ダブルブレスト
MEN’S EX 4月号ご覧いただけましたでしょうか。
BEAMS EXPRES 掲載商品のお問い合わせも日々増えております。
ありがとうございます。
気になるアイテムがございましたら、最寄のBEAMSの店舗で実際にご試着いただければと思います。
そして前回のブログでご紹介しましたが、4月号から私の連載ページが始まりました。
今シーズンお勧めの ”オトナの人達に着てほしいアイテム” をご紹介します。
私が実際にバイイングや企画という仕事を通して様々なものに見て触れて感じた今シーズンの傾向を
”時代性のあるクラシック"という視点でご紹介していきたいと思っています。
今シーズンのお買い物の参考にしていただければと思います。
第一回目はダブルブレストのジャケットです。
今シーズンはほとんどのブランドが ”軽く柔らかい仕立てのダブルブレストジャケット” を展開しています。
今回は2010年6月の PITTI UOMO の画像をお見せしながら
実際にダブルブレストのジャケットがどのように打ち出されていたかレポートしたいと思います。
最も多かったのが下の画像のようなネイビーにアクセントのあるボタンという組み合わせです。
前回のブログでご紹介したアクセントのあるボタンづかいのダブルブレストは今シーズンの定番といえます。
ブルー系以外に右のようなブラウンのものもあります。
ブラウンは2011秋冬シーズンのトレンドカラーなので、
春夏から少しずつブラウンのアイテムが提案されていました。
これもアクセントのあるボタンづかいになっています。
ネイビー、ブラウン、グリーンという今シーズンのトレンドカラーのダブルブレストを
重ねて見せたディスプレーです。
軽く柔らかい仕立てのジャケットならではのディスプレーです。
今シーズンのトレンドカラーのひとつであるコバルトブルーのダブルブレストです。
右はコバルトブルー×ホワイトのチェックです。
上の画像のジャケットにもホワイトのボタンが付いています。
ここ数シーズン続いているライトグレーもダブルブレストにのせて展開されていました。
ホワイトやオフホワイト、ベージュのパンツとコーディネートしたディスプレーが多く見られました。
明るめのブラウンにオフホワイトという今シーズンらしい色づかいです。
上の画像のような ”なるべく色数を使わないワントーンのコーディネート”が増えています。
ボタンはやはりアクセントのあるボタンが付いています。
フロントカットがラウンドしている少しデザインされたダブルブレストです。
フロントの重なりが浅く、更にラウンドしたフロントカッットなのでボタンを外しても違和感がありません。
こんなアップデートされたダブルブレストも見られました。
因みに、このモデルはBEAMSでも展開します。
既に予約がかなり入っていますが・・・
ベージュのダブルブレストも多く見られました。
上の画像はネイビーのパンツとコーディネートしていますが、
個人的にはライトグレーのパンツと合わせると上品なカラーコーディネートになるのでお勧めです。
上の画像はダブルブレストには珍しい真っ赤なダブルブレストです。
ただ、ブルー以外は "派手なカラーのダブルブレストは少ない" という印象です。
これらの画像は私が撮ったものの一部ですが、これだけ多くのダブルブレストのジャケットが
打ち出されていました。
日本でも昨年くらいから少しづつダブルブレストがお客様に受け入れられてきたと感じます。
あくまで私の自論ですが、日本でダブルブレストが受け入れられるようになったのは、
ここ数年のピーコートのブームによるところが大きいと思います。
ピーコートがタイトになり、着丈が短くなり、徐々にジャケットのようなシルエットになってきたことにより
ダブルブレストに対する抵抗感が少なくなり、我々ファッション業界の人間も含め流行に敏感な人達が
昨年あたりから徐々にダブルブレストのジャケットやスーツを着るようになりました。
3ボタンがクラシックの中心となってからも、何度となくイタリアのブランドを中心にダブルブレストが
打ち出されましたが、一向に流行る気配もなく何度も出ては消えていったというのが実情です。
更に遡れば、私がBEAMSに入社した数年後の80年代後半にブレザーブーム(紺ブレブーム)が起き、
その時に3つボタンと共にダブルブレストのブレザーが流行して以来のブームだと思います。
当時人気のあったダブルブレストのブレザーはインポートブランドでは、
パリの ”OLD ENGLAND” のものでした。
フランスのブランドですが、生産は英国のAUSTIN REEDが行っていて、
洋服好きのお客様に大変な人気でした。
予約で殆どお店には出ない、出てもすぐに完売、という今のどこかのブランドと同じような状況でした。
当時のダブルブレストは英国的なシルエットものが主流で、しっかりした型パッドが入っていて、
ウエストシェイプもきつく、着丈も長めで、チェンジポケットがついているものが人気でした。
現在のダブルブレストとは真逆のシルエットとコンストラクションですが、
コーディネートするアイテムは、デニムやホワイトジーンズ、チノパン、足元はコールハーンのカヌーモックや
オールデンのタッセル、ビットローファー、ウォークオーバーのホワイトバックスやダーティーバックスなど、
シルエットやディティールは違えど、今とそれほど変わらないアイテムを合わせてていたという記憶があります。
そして当時のBEAMSのスタッフにとっては大きな影響を与えたのが
スタイルカウンシルのポールウエラーのスタイルでした。
これに関しては、語ると長くなってしまいますので別の機会に書きたいと思います。
本当に久しぶりにダブルブレストが脚光を浴びているという印象です。
今シーズンのダブルブレストの特徴的な仕立てやディティールに関しては、
MEN‘S EXで解説していますのでご興味があればご覧になっていただければと思います。
因みに、私も昨年こんなダブルブレストのジャケットを購入しました。
左はコットンのホップサック、中央はコードレーン、右は後染めのチェックです。
そして、ジャケットだけではなく、スーツもあるところでスミズーラで作りました。
BEAMS以外のショップでも今シーズンは多くのダブルブレストのジャケットを展開していると思います。
ご興味のある方は是非実際にご試着いただき、新しいダブルブレストをワードローブに加えていただけ
ればと思います。