経営情報4月号。

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遺言書は被相続人の最後の願い。ぜひとも、遺言書通りに執行してもらいたい。でなければ、遺言書を残した意味がない。

けれども、遺言書通りにすると、相続人間の関係が悪くなるということもありうる。私のお客さまではないが、そんな遺言書を残したら、あとの家族がハチャメチャけんかして、仲が悪くなりますよという専門家のアドバイスを聞かず、いや、そのようにしたいから(推定相続人たちを不幸にしたいから)、こういう遺言書を残したいのだ、という人がいたようだ。きっとほかにもいるかもしれない。まさに、最後の呪い。

 

それはともかく、私は遺言書通りにせず、相続人全員で法定相続分で分けたケースはいくつも知っている。そうしたほうが、生きている人間が平穏で暮らせることもあるのだ。

 

ただ、遺言書を残す側としては、「残す意味、ないじゃん?」となる。いや、残したことで、法定相続人たちが一致団結して、仲良く遺産分割ができる場合もある、と私は思う。

 

とはいえ、遺言書は、最後の自分の希望でもある。遺言書通りにしたいなら、遺言執行者は必ず指定しようね。その遺言執行者が実現してくれる。古い遺言書(で、現在開封されるもの)は、遺言執行者の指定がないことが多い。この場合、厳密にいうと家裁に遺言執行者決めてね、って申し立てることになるが、複雑怪奇で利害があれこれあるような内容ではなければ、まあ、何とかなるんじゃないかなあ、と思っています。

ともかく、これから作る人は、遺言執行者の指定をしてほしいと思います。

 

 

 

 

あと、法定相続人ではない人は遺言によってしか財産もらえないから、息子存命で、孫の嫁にあげたいとか、そういう場合は、遺言書を残すしかないし、法定相続人が「あんた、もらわないって言いなさいよ、あたしら、相続人がもらうんだから」とやんやいうことはできません。できるとしたら、遺留分を請求するってことですね。

 

 

この記事は、税務についてなので、遺言書と違う内容で遺産分割をしたとしたら、現実に遺産分割の通りに相続税の申告をしてくださいねってことです。ウインク豚 (8月記)