新しいお客さまからサワードウブレッドのご注文をいただきました。そのお客さまと出会ったことで、ひとつ大切なことを思い出させてもらいました。



今日、家までパンを受け取りに来てくださった時の出来事です。何でもない普通のやり取りが、何か特別なこととして感じたのです。



間近で顔を合わせることは、相手の表情を目で感じます。そして、またひとつ二つと会話が生まれ、お互いが近づくのです。前に会った時よりも相手のことをまた知り、こうして信頼関係が深まっていくのだなと感じました。



何でもオンラインで済ませるようになって、実際に会話をすることも減りました。AIを使えば簡単に英語で書くことはできるし、emailでのやり取りも間違いなく楽になりました。でも、本来ならば会話は相手の表情を読み取ったり、声のトーンも聞き分けたり、そういうのってやっぱり大事だよな、と感じました。



パンを手渡しした時、大きくてびっくりされていました。お互いの嬉しそうな表情を交換し合い、パンを渡し、お金を受け取る、これもまた交換。こういう人と人との直接のやり取りも大切にしておきたいな、と思ったのです。




サワードウブレッド作りを始めたお陰で、こうして新たな出会いに導かれることがありがたく、本当にうれしく思います。



どんどん幸せの輪を築いていきます。今日もありがたい学びの一日をありがとうございます。


今日、Holiday Ladies Luncheonに参加しました。12月に入ると日本で言う忘年会みたいな感じでしょうか。こちらでもホリデーの集まりが開催されます。



この集まりは、ご近所の方が仲の良いお友達を家に招待し、ランチを食べて楽しい時間を過ごすというものです。私は新しい家に引っ越して初めて参加するイベントで、かなり緊張していました。



1ヶ月前に招待状を受け取り、そこにはスープ、サラダ、飲み物、デザートを用意しますと書かれていたので、サワードウブレッドを持って行ってもいいかと尋ねたら、是非にとのことで、張り切ってパン生地を準備して、朝にパンを焼きました。

パンは、今週販売することになっているClassic Sourdough Bread とDark Rye Sourdough Breadの2種類。今まで注文をいただいた経験から言えることは、白いパンが好きな人が多いけれど、ライ麦が入ったパンの反応も知りたいな、というのもありました。



ご近所さんの集まりとは言え、どんな人たちが来るのか、そこに参加している自分を想像しただけでも不安が先走り、ドキドキしていました。



お家に着くと、私が一番客でした。家の中はクリスマスのデコレーションが並び、とても綺麗で。自分のパンを手渡しし、みんなに食べていただけることが嬉しいという気持ちを伝えました。



しばらくして、続々と来客があり、私にはまだ顔馴染みではない人もたくさんいて、自己紹介が始まります。みんな私を温かく迎えてくださいました。


おしいしドリンクをいただきながら、会話の嵐。そして、テーブルに着いて食事をいただくのです。私の持って来たサワードウブレッドがメインディッシュのスープに加わり、会話も自然とパンの話へと向かいました。ここでもサワードウブレッドは私を助けてくれる存在となり、パンの話題は尽きませんでした。


パンの好みはやはり人それぞれで、白いのが好きな人も、ホールグレインが好みの人もいたりして、勉強になりました。

私の焼くサワードウブレッドは、人と人を繋いでくれています。ここでも私を導いてくれているな、とうれしい気持ちになりました。



実は、もしかしたら自己紹介みたいな機会を設けてくれるかもしれないから、予め言うことを頭にイメージしておいたらどうか、と夫からのアドバイスがありました。その場にいるだけで緊張するであろう私だからこそ、下準備しておいたら安心です。



前日の夜に、伝えたい思いを文字に表し、朝にパンを焼きながらスラスラと言えるように練習していました。でも、言うチャンスを作れなかったのは自分のせい。言いたければいつだって切り出せたのだけれど。行動には及びませんでした。



ということで、せっかく考えたのでここに書き記しておき、今読んでくださっているあなたに私の想いをお伝えします。よろしければ、読んでみてください。

My name is Aya. I am originally from Japan, where I was born and raised. After meeting my husband, I moved to the United States. It’s hard to believe it’s already been 17 years. Most of that time was spent raising my three kids, which has always been my most important job.


Now that my kids are older, I’ve been thinking about my own path. I discovered my passion for baking and started my micro bakery. 


But my goal isn’t just to sell sourdough bread. I want to inspire people to make their own bread. In this busy world, I hope to encourage others to slow down, try something new, and enjoy the simple joy of homemade bread.


Thank you for having me today. I’m so happy to be a part of your neighborhood.



今日参加していた12人のみなさんに、この私の想いを伝えるチャンスはなかったけれど、私の気持ちが少しでもパンを通じて伝えれていたらいいなと思います。今日もありがたい学びの日をありがとうございます。




私はアメリカ、カリフォルニア州サンディエゴにてマイクロベーカリーをしています。少し前までは、サンマルコス市でスタートしたのですが、引越しに伴い再度免許の再申請が必要となり、休業していました。



この度、サンディエゴ郡からCottage Food Operationの免許、そしてVista市からBusinessライセンスを取得し、パン屋さんを再開する運びとなりました。





いよいよ今週の金曜日から予約受付が始まります。予約注文サイトから申込みを募り、販売日にお客様に取りに来ていただくという流れになります。


今回ご用意するのは、焼成前生地量約1000グラムのサワードウブレット。全粒粉は配合しない一番シンプルなパンにしました。そしてこれは初めての試み、サワードウスコーンもあります。どちらも自家製の発酵種を使って、じっくりと時間をかけて作ります。


サワードウブレッドが焼き上がるまでには、三日間の工程があります。1日目は発酵種の準備。2日目にパン生地を仕込み、成形した後、冷蔵庫でゆっくり二次発酵を行います。そして、3日目にようやくパンを焼きます。こうして出来上がったパンがお客さまのテーブルへと届きます。


数あるパンの中でなぜサワードウブレッドを選んだのかですが、きっかけは、幼い時期の息子の小麦アレルギーでした。なぜ小麦が体に合わない人がいるのだろうか?そう疑問に思い調べていくうちに、広島のパン屋さん、ブーランジェリードリアンの田村さんに出会いました。


著書「捨てないパン屋」の中で、田村さんはこう書かれています。「人間がグルテンを消化しにくいことなんて、昔からみんな知っています。パンという発酵食品がその証拠です。」この言葉を読んだとき、パンという食べ物の本当の姿にはっとさせられました。


サワードウブレッドは、乳酸菌による自然発酵で作られるパン。安心して心から美味しいと思えるパンを食べたいと思った時、私の考えはサワードウにありました。


サワードウブレッドに惹かれた理由は、もうひとつあります。それは小麦粉と水と塩、そして発酵種(小麦粉と水)だけでパンができるというシンプルさです。小麦粉と自ら起こした発酵種がパンを含膨らませる力になるのです。その自然の働きに感動しました。


短時間で発酵させるドライイーストとは異なり、乳酸菌発酵によるサワードウは時間を味方にします。ゆっくり育てるからこそ香りも味も深くなり、何よりも体に優しくなります。私のパンは、そんな昔ながらの知恵を受け継いだ本物のパンを目指しています。


焼きたての当日はスライスしてそのままがおすすめです。翌日以降は、朝食なら軽くトーストして、バターと蜂蜜を。最近はバター+自家製あんこの組み合わせもお気に入りです。子供たちのお弁当用にサンドイッチにしたりすると、大きいパンもあっという間になくなります。


現代ではグルテンは良くないからパンは食べないとか、グルテンフリーが良いとか言われているけれど、昔の人たちはそんなことは言葉にせずとも、乳酸菌で自然に発酵させてパンを食べてきました。


私がサワードウブレッドにこだわるのは、そんな食の知恵を取り戻したいからです。時間をかけて育てた発酵の力を、どの家庭の食卓でも感じてもらえたら嬉しいです。

明日の予約注文、たくさん入りますように♡




私はCottage Food Operationの免許を取得してSourdough Blissという名前で、サワードウブレッドを自宅で焼いて販売するマイクロベーカリーを始めました。『パン屋になりました!ライセンス取得Cottage Food Operation』カリフォルニア州サンディエゴ郡では、家のキッチンで作った食品を販売するためには、Cottage Food Operations というライセンスが必要になりま…リンクameblo.jp


月に数回パンを焼く日を計画して買いたい人を募り、予め予約してもらった数だけを作るので、売れ残りは無しの販売スタイルです。



これまでやってきた私の感想になりますが、ご予約があることが本当にありがたく、私の焼くサワードウブレッドにお金を払って買ってくれる人がいることが、本当に心から嬉しくて、充実した気持ちで日々を過ごしています。いつもありがとうございます。



こちらの写真は、ハレの日特別メニューとして、金ゴマのサワードウブレッドを焼いた時のものです。

金ゴマは京都に住む父のお手製。昨年夏に私が帰省した際の出来事。種から育てた後の工程で、双葉が出るとピンセットでひとつずつつまみ、小さなスペースにこれまたひとつずつ植え替えている作業を見たのです。

何と細かい作業だとびっくりしました。その後、苗を大きく育てることや、種の収穫もしかり、たくさんの工程があるだろうけれど、双葉の作業は私の心に確かに刻まれました。



私のために残してくれていた金胡麻を日本から持ち帰り、それをふんだんに使ったサワードウブレッドは、ゴマの風味とぴったりと合い、私にとってはとても思い入れがあるパンに仕上がりました。ご購入くださった方々、本当にありがとうございました。



話を戻して。。私のパン屋さんとしての仕事内容は、パンを焼く日程を計画しオンラインプラットフォームを通じて公表し、欲しい人を目掛けて宣伝をしていくわけですが、人生でこういうのは初めての経験。本当のところは、ちょっと葛藤することがあります。



例えば、買いたいという人が集まらないと作れないということです。予約を募集してから締め切りまでの日々は、実はドキドキしています。



私の潜在意識「予約期限までに誰からも注文が入らないないかもよ!」

潜在意識の声を聞いた私「本当に。そうだったらどうしようかな。ちょっと悲しいかも。」



このように否定的な考えが脳内で勝手に会話を繰り広げ、現状を維持しようと私に働き掛けてくるのです。その潜在意識の会話を私なりに噛み砕き、最終的に結論を出すのは、本当の私。



「そうだったとしても、家族の分を作ろうかな。おいしいパンまた食べたいし。」



私の目指すパン屋さん像は少し変わっているかもしれませんが、パンを売るのが最終目標ではないのです。

まだまだこの先には楽しい未来のゴールがあり、私の掲げる夢があります。



サワードウブレッドのパン屋さんになりましたが、もう少し先をも見据えて、これからも楽しく夢に向かってもっと動いて行こうと思います。


今日は初めてサワードウブレッドの予約を募集して販売することになった日の出来事についてお話したいなと思います。


私は予め予約のあった数だけサワードウブレッドを作り販売する方法をとっています。だから、売れ残りが出ることはありません。



初日は実際のところ予約があったのはほんの少しだけでした。でもその日は自分が当初から予定していた数のパンを焼こうと決めていました。

予約以外のパンは、ご近所さまに全部あげよう!と。そして、その日、パンをたくさん抱えてご近所を回りました。



実は近所付き合いはぼぼ無く、会ったら少し挨拶をするくらいの関係性しかなかったので、とても緊張していました。当日の朝、娘は学校がある日だったけど、出発前の少しの合間、一緒に付いて来てもらいました。私の最強の味方です。



インターフォンを鳴らしても犬の鳴き声しか聞こえず、誰も出てくることがない家がしばらく続きました。もしかしたら不審者かと思われて出て来てくれなかった人もいたかもしれません。その後、少し顔馴染みのお家に着いたのです。



すぐに出てきてくれて、私を頼もしく受け入れてくれ、すぐさま、中にどうぞ!と言ってお家の中で話をしました。



パンを無料であげるという訪問の目的は、私を知ってもらうことでした。最近サワードウブレッドを売る免許を取ったので、これからパンを販売する予定だと伝えて、今日はみなさんにパンをプレゼントしているという話をしました。



すごく喜んでくれ、庭で採れたアボカドやオレンジを持って帰って、と言ってたくさんくださいました。

もう少ししたら引越しをすると知り、もっと早くに関わり合えていたらな、と思ったのでした。



でも、私が目標としていたことのひとつ、自分が作るサワードウブレッドを通して人との繋がりを得るということが実現した瞬間でした。



突撃訪問は、この歳になってもやはり怖いもので、昔日本にいた頃の社会人の時の銀行での営業活動をふと思い起こし、懐かしくも感じました。



当時は都市銀行という絶大な信頼のあるバックグラウンドがあったから、そんなに苦労はしていなかったけれど、誰も知らないSourdough Blissという看板を掲げていくということは、大きな違いがあるなと実感しました。



この日の大きな挑戦のお陰で、新しい出会いがいくつもあり、ありがたい学びを得ることができました。初めてのことを始める時は、潜在意識が働きかけてくるせいで現状維持機能が働き、どうしても後ろ向きな結果を想像したり、一歩踏み出すのが怖く感じてしまうのですが、その先にあるものはきっと素晴らしい学びになるはずなのです。



人は思った通りにはならない。

人は行動した通りになる。



競争相手はこの世にいる他の誰でもなく昨日の自分。ゆっくりですが、一歩一歩また踏み出して行きます。