ブログネタ:ヤクザ(任侠)映画で思い出すのは?
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これだってそうでしょ。↓
「誘拐犯」
The Way of The Gun
日本一デルトロ押しを公言して止まない当ブログ管理人としてずっと気になっていた事のひとつがこれ。
この、好き過ぎる程好きな映画の記事が、どうしてないのか、とw
だって書けなかったんだもん、好き過ぎてwww
そんな訳で年が明け、久々にこの大好き過ぎる映画を見直してみた。そして気付いた。ああこの映画大好き(はぁと)
悲しいかな、この映画に対する正直世間の評判はあまり芳しいものではない。それもまあ仕方なかろう。
とは思いつつ、だがしかし!良く見るとやっぱし面白いじゃないのよこれ、とあらためて感じた次第。
第一監督が、あのユージュアル・サスペクツの脚本家として名高いクリマ=クリストファー・マックァーリー。
最近じゃとむちんのお抱え監督的な位置にまで達していてなかなかの知名度。アウトローも彼だし。
という訳で、満を持してこの映画のレビュー、行ってみようかと思います。
ただのレビューじゃ面白くないし、いい加減旧作でもあるので、ここではあえて、この映画を見た人が疑問に思う様々を
私なりに勝手に解釈してみようかと思います。未見の方がこれを読んで、次に見てみようかなと思って下さるといいなw
さてどんな話かというと。
あらくれの二人がひょんな事から思い付いた妊婦誘拐。身代金をがっぽり貰えると目論んだ二人が誘拐した妊婦は、
何と世間から恐れられてる黒幕の子供を身籠った、代理母だった。さあ二人の運命は?という感じw
二人の役をデルトロとライフィーが、代理母の妊婦をジュリルイねいさんが演じてます。
<疑問1:この二人は本当に同性愛者なのか。>
冒頭、金のためには何でも売るぜ的な二人は自分の精子を売りに行くのだがw、そこでライフィー演じるパーカーが
異性愛者かどうか尋ねられ、それについて明言せぬまま医者を論破しようとするシーンがある。
また中盤、昔人に頼まれてある男をいたぶったという過去をパーカーはデルトロ兄貴演じるロングボーに話すのだが
どうもその様子が、同性愛的いたぶり方に聞こえなくもない。ここも名言を避けているのではあるが。
なもんで、恐らく間違いなくパーカーにはその過去がある。少なくとも、誰かの相手になったか相手にしたか。
しかしこの手の語りがロングボーには全くない。というか、まあ兄貴なもんで台詞自体多くないんだけどw、
ロングボーはこの点、非常にニュートラルに見える。これは昔見た時も思ったし、今見ても変わらない印象だ。
だから思うのだが、パーカーとロングボーの二人自体は、同性愛の関係ではないんだと思う。
逆に言うなら、だからこそ、パーカーはロングボートつるんでいられるのではないかと思うのだ。
明言しないところを見ると、パーカーは自身の過去についてかなり隠したがっているか、葬りたいと思ってる。
それと同じ関係を強いられるような相棒を、彼が選ぶとは思えない。
また、ロングボーは果たしてパーカーのそんな過去を知っているのかというと、この辺もかなり曖昧だ。
多分彼はパーカーに、その事について聞きもしないし、興味もないんだろう。今を共に生きている荒くれ者という、
その繋がりだけで彼は十分だと思っているような気がする。
<疑問2:チダック家の長男は何故ロビンを妊娠させたのか>
まず、ジュリねい演じるロビンだが、彼女は大金欲しさにチダックの子を身ごもると約束し、そのようになる。
が、これが実は主治医であるペインター医師の子であると中盤で解るのだが、ペインターは実はチダックの息子。
これは内部の人間なら隠しようがない筈。ペインターも彼女の立場が解っていて自分の子を身ごもらせたのだろう。
(が、ロビンが誰の娘か、という事はもしかしたらペインターは知らないままの気がする。
詳細は後述するが、知られていないからこそ、ジョーはあそこまでペインターに凄めるのだと思う)
昔見ていた時は、この二人に愛があったのかどうか、と考えたのだが、今見ると恐らく、愛はなかったね。
ただ、大金が欲しいというロビンの気持ちと、父親への鬱屈した気持ちが勝ったペインターの気持ちが重なっただけ、
じゃないかと思う。
ペインターはけがの治療をしてくれる父親に対してかなり殊勝な事を言うが、自分の事を小馬鹿にする部下達にも、
いつまでも昔の失敗(ボルチモアでの失敗、と語られる。妊婦を殺してしまった過去があるのだ)を引き摺らなければ
ならない自分にも辟易していて、その結果父親を本気で尊敬しているとは言い難いものがある。
また、亡くなった母親のことを忘れさっさと尻軽女に乗り換えた父親の事は、明らかに憎んでもいたろう。
なのに、父親に頼らねばこの地で生きて行けない。ペインターの屈折した心理は想像に難くない。
それが、ロビンの妊娠という、いわば復讐とも取れる行為へと発展したのではないか。
<疑問3:ロビンは何故そんなに大金が欲しかったのか>
これはこの映画最大の疑問にも抵触する話なのだが、一体ロビンは誰の身内なのか、という話に繋がる。
一番有力なのは、バッグマンであるジョーの娘だという節。
確かにチダックの台詞にも、チダックの部下の推測の会話の中にもそれらしい言葉があって、これは鉄板と思われる。
ラストの銃撃戦の中、お産真っ最中のロビンと見つめ合うジョーの目の色や、最後のシーンで彼女を見るジョーの目、
これを見るだけでも二人が親子なんだろうということが伺える。
では何故ロビンは大金が欲しかったのか。彼女は父親に、稼業から足を洗わせたかったのではないだろうか。
いつまでも黒幕の手下は務まらない。というか、務めてなぞ欲しくもない。それには金だ。それがあれば、
親子して穏やかに暮らせるのではないのか、彼女はそう思ったのかもしれない。
がしかし、そうなると疑問が湧くのだ。その彼女の意思を、父親であるジョーは許すだろうか。
自分だけでも嫌気がさすような仕事である。そこと関わりを持つ事を、果たしてジョーが許すのか、ということ。
もうひとつはチダックだ。自分の最も信頼する長年の部下の娘に代理母をさせる事も厭わぬ程、彼は悪党か。
確かに、荒くれ二人にペインター=実の息子が語る父親、チダックの姿は悪徳非情だ。だがジョーにも?と思うのだ。
ここら辺が正直、良く解らない。仮にロビンがジョーに黙って仕組んだ事だったとしても、ロビンの姿をチダックが知らない
なんて事はあり得ないような気がするのだが。
いや待てよ、これで全てが丸く収まるのなら、と、やはりロビンが一人で考えた事かも知れない。
チダックも、相手がジョーの娘と知りながら、いやだからこそ、彼女を信頼し、自分の子供の命を託せたのだろう。
決して裏切らないという絶対の信頼があったから。そしてそれはジョーにも痛い程解っている。
だが、自分の娘をそんな目に(恐らく体外受精だったろうが)合わせた自分の事を、ジョーはどう思ったろう。
ジョーのそんな複雑な気持ちは、いつしか荒くれ二人の抹殺という方に向いて行くとしても不思議はない。
<疑問4:フランチェスカの子供は誰の子か>
これはもうあの裏切り野郎部下、ジェファーズの子に違いないのだが、ラストの「妊娠したわ」ってのは小気味いい。
で、考えたらこの子って、肌の色が違う訳だから、この辺実にシェイクスピアなのだよね。
子供が欲しいという願いがエゴに変わり、ロビンやジョーは傷ついたのだが、チダックは最後にその報復を受ける。
それも、自分の妻によってというね、この辺の巧さは光ると思うんだな。
<疑問5:ロングボーがジョーに見せられた写真は誰なのか>
疑問3に戻れば、あれは間違いなくロビンの写真という事になるのだが、それは何を意味するのか。
とある写真を見せながら、100ドルで手を打たないか、とジョーはロングボーに持ちかける。
あれがもしロビンということであれば、ロングボーは一世一代の決断をあそこで迫られた事になる。
本来ならやめたかった筈である。本人もI wish I could...と仮定法を使って言っているので間違いない。
が、そこでやめられないのは何故か。男のメンツもあろうし、何より相棒がいる以上、勝手に降りる訳にも行かない。
致し方なくロングボーはゲームを続ける方を選ぶ。
だからこの後、夜更けに、パーカーがもうやめようと言うとロングボーは静かに怒るのだろう。
もうやめらないゲームに乗っかっちまってるんだよ、お前は、とでも言いたげに。
楽しげに会話するロビンとパーカーにロングボーが苛立つのも、様々な気持ちが渦巻いていたからだろう。
そしてその後のロビンの告白。この子は私の子。チダックの子じゃない。お金が欲しかっただけ。
もしかしてロングボーは、お金が欲しいと言ったロビンの気持ちの裏にジョーがいる事を解ったかもしれない。
そして、この女、想像以上にタフに違いないと、見て取った筈だ。自分の相棒であるパーカー以上に。
トランプのハーツでハートを無くせ、というロングボーだが、あれはもしかして自分に言い聞かせてたのだろうか。
<総括:この映画の凄いところは何処か>
とあるやさぐれ者が仕組んだ身代金誘拐事件のおかげで、チダックという大御所一家のお家騒動が明るみになる。
親分は妻を早く亡くし、優秀な息子は産婦人科医としてあり得ないミスをして今や父親に頭を押さえられている。
部下は2番目の妻とデキており、かつての盟友である右腕は今や鋭さをなくしかけてる(と思われてる)。
2番目の妻との間に子供を望むも恵まれず、代理母として選んだのは、その盟友の一人娘。
娘は父との穏やかな生活のために代理母に志願するが、実は身籠ったのは頭を押さえられた医師の息子の子。
段々大きくなるお腹を眺めて彼女は思う。この子は誰の子じゃない。私の子、私の赤ちゃんよ。誰にも渡さない。
この映画の凄いところは、主人公の二人のやさぐれ者の背景は殆ど全く語られる事なく、事件が進むところ。
つまり主人公二人は、主人公に見えて、実はただの狂言回しでしかないのだ。
しかも結果論だが、この狂言回しがいなければ、彼女の元に子供が来る事はなかったかと言えばそうではなく、
2番目の妻の妊娠、という事が解った訳だから、もしかしたら、この二人はある意味無駄死にしたようにも見える。
とはいえ、パーカーの独白にもあるように、もしも神は必ず、望んだように何もかもなすのであれば、
これこそ、あの世へ召された二人の荒くれ者の望んだ結果がこうなった、とも言う事が出来る。
かなりはた迷惑な、守護天使だったと言ったら言い過ぎだろうか。
いずれにしても、こんなにぐだぐだと考え冴えてくれる、そんな楽しい映画ではあるwww
旧作なら今、50円。ジュリねいさんの悲鳴が多少うるさいB級映画ではありますがw、この際是非!
まだまだ書き足りないところがありますが、今回はこの辺でw
If we die, we die alone.
そういう奴だった。
あいつは最後まで。
*****
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