病院のお食事
救急救命センターに入院して2日目の昼から普通食
となった。病院の食事だからどうせたいしたことはない
。ひどいに違いない
。と思っていた。ところが、2日目の朝、看護師さんから「食事は魚
だけがいいですか?お肉
もあった方がいいですか?」聞かれた。すかさず、「バリエーションに富んでるほうがいい!」と言った。
食事はいつも冷たいものは冷たく、温かいものは温かい状態で出てきた。内容はと言うと、それほど悪くなかった
。バッテラ(鯖の押し寿司)が出たり、12月に大きなイチゴが出たり・・
。私は割合味にうるさい方だが、味も悪くなかった
。
ただ、しょっちゅう出るものには少々うんざりした
。山盛りのヒジキの煮つけだったり、切干大根の炒め煮だったり。その中でもゆで卵は病院を出てから当分食べられなかった。なぜなら、水曜日を除いて毎朝パンと牛乳、デザートにゆで卵が出たからだ。うんざり・・
。
12月に入ってしばらく経った日、十二指腸が穿孔して入院してきたNさんが同室となった。Nさんは当然のことながら、絶食
だった。その前で私は毎食普通食を食べていた。ある時、Nさんは私の方を見て言った。
「ここの食事はおいしい?」
「うん、まあまあかな。病院食としては良いほうだと思うよ。」
「どんなのが出るの?」
そこから毎食のメニュー紹介が始まった。
何日か経って、私は食事メニューを紹介して食べ始めた。
タクアンが付いていたので、それを一切れ取って、口に入れ、噛み始めた。
ボリボリボリッ
「音、立てるな
!」
Nさんが叫んだ。
Nさんもかなり調子が良くなってきて食欲も出てきて、食べたくて仕方なくなっていたのだ。
「タクアン、音立てずに食べられないよ。長屋の花見じゃあるまいし・・
。」
その時には既にかなり打ち解けていたのでお互い言いたい放題だった。
それから5年以上経った今でもNさん一家とは付き合いがあり、タクアンのことは笑い話となっている
。