01/06/12 DVD: agora | **コティの在庫部屋**

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映画+音楽+本+雑貨+ご飯+お酒+「おべんきう」=私。


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「アレキサンドリア」

Agora


原題の意味は英語辞典で調べると「広場」。古ギリシャ語が起源だそうだから、もっと違う意味があるのかも。


ローマ帝国崩壊寸前の紀元391年から始まるこの話が、バリッバリの英語で語られる事にまず違和感があるが、

じゃあ何語で語ったらいいんだよ、という話になるので、まあ、仕方がないのかなあ。

でも英語って余りにもポピュラーな言語過ぎるもんだから、どんなに衣装が素晴らしくてどんなにセットが壮麗でも

どうも雰囲気が出なくてね(;´▽`A`` まあ私だけの感想かもしれないんだけどさ。


レイチェル・ワイズっていつ見てもドコで見てもどうしてあんなに可愛くてキレイなんでしょうね。

子供まで儲けておきながら結婚しなかったダーレン・アロノフスキー監督の気持ちが解らない。←余計なお世話

が!その後あのダニダニクレイグと電撃婚だもんね。よかったねえレイチェル。待った甲斐があったってもんよね。

でもあれだけキレイだったらまあ、当然かヽ(;´Д`)ノ


何がいいかってマックス・ミンゲラ君(ポスター2枚目)でしょう。そう、今は亡きアンソニー・ミンゲラ監督の息子さん。

私はたまたま「綴り字のシーズン」という、ちょっとエキセントリックな映画で見た事があり、

また昨年の「ソーシャル・ネットワーク」にも出ていて、お顔にも特徴があるので良く覚えてたんだけど、

今回の彼の成長ぶりを見て、目頭が熱くなったぜぃ。

レイチェルが主人公と見せかけて、実は彼の人間としての成長物語になってるところが一番の見どころだと思う。

愛していたんだよねえ、師匠を。でも自分はあくまでも奴隷であって、彼女に想いを寄せる事すら許されない。

だけど彼女の教える全ての学問を、彼ほど良く理解していた人物はいない訳よね。

生徒達=弟子達である連中の誰よりも、彼は学問が出来たにも拘らずさ。

で、あの混乱のさ中、彼女を助けんがために近付こうとするも、彼女は当然のように彼の存在を足蹴にする訳よ。

しかもバカ呼ばわりされちゃあ堪んないわよ。更に追い打ちをかけるようにあの大馬鹿もんが彼女を助けようとしてる。

(あの大馬鹿もん=オスカー・アイザック。ラッセル兄貴の「ロビン・フッド」の大バカジョン王役が記憶に新しいねw)

そんなんされたら誰だって「ふざけんな!」ってなるわよ。しかも多感な年頃よ。今の高校生とか大学生くらいでしょ?

信仰は揺らぐし思いは遂げられないし学問は続けられないし。爆発しない訳ないよね。

その辺の、歪む寸前の情熱の在り様を、彼は実に巧く表現していた。いや天晴。

最後の彼女に対しての行為も、愛していたから故な訳よ。ああもうそれを考えるだけで泣ける。くぅぅ。


誰もが完璧でないところがいい。この映画の一番の魅力だね。

学問に没頭する余り、人の心の機微を見失いがちな主人公ヒュパティア。

政治的野心が勝って信仰が二の次になってるオレステス。

逆に信仰が厚過ぎて、真実が見えなくなるシュネシオス。

そして届かぬ思いのぶつけどころが解らず、信仰に身を寄せるも疑問を持たずにはいられぬ若きダオス。

話としては手放しで勧められるという感じでもないけど、キャラが立ってるのが実にいい。


自由でいるという事は、ある意味傲慢であるという事だと、

解らないまま、あなたはここにいる。

でも傲慢さの中に美しさがある事を、僕だけが知ってる。


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