ブログネタ:修羅場体験
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まさに。↓
野蛮なやつら (角川文庫)/角川書店(角川グループパブリッシング)
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という訳で、2日で読んでしまいましたよ、ドン・ウィンズロウ。
その描写のてんこ盛り加減といい、内容の濃ゆさといい、セックスの多さといい、暑っ苦しいのなんのw
いやー参った。まさに暑気当たり。お陰で今日は明け方4時前からお腹を壊して大変でしたよ。
まあ、これを語るにおいてはやはり、今アメリカで大絶賛公開中の映画「SAVAGES」を念頭に置かねばならない。
野蛮なやつら=SAVAGESな訳で、つまり原作本の翻訳ですね。んで、どんな本かと言うと、かなり破綻してますw
普通の小説形式で書かれてる部分が6割、詩とか散文っぽい部分が2割、シナリオっぽい部分が1割、その他1割w
(なもんで、ページ数はかなりありますが、サクサクっと読める訳です。字数はそんなにないから)
こういうの、アメリかで流行ってんの?ほら、あり得ない程うるさいとかなんとかも、形式的にかなり破綻してたよね?
この両方の本が、映画の原作ってのは、何か関係があるんでしょうかwww
さて、個人的な話をすると、主人公の3人に全くと言っていい程、共感できないwww
3人とも親に問題があり、3人とも痛い経験があるのはよく解るけど、やっぱしイマイチ彼らの事が好きになれなかった。
多分ね、普通の必死さがないからなんだろうな。いや、それにばかり美徳を求めるつもりはないけど、そういう主人公って
大方、読み手のカタルシスを呼びにくい。なもんで特に前半が読んでてキツイ。しかも冒頭に書いたようにセックス三昧。
誰がって、3人がですよ、3人で、仲良くですよ、マジで。
もうね、常にこんななんですよwww
映画じゃそこまでしないと思うけど(ブレイクちゃん、一応アイドル女優さんでしょ?)、でも原作はエグイよー。
なもんで、本来なら残酷非道な悪役の、バハ・カルテルの親玉エレナやその参謀のラドの方がなんぼか人間っぽい。
だからこっちの方に、シェイクスピアっぽい構図が隠れていたりしてとても楽しい。
え?何でもシェイクスピアにひっかけんなや、って?それがそうも言えないのよ。
まず、上のブレイクちゃん演じる主人公の1人の名前が、O=オフィーリア、なのね。
しかも冒頭に「溺死する女の名前」ってちゃんと出てくるので、彼女の最後がここでもう暗示される訳よ。
更に、サルマねいさん演じるエレナの独白の中に、「私は、マクベス夫人でも女帝エカテリーナでもない」って出てくる。
これは間違いなくシェイクスピアを下敷きに読んでいいよね。作者が意図したかは別にして、そう読めるという事。
となるとね、エレナとラドの間に見られるシェイクスピアっていったら、やっぱしオセローじゃないかなと。
まあ、裏切りがテーマなのは他にもあるんだけど、でもハムレット、マクベスときたらそりゃあねえ。オセローでしょ。
エレナをラドの裏切りから救うのは、実はラドの妻、って辺りも実にシェイクスピアっぽい。
上の二人が、裏切られそうになる人と、裏切ろうとする人。
ラドは元々は警察官で、麻薬を取り締まる方の人間なんだけど、仕事の割に収入が少なく、余りの割の合わなさに
途中で麻薬ルートの人間になり変わる。この辺、トラフィックと合わせて考えると実によく解るよね。あれのハビエールも
麻薬を取り仕切る刑事で、正義漢溢れる人物なんだけど、清濁併せ持たないとあの世界では生きられない。
だからああするしかないっていうね。そこ行くとラドはもっと単純、というかあんまし頭がよくないからw、
さっさと警察からはおさらばして、麻薬カルテルの仕事にスイッチする。
ハビが若くて恋人もいなくて、という設定だったのに対し、ラドは妻も子供もいるし、表向きの仕事も持ってる。
この辺の人間臭さ=図々しさこそが、ラドという人間に深みを与えてるんじゃないかと。
ちなみにエレナにも3人子供がいて、そのうちアメリかにいる大学生の娘の事を、母として常に案じている。
エレナは好きでカルテルの頭目になった訳じゃなく、男どもがみんな捕まったか殺されたかしたため、致し方なく
今の地位についた。そこには、本来継ぐべき筈の息子が継いだら、カルテルがコテンパンにやられると解ってるからw
つまりエレナは男というものがどれだけ頼りにならないか解っている。だからラドの裏切りは尚の事許せなかったろう。
しかし、頭目になったばかりのエレナを救ったのはほかならぬラドであり、それをエレナは屈辱に思っている。
そしてラドは、エレナの尻に敷かれているふりをしながらも、虎視眈々と自分の時代が来るのを待っている。
八方手を尽くして。
だからこそ、サルマねいさんの報復シーンは超ド級のカタルシス!映画最大の見どころ(の筈)!
とまあこんな訳なので、誰が考えても、主人公より脇の方が、重厚なドラマに見えて仕方がないんですわwww
DEA捜査官で、内情にも通じ、主人公達からも金を巻き上げているデニスのラストも鮮烈。
これは映画の場面より、小説の方が良かったなあ。ちなみにデニスを演じているのはトラさん。
トラさん。DEAはつらいよw
作者のウィンズロウは映画にも凄い造詣があって、途中、監禁されたオフィーリアが得意の妄想を繰り広げる場面、
自分は、キルスティン・ダンストのアントワネットにしようか、いやいやブーリン家の姉妹のナタリー・ポートマンか
などと考えを巡らせている。また、ここで出てきたスカーレット・ヨハンソンについての描写が傑作だった。
それと、主人公男子2名、ベンとチョンが被る強盗マスクのバリエーションにブラピとクルー兄がいるのだけど
「ブラッド・ピットと誰だって?」ラドが尋ねる。
「ジョージ・クルーニーです」運転手が答える。
「『オーシャンズ11』の」添乗員が付け加える。
「『12』もです」
ってのは笑った。
チェーンソーで平気で人殺しをする男は、休日子供の野球の試合を見に行ったりする。
カルテルを仕切る女頭目は、毎週娘と電話で連絡を取らないと心配で仕方がない。
少なくとも、彼らの子供は親の愛情を溢れんばかりに受け止めている。ただ稼業が違法だってだけで。
(いや、チェーンソーで人殺し、はただ違法ってだけじゃ済まないけどw)
一見平和主義のインテリは、水耕栽培で極上の大麻をこの世に送り出している。
親友のためなら命を落としても構わないという男は戦争で心を病んでしまっているので殺しを何とも思わない。
愛は少ないより多い方がいいという娘は、二人の男と交わる事が特別な事とは思っていない。
要するにさ、この話は、誰が野蛮人なのかって話なのよ。ってか、みんなそうだろうっていう結論なんだろうけど。
話としては面白かったですが、1,000円出して買う小説かって言われると難しいなw
私は中古で買ったのでほぼ半額でしたが。
いつかブックオフで見つけたら、映画が来る前に読んでみては? ってか来るのか?こんな野蛮な映画www
前にプロフで使ってた写真。真ん中の赤いスカートの子はエレナ=サルマねいさんの娘マグダだろうな。
殺す人と殺される人が入り乱れてるーwww
それでは最後に、この人からのメッセージ。
映画、日本に来たら
絶対見てね(はぁと)。
見ないと
チェーンソー持って
追いかけ回しちゃうぞぉ。








