BROKEN SUITS | ELEMENTS OF STYLE

BROKEN SUITS


発売中の ”LEON” 5月号


今回の特集はスーツです。


LEONらしい様々なスーツの着こなしや提案が掲載されています。


ELEMENTS OF STYLE


その中で私が気になったページがありましたのでご紹介します。



ELEMENTS OF STYLE

118ページと119ページの見開き2ページです。



ELEMENTS OF STYLE

タイトルは ”スペッツァート” です。


スペッツァート(SPEZZATO)はイタリア語で ”壊れた” ”粉々になった” ”中断された” という意味です。



昨年6月のイタリア出張の際に多くのスーツメーカーから提案されていたスーツの新しい着こなしです。


簡単に言うと、本来ジャケットとパンツを上下で着るというスーツの常識を崩し、ジャケットとパンツをばらして


セットアップ感覚で着るという提案です。



イタリア語ではスペッツァートですが、英語では ”ブロークン スーツ” と言われています。


この2ページでは比較的カジュアルなテイストのスーツをセットアップで着るという提案ですが、


2010年の6月のPITTI UOMOで、あるイタリアのブランドが明確な打ち出しをしていたのでご紹介します。



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上の写真は2010年6月のPITTI UOMOの ”ベルベスト” のブースの画像です。


3着のネイビーのスーツにベージュのコットンのパンツを絡ませディスプレイしています。



これは明らかにスペッツァートを意識したディスプレイです。


”ネイビーのスーツのジャケットにベージュのパンツを合わせればセットアップで感覚でられ


という提案を意識したディスプレイです。



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更にベルベストは ”BELVEST BLUE” というカテゴリーのスーツをラインアップして


スペッツァートに合うスーツとして提案していました。



元々イタリア人はネイビーやブルーのジャケットが大好きなので、ネイビーのスーツをばらして着るという


提案は受け入れやすい提案だと思います。



それもあって ”BLUE” という事をアピールする、このようなタグをベルベストがわざわざ袖に付けて


提案するのも理解できます。



ベージュのコットンパンツだけで無く、おそらく誰でも持っているであろう、グレーのパンツやファイブポケット


とも合わせられるというのがイタリアの提案です。



このスペッツァートの提案には二つの側面があります。


一つは、ここ数年のヨーロッパにおけるスーツ離れによるものです。



特にイタリアでは、最もスーツが売れた時期に比べると30パーセントくらいしか売れていないショップもあると


聞きます。



当然、スーツブランドもスーツのオーダーが入らず、ジャケットは売れているものの、何か新しい提案をしないと


スーツの売上げがどんどん落ち込むという危機感が強くなっています。



二つ目は、カジュアルなスーツを提案するブランドが多くなってきたことで、上下をばらしてセットアップで着ても


違和感の無いスーツが増えた事によります。



今回のLEONの提案は後者を捉えた提案ですが、イタリア人はコンサバなので、意外と前者のネイビースーツ


を軸としたスペツァートが浸透しているようです。



しかし,LEONは綿密なリサーチをしていますね。


インパクトのあるコピーを使ったページが多く、そちらに目が行きがちですが、


イタリアのリアルな情報をしっかり特集の中に落とし込んで紹介しているのはさすがですね。



”クラシックなスーツをばらして着るなんて邪道だ”と言われる方も多いと思いますが、


こんな時代ですから、持っているものを最大限に活用して着回しをするという柔軟な考えが


あっても良いと思います。



お手持ちのスーツをお手持ちのパンツと合わせてみて、違和感が無ければスペッツァートは成立します。



また、今期BEAMSでも展開しているコットンやリネン混などのスーツは、上下ばらして着ることを考えれば


その活用方法も広がるのではないでしょうか。



取り入れるか取り入れないかは、あくまでもお客様の判断に委ねる部分が大きいと思いますが、


イタリアのスーツブランドが真剣に提案しているという事実だけはお知らせしたいと思います。







先日私の部下が珍しい色の ”ADIDAS LA TRAINER”?を履いていました。


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良く見ると、なんとなくボテッとしていて...



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パンツの裾を上げたらハイカット?



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このスニーカー ”ADIDAS JOGGING HI” といって80年代に展開していたモデルの復刻のようです。


本人の得意顔に反して、スタッフからは大変不評です。


あるショップで¥5,800-くらいで購入したそうです。