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Mountain LionはLionと同じく、Mac向けのアプリ配信ストア「Mac App Store」からダウンロード販売する。価格は1700円。Lionよりも900円安い。アップグレード可能なMacは以下の通り。
・iMac(Mid 2007以降)
・MacBook(Late 2008アルミニウム製、またはEarly 2009以降)
・MacBook Pro(Mid/Late 2007以降)
・MacBook Air(Late 2008以降)
・Mac mini(Early 2009以降)
・Mac Pro(Early 2008以降)
・Xserve(Early 2009)
OSはLionか最新の「Snow Leopard(10.6x)」が搭載されていなければならない。どちらもアップグレードの前に最新バージョンにソフトウエアアップデートしておきたい。
同社のクラウドサービス「iCloud」ともOSレベルでより深く統合されており、iCloudを介してiPhone、iPad、iPod touchとスムーズに連係できる。iPhoneやiPadを日ごろから使っている人なら、母艦としてMacを使う利点がこれまで以上に増えそうだ。価格も手ごろなので、アップグレードしない理由は見当たらない。
Mountain Lionの注目の新機能を見ていこう。
1.プレゼン資料などもiPhoneと同期できる「iCloud」
Mountain LionのキモとなるのがiCloudだ。設定画面で「Apple ID」(既に登録しているものでも、新しく登録したものでもよい)を入力すれば、メール、カレンダー、連絡先、書類などを自分のiPhoneやiPadと同期できる。最新のデータはiCloudに保存されているので、Macからでも、iPhoneやiPadからでも常に最新のデータを見られる。
iPhoneでおなじみのリマインダーやメモも同期される。出かける前にMacで“やることリスト”をリマインダーに登録、ある場所に到着したら通知するように設定できるので、iPhoneを持って目的地に到着すれば自動で通知してくれる。通知する時間の指定も可能だ。メモも共有されるので、企画書の下書きをiPhoneで作成し、Macで清書するなどの使い方ができる。
Keynote、Numbers、Pagesを同期できる「Document in the Cloud」は、ビジネスパーソンにとって、便利に使える機能だ。Macで作成した書類をiPadで取り引き先の顧客に見せる、といったシーンに役に立つだろう。ファイルをUSBメモリーにコピーしたり、メールに添付したりして移動する手間から一気に解放してくれる。作成した書類は常に最新に保たれるので、古いバージョンと混同してしまうこともない。新たにフォルダーを作成できるようになったので、プロジェクトごとに書類を分類しておけるようになった。
iCloudは1億2500万人以上が利用している。iCloudの特徴は、何と言ってもApple IDを入力するだけで、どの機器からも簡単に使える点だ。クラウドサービスというと、専門的な知識が必要と使う前から構えがちだが、iCloudは誰でも簡単に始められる。Mountain Lionにアップデートしたら、まずはApple IDを入力してiCloudを設定しよう。
2.どの端末からでも会話できる「メッセージ」
iOS 5で搭載されたメッセージサービス「iMessage」が「メッセージ」としてMountain Lionに搭載された。iOS 5を搭載したiPhone、iPad、iPod touchとテキストメッセージや写真、動画をやりとりできる。Lionからベータ版として提供されていたので、利用している人もいるはずだ。
メッセージでやりとりした会話は、Macに加え、iPhoneやiPadにも同じように表示されるので、機器を変えても会話を続けられる。Macで作業している最中に、iPhoneにメッセージがきても、そのままMac上で確認できるのは非常に便利だ。写真やHDのビデオだけでなく、書類なども添付して送れる。
メッセージを送るには、送信相手のメールアドレス、Apple ID、iPhoneの電話番号が分かればよい。
相手の状況(既読、入力中)を示す仕掛けがあり、やりとりの進捗具合が一目で分かるのも便利だ。開封証明をオンにしておけば、メッセージを読んだことを相手に通知できる。やりとりしたデータは暗号化されているので、ビジネスにも活用できる。複数人でメッセージを共有するグループメッセージング機能も備える。
メッセージはAIM、ヤフー、Google chatおよびJabberなど従来の「iChat」で対応していたインスタント・メッセージング・サービスをサポートする。
3.大事なメッセージや予定を見逃さない! 「通知センター」
Mountain Lionの新機能の目玉の1つが「通知センター」だ。新着のメール、メッセージ、リマインダー、Twitterのメンションやダイレクトメッセージがあると、画面の右上にその旨が表示される。通知をタップすれば、すぐに内容を確認できる。新着メールなどの通知は数秒すると消えるので、Webブラウジングや文章作成の邪魔にはならない。見落としてはいけないリマインダーの通知は自動では消えず、閉じるか、再通知するかを選ぶ仕組みだ。
通知スタイルや表示する数(カレンダーなら最新1件、最新5件、最新10件、最新20件)は、細かく調節できる。通知スタイルは「通知なし」「バナー」「警告パネル」の3タイプから選べる。通知を受け取ったときにサウンドを鳴らすことも可能だ。
トラックパッドの右端から左へスワイプすると、すべての通知をまとめて見られる。フルスクリーン表示中でも通知は表示され、スワイプすれば、すべての通知を確認できる。直近の予定を確認したり、リマインダーを確認したりする場合は、通知センターだけで済んでしまう。複数のアプリを起動しなくて済むのは便利だ。通知センターにより、重要な知らせを見逃す機会が減ることは間違いないだろう。
通知はオフにもできる。プレゼンテーション時などに通知が表示されないように、プレゼンの前にオフにしておこう。
4.高い認識精度を誇る「音声入力」
Mountain Lionは新しい音声入力をサポートする。文字入力できる場所にカーソルを合わせて、Fnキーを2回押すとマイクのマークが表示される。デュアルマイクを内蔵する「MacBook Pro Retinaモデル」で試したところ、かなり高い精度で音声を認識した。メッセージやリマインダーへの入力は、声だけで済んでしまいそうだ。TwitterやFacebookへの投稿にも使えるだろう。「点(、)」「感嘆符(!)」「まる(。)」なども音声で入力可能。連絡先に保存されている人の名前を認識するので、よくやりとりする人の名前の漢字を正確に入力できるのはありがたい。
音声入力は日本語、英語(米国、英国、オーストラリア)、フランス語、ドイツ語に対応する。iPhone 4SのSiriのように、質問に答えてくれる機能はない。
5.あらゆるアプリに追加された「共有」
Mountain Lionの多くのアプリには新しく「共有ボタン」が追加された。アプリから直接、写真などのファイルをメール、メッセージ、AirDropを使って共有する機能だ。Safari、プレビュー、メモ、Photo Booth、QuickTime、Document Library、iPhotoなどあらゆるアプリに共有ボタンがあり、簡単にファイルを共有できる。
Safariの共有ボタンからは、気になったWebページをFacebookやTwitterに素早く投稿できる。リンクをコピーして、Twitterを開いて、貼り付ける手間が数クリックで済んでしまう。SNSでWebページを投稿するのは、よくする作業なので、何かと便利に使える機能だ。Webページをメールで送りたい場合は、リーダー(記事の場合)、Webページ、PDF、リンクのみの4つが選べる。仕事で役立ちそうなサイトを同僚と共有するのに役に立ちそうだ。
6.連絡先も統合される「Facebook」
今秋にはFacebookがTwitterと同じくMacに統合される。共有ボタンから簡単に写真やWebページのリンクを投稿できる。「シングルサイイン」をサポートしているため、一度、サイインしてしまえば、いろいろなアプリからFacebookへ情報を発信できる。投稿時に、公開範囲を指定したり、位置情報を追加したりできるのも便利だ。
Facebookと統合されるもう1つのメリットが、Facebook上の友人の情報が連絡先に追加されることだ。誕生日や住所、電話番号などの情報がFacebook上にあれば、その情報が連絡先やカレンダーに登録される。これまでいちいち自分で入力していた情報が自動で連絡先に入ってくるのは便利だ。プロフィール写真も連絡先に追加されるので、いちいち友人の写真を入れる手間もかからない。既存の連絡先と見た目は統合されているが、データ自体は別々になっているので、混合することはない。
Facebook上の友人の動向やダイレクトメッセージは、通知センターに表示される。通知センサーには、TwitterとFacebookへ投稿するフィールドが用意されており、ここから投稿することが可能だ。
7.URLと検索ボックスが統合、新しいタブ表示も取り入れた「Safari」
WebブラウザーのSafariも強化されている。まず、URLと検索ボックスが一つになり、見た目がすっきりした。検索キーワードを入力すると、一致する可能性の高いWebページが素早く表示される。その下には、よく使われている検索キーワード、ブックマークや履歴の中から一致するものを表示してくれる。URLと検索ボックスが統合されたからといって不便になった点は一切見つからない。
ピンチするとタブビューに切り替わる。開いているすべてのタブが表示され、スワイプでタブを素早く切り替えられる。iPhoneやiPadが今秋にiOS 6にアップデートされると、iOS 6で開いているタブをMacで見られる「iCloudタブ」も利用できるようになる。移動中にiPhoneで見ていたWebページを家に帰って、Macでじっくり見る。そんな使い方が可能になる。iOS 6が出るまではMountain Lionを搭載したMac同士で利用できる。MacBook Airを日頃持ち歩いて、家や会社ではiMacなどを利用している人なら、iOS 6の便利機能を一足先に体験できる。
あとで読みたい、もしくは読むべきWebページを登録し、MacやiPhoneのSafariで共有できる「リーディングリスト」は、オフライン中でも記事が読めるようになった。飛行機に搭乗する前に、仕事で目を通さなければならないWebページをリーディングリストに登録しておけば、ネットにつながっているときと変わらないように閲覧できる。ページが複数に区切られている記事も全部保存してくれるので、途中で読めなくなる心配は不要だ。
8.スリープ中に各種情報を定期的に確認する「Power Nap
新機能の「Power Nap」は、ハードウエアとソフトウエアの両方を手がけるアップルならではの機能だ。スリープ状態のときにメールを読み込んだり、Documents in the Cloud、フォトストリーム、リマインダーの情報を定期的にアップデートしてくれる。電源アダプターが接続されているときは、ソフトウエアアップデートをダウンロードするほか、バックアップ機能「Time Machine」でバックアップもとってくれる。
アップデート時は、ファンが回って動作音がしたり、ディスプレイが光ったりはしない。対応機種は、MacBook Pro Retinaディスプレイ、薄型ノートの「MacBook Air」の最新機種と一世代前の機種の3つだ。
9.プレゼンや動画をテレビに映し出せる「AirPlayミラーリング」
Mountain Lionでは、iOSでおなじみの「AirPlayミラーリング」が使えるようになる。同社の「Apple TV」を使ってテレビなどにワイヤレスでMountain Lionの画面をそのまま映し出す新機能だ。Keynoteを大画面に映し出して、プレゼンテーションをする際に役に立つ。学校などの授業にも使えそうだ。家では、iMovieやYouTubeなどの動画をテレビの大画面に映し出せば、臨場感のある映像を楽しめる。iTunesの音楽をワイヤレスでApple TVに飛ばして、音楽を聴くことも可能だ。
細かな設定は不要。画面右上のAirPlayボタンをクリックするだけだ。同一ネットワーク上にApple TVがあれば、「Apple TV」という文字が表示される。これを選択すれば接続は完了。出力するテレビの解像度に合わせて、拡大表示(解像度を合わせる)することも可能だ。プレゼンテーション時などは拡大表示にしておくと画面が見やすい。
10.どんなゲームが登場するのか期待! 「Game Center」
iOSで人気のゲームがMacでも楽しめるようになる。シューティングやカーレースゲームなどでMac対iPhone、iPadなど機器に関係なく対戦プレイや協力プレイを楽しめる。友人とスコアを競い合ったり、同じゲームをしている人を探して友達になったりできるソーシャルゲームの要素もある。
ゲームの操作はマルチタッチトラックパッドやキーボードを利用する。タッチスクリーンのiPhoneやiPadとは操作方法は少しだけ異なる。ゲームの開発者がMac用に手を加えなければならないため、既存のすべのゲームがMacで楽しめるのではない。どんなゲームが登場するか今から楽しみだ。
そのほかにも多くの改良、新機能は200以上
そのほかにもアプリの入手経路を制限する「Gatekeeper」を搭載。元々、Macはセキュリティーに定評のあるMacが、悪意のあるアプリはゼロではない。利用者は、「Mac App Store」「Mac App Storeと確認済みの開発元からのアプリケーションを許可」(標準ではこれが設定されている)「すべてのアプリケーションを許可」の3つからアプリの入手先を選べる。
アプリケーションを一覧できる「Launchpad」内の検索もできるようになった。中国向けにテキスト入力機能なども強化された。
MacとiOSの連係で競合をリード
Lionでは、マルチタッチジェスチャーやフルスクリーンアプリケーションによる直感的で自然な操作を実現。iOSの使い勝手を上手にMacに取り込んだ。Mountain Lionでは、iOSの機能を盛り込み、iPhoneやiPadとスムーズに連係できるようになった。Mac単体でも便利だが、iPhoneやiPadと組み合わせることで、真の実力が発揮できるOSと言える。
今秋には競合のマイクロソフトが次期Windowsである「Windows 8」を投入する。パソコンだけでなく、タブレット端末にも採用される見込みのOSだ。急速に市場が拡大しているスマホやタブレット端末がメーカーの主戦場になりつつあるが、パソコンもまだまだ重要な位置にある。消費者の支持を得られるかどうかは、スマホやタブレット端末との連係のしやすさだ。タブレット端末とパソコンで同じOSで取り組むマイクロソフトに対し、アップルはMac用のOSとスマホとタブレット用OSでアプローチしている。それぞれアプローチの仕方は異なるが、連係に力を入れているのは明らかだ。
アップルはMountain Lionで連係機能をさらに強化した。自社でハードとソフトを手がけており、同社にとって機器間の連携は元々の強みであり、今回はさらにスムーズな連係を実現している。マイクロソフトも自社製のタブレット端末「Surface」で巻き返しを図るがその実力は未知数だ。Windows 8は10月26日に発売される予定なので、本格的な競争は年末商戦になりそうだ。
Mountain Lionへのアップグレードにかかる費用は1700円。2012年6月11日以降に新しいMacを購入した人は、「Up-to-Dateプログラム」の対象となり、申し込めばMac App Storeを通じて無料でMountain Lionにアップグレードできる。今回取り上げた新機能はほんの一部だ。ぜひとも自分でMountain Lionの新機能を試してもらいたい。
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