翌朝、私は頂いた痛み止めのおかげでぐっすり眠れたが、右腕はやはり前後とも角度が10度くらいしか上がらない。服を着るのも、マジ大変。

朝ごはんを食べて、おすすめされた整形外科へ。おすすめの先生は、不在の日だが、院長先生がいらっしゃる。キラキラキラキラ

 

接骨院が勧めるくらいだから、めちゃ混みかと思ったら、それほど混んでなくてすぐに名前が呼ばれた。

先生に「どうしましたか」と聞かれたので、昨日のお昼頃、急に肩のあたりがピピピとしたんですと説明を始めた。先生は真剣に聞いていたが、私が、ピピピってきたけれども、お腹がすいたので、お昼を食べに行って、という話をすると、症状に関係ないからか、だらんとして明後日の方向を見ている。

私は話をつづけた。私は、お昼を食べながら、過去に肩や背中、腕などがピピピってしてたことある友達や体の不調を訴えたことがある知り合いなどにその内容を送った。その一人が、腕が上がるか試してって言うから上げてみたら、全然腕が上がんないんですよ、と話し続けた。腕が上がんなかったんですよ、と話したところは、先生は真剣に聞いた。

 

 

そう、その先生がすごい面白かったのは、私がお昼を食べに行ったとか、お昼を食べていてとか、病状と全く関係ないところは全く興味がなくて、だらけた姿勢をとり、腕を上げてみたら上がらなかったと言うとの詳細な説明をすると、パッとデスクに向かって真剣なおももちでカルテを書く。私の話は、ほら、私は患者側であって、いつもの仕事を受ける側の人じゃないから、紆余曲折しながらだらだら話していたのね。だって、心の癒しも欲しいしさ。痛いから、甘えていたのかね。でも、腕の角度の話と、痛みの状況のところしか、先生は真剣な顔をしない。ほかは、ぼーとしている。

 

私は仕事の打ち合わせをしていて、途中で自分の興味のない話になったとき、ポカーンと口を開けてよそ見をしているMっすんを見たことがあって、こんな奴はいるのか?と驚いたけれど、この先生がまさに全く同じタイプであった。

 

私は話を続けて、それで知人・友人の話を総合すると五十肩じゃないかと言うことになり、その日は仕事来客の予定があったので、夕方まで何とか我慢して仕事。夕方接骨院に行ったら、もうすぐに整形外科に行ってください、石灰なんちゃら剥離なんちゃらだって言われたので今日来ましたと伝えた。昨日の昼には肩が肩と平行に上がった、腕が体から45度になり30度になり、最終的に5度とか10度しか上がらなくなった説明もした。

話が終わると先生は、「あなたねー、五十肩と言っても、あなたもうアラカンでしょう。五十肩なんておこがましいですよ。いい年して、五十肩だなんて。」とおっしゃるのだ。私は、「ああ、確かに私ももうアラカンだから、五十肩っていうのは何かなと思いますけれど、10歳分ぐらい軽症なのかなぁって思って」って言ったら、もう先生はすごい嫌な顔した。生意気な患者め、と思ったに違いない。

「症状の出方からして、五十肩というより石灰なんちゃら剥離なんちゃらだと思うので、今まで言われたことありますか。」と言われたので、(椅子から落ちて背中を打ったときと接骨院で)「あります」と答えたら、じゃレントゲンとなった。

レントゲンを見ると、肩にびっくりするほどまん丸のものが写っていたので、これですねと言われたが、それはどう見ても骨じゃないですかと言ったら骨じゃないと言う。だって、腕の骨の太さと同じサイズの、真ん丸の球体があるんだよ。肩の骨と、腕の骨の間に、サイズ感が同じまんまるの白いのが写っているんだよ。それって、骨じゃないの?

医者は、運動してないからこうなるんだ、と言い出した。私は運動の話が来てぴきっとした。私だって運動しなきゃと思っているし、この一年以上接骨院から散々言われて、夏プール行ったらそれで体がまた大変になって、その後どうのこうのして一生懸命やってるのに全然運動できない。それに私は子供の頃から運動が嫌いだ。それをしなきゃいけなくてすごく辛い。など訴えたら、先生が、はぁーと言って「運動しない人に限って運動しなくていい理由を見つけ出す。運動すれば良いことだらけなのに、わざわざ運動しなくて良い理由を見つけてあーだこうだ言う。こういう人は本当に自分の体がどうなろうと、体を動かさないために一生懸命考えて理由を作るんですよ。」と言い放った。それに対して私が「あーそうでしょうそうでしょう。私のことを哀れな奴だと思ってるんでしょうね」と言い返した。すると先生が「そんなこと思ってませんよ。本当に馬鹿な奴だと思ってますよ。大馬鹿だと思いますよ」と言われた。

 

それがきっかけとなり、なんか私が運動しない言い訳とか、運動したけど辛かったとか、そういう話を医者に対してぶちまけた。対する医者は「運動しない阿呆どもを罵倒する」ことを私に対して言い続け、そんな言い争いを10分以上続けていた。その間、看護師さんは診察室に普通に立っていたので、この先生はしょっちゅうこういうことを言っているんだと思う。ようやく双方が収まり、医者は、注射をするか、痛み止めを飲んで様子を見るか選べと言った。私は、注射を選んだ。

 

注射を打つ時も、しばらく動くなと言われたので、どれくらい動いてはいけないのかと聞くと、「普段動かない人に限って、こういう時に運動をすぐするようなことを偉そうに言う」と言われたので、私は再びむかっとして、自分がどんなに運動が嫌いで嫌かということを、そして体が痛くてつらいのがそのせいであっても、自分で引き受けているんだからいいじゃないかと文句を言いまくった。

というわけで、整形外科の診察室で、私がどんなにバカで、間抜けで自分の体を大事にしなくて、怠け者であるかということを露呈したのだった。

最後に先生は吐き捨てるように言った。こんなに平和で安全な国で、自分から自分の寿命縮めようとしてる人が信じられないですよ、と。非常に衝撃的な体験であった。

 

その後、当然興奮状態の私は何人もの人にこの話をした。ひどい先生だわ、とか失礼な人ねと言う方もいる。その一方で、私を発奮させるために、わざわざそう言ってくれたんだねって良いほうに取る人もいて。ただいずれにせよ、私にとっては刺さった言葉なので、良い先生に出会ったのかも。ニヤリ

あるいは、私が昔先生をふった女性に似ていたのかもしれない。ニヤリ豚 (1月記)