アットホームタイムNo.479(2021年11月号)の民事法。

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確定測量の記事で、背筋が凍った。

普通に暮らしていると、特に近隣でトラブルがないと、境界など決まっていて、自分ちには関係ないことだと思っていらっしゃるかもしれない。ただ、測量技術は年々進んでおりまして、不動産売買にあたって、測量しなおして境界確定をすることは当たり前になっている。過去の測量記録と面積が違うというのは、普通です。技術が違うから。

それよりも、境界線。

行くたびに、主張が変わる人がいる。あそこの椿の木のところまでだ、から、いや、桑の木のこっちだ、いやいやこの植え込みのところまでだ、と面積を広げていく方がいらっしゃる。現在でも。現代でも。年配の方に多い。

その意味でも、毎回面積が変わる・・・アセアセ

ブロック塀があって、4、5年前のプレートがあっても、「私は違う風に聞いた」と主張しだす方もいる。アセアセ

 

おおむね年配の方である。あとは、隣が売れることが気に入らなくて文句を言いたい、「おれの(わたしの)印鑑がなければ売れなくなるだろう、ざまあみろ」的な態度が見え隠れすることも多々ある。それって、意味があるのか。

そういう方々には、こちらも意地悪したくなるのが人間である。

あなたの権利を守るためにやっているのに・・・と思うが、あなたの土地を測量しなければならない時に、こっちは印鑑押さないぜって、あるいはあなたの土地から隣に続く場所が開発されるときに、事前協議に印鑑押さないぜ、と、仕事で動いている私は、悪の妄想をして、ぐっとこらえてにこにこする。契約内容や手続き的には、実際その印鑑がなくてもどうにでもなるのだが。なので、絶対印鑑がないと手続きができないような案件は、やりたくないよ、まじで。変な人、本当にいる。これが終われば、あなたの土地の価値も上がるのに~、あなたの土地も許可が取れる土地になって売れるかもしれないのに~と思うが、そういう人は人の説明を聞かないので、教えてあげたい気持ちがあっても、私が敵に見えるから、私の話、どうせ信じないでしょう?敵ではないのよ。行政書士も宅建士も、中立な立場で粛々と手続きを進める人なのよ。紛争を前提の弁護士とは違うんだから。

 

とはいえ、契約の条件として境界立ち合いした確定測量図を渡すとしていたなら、負けだ。国土調査が入っている(それも割と最近)、見た目と利用状態、公図が一致しているのであれば、確定測量はしても、条件にしなければいいのに・・・不調で終わることはあるのだ。

 

田舎に行けば行くほど、相手方が年齢が高くなれば高くなるほど、境界立ち合いに文句を言いたい人が多くなってくるように思える。若い人ほど気にしないし、現況のままでOKをもらえる。街中でも。

土地の価値が高い世代、場所ではこれは死活問題、挑まれている挑戦と思うのかもしれない。

 

土地家屋調査士の測量の成果が、少子化と相続登記未了とで、いずれどうでもいい日本がやってくるようにも思えると、涙が出てくるよ。日本、どうなる。少子高齢化で、今の制度は維持できるのかなあ。ああ、話がずいぶんそれた。豚 (4月記)