02/19/12 DVD: submarino | **コティの在庫部屋**

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映画+音楽+本+雑貨+ご飯+お酒+「おべんきう」=私。


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「光のほうへ」

Submarino


デンマーク発の作品。デンマークって言うとどうしてもハムレットを思い出す。


エリン・ブロコビッチ 」程のサクセスストーリーじゃなくても、「フローズン・リバー 」や「ルイーサ 」みたいに、

どん底でもがいたりそこから這い上がったりする映画の主人公は、女性の方がいいな、少なくとも私には合うなと、

今回これを見てそんな思いをあらたにしてしまったw

だってさあ、あのさあ、あれはないでしょうよ。

親の恩や愛情を知らずに育ったからって、あんな人生送ってる人ばっかしじゃないでしょ?

逆に、そういうものに縁がなかったから、自分の子供を懸命に愛したり、尽くしたりする人も多いと思うんだよね。

だからああいう如何にもな、言ってみればステレオタイプな描き方をするのは個人的にはどうかと思った。

大体さあ、何あの「仕方ないんだどうせ俺は」的な厭世チックな生活は。

妻に先立たれたんなら、しかももしかしたらその理由が夫婦二人仲良くやってたクスリのせいだっていうのなら、

尚の事子供にちゃんと向き合わなくちゃいけないでしょうよ。何故それが出来ない、弟よ。

って言ってはみたけどでもさー、どうやら男の人って、そういうパターンが多いのかもだなーって思う。

ほら、「メタルヘッド 」の主人公の少年のオヤジだって、これと同じだったでしょ?クスリはやってなかったけど。

だから多分これは、この映画に限らず、男性の、男性性ってやつを突き詰めると、こうなっちゃうのかなって言うね。

だからきっと私には解んないんだなー。女だから。いやもしかして、心が狭いからか?w←笑えないだろ


だからこそっていうかさ、あの兄貴の行動は解るんだよね。

隣の女が勝手に連れてきた息子を、言われたとおりに匿わずに、警察に突き出してしまうところ。

子供は母親といるべきだ、なんていう常識は古いものであって、時にはいない方がましとさえ思える事もある訳よ。

それを彼は心底解っているから、息子を差し出す。パパの方がいいという、息子のためにね。

んでもまあ、母親から子供を取り上げてしまった事は可哀想だと思ってか、その後コトに及ぶシーンは若干陳腐かなとw

ありがちっちゃありがちだけどね、映画の展開としては。


最後の展開は大体読める。希望があっていいとは思うんだけど、予想の域を越えてないかなというのが正直なところ。

あそこで感動しなくちゃいけないんだろうなあ。でも私はイマイチ出来なかったなあ。勿論悪くはないんだけどね。


で、ここでふと思った。冒頭で「這い上がる」って書いたけど、これは這い上がろうとする映画ではないのかもしれない。

だってタイトルが意味するものは潜水艦でしょ?潜りっ放しの。

という事は、その、世間という海の底に潜りっ放しの状態をトコトン描いた作品なのかも。

にしちゃあ、最後に希望を持って来てる。ああそうか、つまり、潜水艦が海の上に出るまでを描いたのかな、と。


人はそれ程強い人間じゃない事は解ってる。

でも、そんなに弱いもんでもなかろうに。

最後に彼の手を握ったあの幼い右手が物語っているように。


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