【講義:野志 保仁】
マリンスポーツの代表と言えば、
「サーフィン」というスポーツが必ず挙がるでしょう。
何を隠そう筆者も「サーフィン」の魅力に取りつかれた一人なのです。
筆者らはそんな「サーフィン」に最適な波を予測する新技術を開発しました。
おそらく皆さんは「サーフィン」に最適な波って何だろうとお思いでしょう。
あるいは、大きい波が良いのではないか?などと考えているかもしれません。
実は「サーフィン」にとって最適な波とは
「波の大きさ」だけが重要というわけではありません。
そのほかにも「砂浜の形」や「波が来る方向」など様々な要因が重なり合って、
結果として「サーフィン」に最適な波が出来上がります。
今回の記事では「良い波」「悪い波」について説明します。
まず、等深線(同じ深さの場所を線で結んだもの:砂浜の形)に波が来る場合、
ある地点の等深線に対して直角の方向と、
そこでの波の来る方向の差の角度をΔαと定義します。
その場合の「良い波」「悪い波」の来る条件は次のようになります。
悪い波
波の砕ける水深の等深線の位置でΔα=0°となる場合、
波は同時に砕ける(dumper)のでサーフィンには適さない。
良い波
波の砕ける水深の等深線の位置でΔαが0°以上の場合、
波がだんだんと横に崩れていくためサーフィンに適する。

【図-1】
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悪い波
良い波
おまけ
【参考文献】
野志保仁・宇多高明・清水達也・熊田貴之・冨澤和雄・川瀬栄・下木豪(2012)
一宮海岸が良好なサーフスポットとして成立している理由