08/13/12 DVD: un prophete | **コティの在庫部屋**

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「預言者」

Un Prophete


いやあああ、堪んねえ、この見応え!!!!!

150分という長丁場を全く感じさせないこのスリリングな展開!!!堪んねええええええ!!!

各賞ノミニーも大納得の、本場フランスのモダン・フィルム・ノワール。これは一気に見て良かった。天晴。


19歳からの6年間、彼がどんな罪でムショに入る事になったのか、なんて事は一切語られず、初手から飛ばしまくり。

じわじわと責めるが如く、時にダイナミックに進んで行く、熱過ぎず冷た過ぎない友情を軸に成長を遂げる主人公と

若き主人公を牛耳ったつもりが逆に段々と彼に追い立てられて行くマフィアの親玉は、まるで親子のような関係。

特に主人公が孤児という設定なので、余計にそう見えるのかも知れない。
これは、権力を振りかざす父親に息子はどう刃向って行ったらいいかを描いたフランス版イニシエーション・ストーリー。


最初に命じられる殺人の相手がずっと亡霊のように彼の目の前に現れるのだが、それは彼の見た幻影でもあり、

彼の民族的アイデンティティの拠り所でもあり、何処か病んだ安心感でもある。殺された相手が出てくるって事は、

ある意味じゃ彼は苦しんでいるからであって、決していい気持ちのもんではない筈だが、彼はそこに救いを求める。

それはきっと、出自を希求する気持ちの強い現れなんだろうな。

ムショ内で彼はずっと都合のいいように扱われている。気に入らなけりゃアラブ人呼ばわりされて疎まれるのに、

何か大きな事をするってなると彼に白羽の矢が立つ。そのストレスフルな状態が一気に爆発するあのカタルシス。


彼に文字を教え、家族を預けられる程の親友となる彼や、根っからのジプシーな彼など、他の登場人物も鮮やか。

そして何より、権力を握ったかに見えた筈が、一人ムショに取り残される事になる親玉役のニエル・アレストリュプ!

このおじさん、「サラの鍵」ではめっちゃいい人だったのに、今回はめっちゃ悪い人www

だがその悪さの中にある、落ちぶれて行く一人の初老の男の挫折感と焦燥感をこれでもかってくらい巧く表現してた。

いいねえ。こういう渋くて光るオッサン俳優がフランスには沢山いるんだよねえ。

主人公を演じたタハール・ラヒムはフランスの新人さんだそう。凄い才能だよなあ。堪んないねえ。


ずっと待ってたんだ。

これで解ったろう?

あんたにこそ、俺が必要だったって事が。


*****


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