CESARE ATTOLINI STYLE BOOK
先日イタリアのナポリからこんなものが届きました。
Design Mon Amour
何かの写真集みたいですが、実はこれ、あの ”CESARE ATTOLINI” が毎シーズン発行している
スタイルブックです。
毎シーズン テーマがあり、今回はデザインがテーマになっています。
このようにインテリアや建築に関しての特集ページがあり、洋服だけのカタログ的なスタイルブックではなく、
一つの写真集のようになっています。
まるでアートブックのようです。
因みに、春夏シーズンはシネマがテーマでした。
2011年秋冬のアットリー二のスタイリングをお見せします。
2011年秋冬はBEAMSでもオトナのタータンチェックを提案していますが、
アットリー二もタータンチェックを使ったスタイリングを提案しています。
左はブルーのグレンプレイドのジャケットをタイドアップして、ミディアム グレイのトラウザースを合わせた
日本のビジネスシーンでも使えるようなスタイリングです。
以前ブログでも書きましたが、ジャケットに前ボタンのニットベストやカーディガンを合わせるコーディネートは
1月のPITTI UOMOでもよく見られたコーディネートです。
右はそれに対してジャケットにデニムを合わせたカジュアルなタイドアップ スタイルです。
この対照的なタイドアップ スタイルも、今のイタリアのクラシックスタイルの時代性を表現していると思います。
これもジャケットにデニムを合わせたタイドアップスタイルです。
カシミアのニットタイはカジュアルなタイドアップスタイルに良く合います。
これもジャケットにデニムで合わせたスタイリングです。
アットリー二らしい英国調の大柄のチェックジャケットにカシミアのミドルゲージのタートルを合わせた
リラックス感のあるオトナのジャケットスタイルです。
トレンドのショールカラーのニットをインナーに合わせたジャケットコーディネートです。
このスタイリングもジャケットにデニムを合わせています。
きれいなブルーと大きなウインドウペンがアットリー二らしい生地です。
2011年の秋冬のトレンドでもある、ケーブル網のショールカラーのカーディガンを使ったスタイリングです。
短めの着丈とスリムなフィッティングが時代性のあるスタイリングに見せています。
パンツはこれもデニムを合わせています。
こんなラグジュアリーなカジュアル スタイルリングもあります。
このレザーダウンもアットリー二です。
ファーの付いたショート丈のダウンはイタリアで人気ですが、画像でもわかる上質なレザーとファーが
アットリー二のラグジュアリーな世界観を表現しています。
ダブルブレストのベストがついた3ピースのスタイリングです。
かなり英国色の強いディティールを取り入れた3ピーススーツです。
一歩間違えればコスプレっぽくも見えるスーツですが、アットリー二らしい肩のラインやシルエットに
よって、時代性のあるスーツに見えます。
明るいブルーフランネルのチョーク ストライプのダブルブレスト スーツです。
この画像はスタイリングというよりは、このスーツの美しいシルエットに目が行きます。
画像でもアットリー二らしい、体にフィットしたきれいなシルエットが良くわかります。
これもダブルブレストのスタイリングです。
このスタイルブックでもウインドウペンのジャケットやスーツが多く使われていますが、
イタリアのプレタポルテのブランドの中でも、アットリー二は以前から英国的なテイストの生地が
最も多いのが特徴です。
それもアットリー二が洋服好きの人達を魅了する一因であると思います。
大柄のプリントタイがナポリらしいコーディネートです。
無地に見えるシャドウ グレンプレイドに大きなウインドウぺーンが入ったスーツです。
この生地も実にアットリー二らしい生地です。
ウインドウ ペーン好きの私にとっては、アットリー二の生地はとても魅力的な生地が多いです。
サックスブルーのカシミアのプリントタイも洒落ています。
アットリー二はナポリを代表するハンドメイドのスーツやジャケットを生産するブランドです。
10年前であればアットリー二がブランドのイメージをアピールするスタイルブックに
こんなにデニムを合わせたスタイリングを提案することなど考えられませんでした。
皆さんも様々なファッション誌のスナップをご覧になっていて気づいている方も多いと思いますが、
ここ数年、イタリアのクラシックなスタイルのカジュアル化が急速に進んでいます。
PITTI UOMOの会場を見ても、本当にスーツを着ている人は少なくなりました。
そして、スーツに代わって増えたのが、ジャケットを中心としたスタイリングです。
特にジャケットにファイブポケットやカーゴパンツというスタイリングは、ここ数年で急速に増えました。
クラシックの急速なカジュアル化を嘆いて否定する人たちもたくさんいますが、
それが時代性ということで受け入れるべきものだと私は思います。
ただ、クラシックなスーツスタイルが時代遅れになったわけではありません。
私もジャケットが全盛な今でも、毎シーズン新しいスーツをオーダーしたり買ったりしています。
要は、時代性のある新しいものは取り入れながら、クラシックという軸はしっかりと持って、
バランスを考えて洋服を着こなすことが重要だと考えます。
スーツを中心としたクラシックスタイルが全盛であった10年前のクラシックスタイルから
今のクラシックスタイルに至った経緯を振り返りながら、このスタイルブックを見ていると、
時代に沿った新しい流れは積極的に取り入れながらも、アットリー二の持つエレガントな
クラシックスタイルをしっかり提案しているこのスタイルブックのバランス感が、まさに私の考える
今の時代のクラシックスタイルの重要な要素だと考えています。