ブログネタ:クリスマス出かけたい派?家にいたい派?
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家にいて、こういう尊い映画を見るのがいいんだな。
「ソハの地下水道」
In Darkness
オスカー外国語映画賞ノミニーにもなったポーランド発の映画。
ユダヤ人が迫害を受けていたのはあの時期、ポーランドも同じ。その辺の話。
今までにもいろんな切り口から、ユダヤ人を助けた人々の話が描かれて来たけど
これもその一つでありながら、重みや描かれ方がリアルであり斬新。
若干尺が長いが、スリリングな場面が多いために冗漫にならずに見られる。
何がいいかって、ソハ役のロベルト・ヴィエツキーヴィッチの面構えですよ。
ハーヴェイ・カイテルにリーアム兄さんを足してアンパンマンで割ったような顔。
インパクトあるし、我らが見ても一発で覚えられるのがいい。
それと、彼の妻役であるキンガ・プレイスという女優さんも最高にいい。
この夫婦が本当にいいのよ。
夫は最初、カネのためだけにユダヤ人を助けようとするのね。
妻はそれを、二つの側面からやめて貰いたいと思ってる。
ひとつには、夫が彼らからせしめるカネに対する罪悪感。もうひとつには、
彼らを助けることで家族が晒されるかもしれない苦境に対する恐怖感。
妻としちゃあ、大事な一人娘を危険な目に合わせる訳には絶対に行かない。
そして、彼らから大金をせしめる事は、人道的におかしいと思う。
だけど、夫がしているのは、罪のない人の命を救っているだけの事なのだ。
妻はその辺がちゃんと解っている。だからあの状況で奇跡的にも生まれた赤ん坊を
自分の弟の子供って事で預かったらどうかと言いだすのだ。
ラストシーンの、手作りのケーキをふるまうシーンが実に印象的だった。
匿われたユダヤ人達のドラマが実にスペクタクルというか、とにかく凄い。
実際にこの場にいた少女が手記を残しているという事もあり、信憑性ありまくり。
大体逃げる段階から、愛人を取るか妻かでもめてるしw
下水道に降りてからも、大事な妹は勝手に逃げるし、子供はいなくなるし、
食料は煮炊きするし、脱走する奴は出るし、妹を収容所に探しに行くし、
妊娠してるし、子供産むし、子供の父親はいないし、母親はおかしくなるし、
で、洪水よ。ごごごーっと。
ポーランドの兵士になった、ソハの(ムショでの)知り合いの男も悲劇的だ。
最後にソハに言う台詞「お前だけは裏切らないと思ったのに」はちょっと泣かせる。
悪役なんだけど、彼にしてみれば彼なりに、ソハを信頼していた訳だしね。
ソハの幼い娘のついた嘘に彼は気付いていたんだろうが、気付かぬふりをしたのは
ソハを信じたかったから、というのも、きっとあるんだろうな。こんな時代だったしね。
映画としては「ヒトラーの贋札」の方が好みではあるけど、これはこれでいい味。
ピアノの旋律の音楽も、頼りないが美しい感じで映像に合ってる。
ひとつ難を言えば、映像の暗さ。まあタイトルがタイトルだからねえ(苦笑。
明るい部屋で見るのには、ちーと向かないのでお気をつけて。
最後に出る字幕の言葉が突き刺さる。
「人は神の名を利用してまで、人を罰しようとする。」
こういう重厚な映画こそ、クリスマスに見るべきもんかも知れん。
何様になろうとしたんじゃない。
子供の笑顔をなくしたくなかったから。
ただそれだけだ。
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