと同じテイストのシューズです。

 

実は、チーニーに別注したモノは、当時このフェアフィールドをイメージして別注しました。

 

このフェアフィールドも私がBEAMSに入社した当時、すでにライダーと同じく定番として展開していた

 

モデルです。

 

因みに、当時のラストは73というラストですが、現在はライダーと同じ81というラウンドトゥで展開しています。



 

そして、これら以外にも今シーズンのトレンドを取り入れたシューズを展開しています。

 

既にファッション誌でも紹介されているので、ご存じの方も多いと思いますが…


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CROCKETT&JONES の ”TRENT”です。

 

フルブローグ、レースアップ という今シーズンのトレンドを取り入れた別注モデルです。

 

ラウンドトゥがトレンドと言っても、ボリュームのあるラウンドトゥには抵抗があるお客様もいらっしゃると思い、

 

スマートさを保ちながら、トレンドのラウンドトゥをうまく表現したモデルです。


 

このモデル、すでにかなりの人気で在庫が少なくなっています。

 

追加オーダーはできない状況ですので、ご興味のある方は、

 

なるべく早く店舗にお問い合わせいただければと思います。


 


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CROCKETT&JONESの ”TYNE” です。

 

クレープソールの外羽根のフルブローグです。

 

ラストは ”TRENT” と同じラストを使っています。

 

このシューズも10月中の入荷予定ですが、すでにオーダー数を超える予約が入っています。

 

急遽12月末納期で追加オーダーを入れましたが、店頭に出ない可能性あるかもしれませんので、

 

ご興味のある方は店舗にお問い合わせいただければと思います。


 

今シーズン、カジュアルなレザーシューズに関しては、このような明らかな変化が見られます。

 

この変化は、実は数年前から見られたのですが、大きな流れになるかどうかは分からない状況でした。

 

小さなトレンドは、本流にならないままシュリンクしていくものもあります。

 

ラウンドトゥのシューズは、今シーズン明確なトレンドとして台頭してきています。


 

多くのショップが、今シーズンはラウンドトゥのシューズを展開していると思います。

 

ラウンドトゥと一言で言っても様々なラストがありますので、ご自分にあったラウンドトゥをお選びいただければと

 

思います。








 

お知らせです。


ELEMENTS OF STYLE

 

私が監修した GAKKEN MOOK Fashion Text Series の第9巻と10巻が、

 

9月20日に発刊されました。

 

今回は ”THE STANDARD””THE CORDINATE” の秋冬版です。

 

ご興味がございましたら、是非ご覧になってみてください。