力関係 | 救急救命センター潜入レポート

力関係

 病院で力の強い順をというと、まず、医師で次に看護師というイメージだが、病院救急救命センターで観察メモを続けていると、どうもそうとは言い切れないらしいことがわかった。

 医師の中でも序列がある。センター長、部長、医長、医員、研修医なのだが、この序列ははっきりしている。研修医の先生も患者から見ると「センセイパー」なのだが、どうやら「センセイパー」ではないらしい。包帯の巻き方が悪いNGとか、心電図の機械の電極をつける位置が悪いNGとか、しょっちゅう叱られているのを目にしたえっ

 看護師の中でもやはり序列があった。1年生キラキラとそうでないのでは全く違った。十二指腸穿孔で食事の摂れなかったNさんは中心静脈に針をさして栄養を摂っていたが、血糖値の検査で指先から血を取ることになっていた。その日は看護師1年生キラキラのIさんが採血用の針を持ってやってきたが、なかなかうまく行かないNG。なんとか作業を終えて戻って行ったが、しばらくすると戻ってきた。

「ごめんね、失敗したNGからもう一回取らして!」

人の良いNさんは嫌な顔もせずに

「はいビックリマーク

と手を出し、Iさんは再挑戦した。

Iさんが戻って1時間ほどして看護師7年生のFさんがやってきた。

「成功させに来た!ビックリマーク

「えっ?えっ

病室の3人は一斉にFさんを見た。

「ごめんね、1年生だから、怖がって思い切りが悪くて・・NG

Fさんはさっさと針を刺し、見事に成功させたようだったOK

・・それっきり針を持ってくる人は現れなかった。

私がシャワー雨を浴びた日、ベッドからナースセンターの方を見ると、固くなって小さくなっているしょぼんIさんとその横でIさんの方に向かって不機嫌そうな顔むっでカウンターに肘をついているFさんが見えた。

FさんがIさんを叱ってるのかなガーン?!

シャワーを浴びてご機嫌だった私は思わずニッコリ笑ってFさんに手を振った天使。Fさんはそれに気付いて笑って手を振り返してくれたニコニコ。どうやら重苦しい空気が和んだ。ホッとしたチョキ。1年生は立場が弱いようだ。

研修医と看護師の間での序列も面白い。

ベテラン看護師の方が研修医よりも立場が強いのだパンチ!

私たちの病室に居た研修医I先生はある日、病室を出たところにワゴンを置いて作業している看護師のHさんに呼ばれた。

I先生、お手すきぃ?ニコニコ

「はい、なんですか?えっ

「これ、手伝っていただける?ニコニコ

「はい、いいですよ。かお

かくしてI先生はガーゼ交換時のセットを整備する手伝いをさせられた。研修医でない他の先生がそんなことをしているのをみたことがない。

とすると、ここ病院での序列は

センター長、部長、医長、医員、看護師(1年生を除く)、研修医、看護師1年生といったところだろうか・・。