LUIGI BORELLI プレゼンテーション
先週は2日連続でナポリのメーカーと2012年春夏に向けてのミーティングでした。
一日目は LUIGI BORELLI のFABIO BORELLI とミーティングでした。
ファビオ ボレッリです。
この日のファビオのコーディネートは、チャコールグレーの3Bスーツ、
ネイビーのピンストライプのワイドスプレッド、グリーンの小紋タイ、
もちろん、全てルイジボレッリの製品です。
それにしてもパンツが極端に細いです。
スーツはスミズーラなので、パンツは細く指定していると思いますが、おそらく裾幅は18cmくらいでしょう。
スーツはナローラペルで、ネクタイもナローシェイプなので鍛えた上半身がかなり誇張されて見えます。
個人的には上半身が誇張されすぎるので、バランスを変えたほうがエレガントに見えると思うのですが、
おそらく、彼が最も自分らしいと考えるスタイルなので、私がどうこう言うことではありません(笑)。
このバランスに彼独自の美意識や美学があるのでしょう。
彼は食生活に関しても相当ストイックです。
商談時にエスプレッソを出しても砂糖は入れません。
肉は脂身の多い牛や豚は食べず、皮を取った脂身のない鶏肉しか食べないそうです。
ナポリといえばモッツァレラがおいしいですが、脂肪分が多いので一切食べないそうです。
そして毎日プロテインを飲んで筋トレに励みます。
まるで格闘家の食生活のようです(笑)。
筋トレは毎日欠かせないので出張中のホテルもジムがあることが必須条件です。
イタリア人は食を楽しむのがライフスタイルの重要な要素ですが、
彼の場合はそれを捨てても体を鍛える何か理由があるのでしょう。
ルイジボレッリは毎回プレコレクションは無いので、今回も2012年のコレクションのプレゼンテーションです。
ルイジボレッリは数年前からトータルルックの展開をしているので、メインはシャツですが、
ジャケット、スーツ、アウター、ニットなどのデザイン画や素材のプレゼンもあります。
シャツはさすがにナポリを代表するハンドメイドシャツメーカーだけあって、
ドレスシャツが売れない状況であっても、かなりのバリエーションのドレス用生地を用意しています。
ただ、他のブランドと同様、柄物や変化のあるストライプはやはり少なく、無地や小柄、
ベーシックなストライプで組織や素材のバリエーションを増やしてコレクションを構成している印象です。
他のシャツブランドと同様、ルイジボレッリもLUXURY VINTAGEというラインで洗いのかかった
カジュアルなシャツを展開していますが、他のブランドに比べるとバリエーションが少ないです。
それは、他のシャツブランドに比べてルイジボレッリがトータルブランドとしての展開に力を入れている
からでしょう。
PITTI UOMOのボレッリのブースを見ても、今やシャツメーカーという印象は全く感じません。
スーツ、ジャケット、パンツ、アウター、コート、ニット、シューズ、と完全なトータルブランドです。
それをどのように評価するかは様々な考えがあると思いますが、専業メーカーにこだわって
経営が行き詰まり、身売り話がでている有名な高級シャツメーカーもあることを考えれば、
ブランドを維持し、経営を安定させるためにトータル化していくことは、これからの時代、
歴史あるブランドも考えていかなくてはならないことなのかもしれません。
もちろん、トータル化して元々の本業が疎かになってクオリティーが落ちるのことがあってはならないので、
それだけはしっかりした軸と信念を持ってやっていって欲しいというのが、バイヤーとしての願いです。
今日は気温も低かったので綾織のコットンのジャケットでした。
この時期は天候や気温によって着るものや靴を変えなければいけないので
コーディネートは結構迷います。
ジャケットが上品な柄なので、あえて色落ちしたデニムのボタンダウン
を合わせてリラックス感のあるジャケットコーディネートにしました。
今年の夏はスーパークールビズと言われていますが、
カジュアルで軽装になるほど、ベルトが重要になると思います。
これからのシーズンはメッシュベルトが個人的にお勧めです。