「ずっとあなたを愛してる」
Il Ya Longtemps Que Je T'Aime
(I've Loved You So Long)
仏語訳=英語訳=日本語訳、という、当たり前なのに珍しいタイトル。
無理に変える必要は全くないのだという、好例。
素晴らしかった。
作品のあり方が重い割に、台詞やカット割りなどで極力ドライに描かれている。
ウェット感のないのがいいんだなあ。
抑えるとこ抑えて、バーストさせるべき場所を踏まえて、そして話を無理にまとめようとしない。
そうなのよね、身内の話ってこういう感じじゃない?
話なんていつしか終わってて、いつしかまた始まるものだし。
その、日常の感じが凄く良く出ている。こういうところはフランスも日本も同じね。
いい男が3人出てくる。
警察官と、大学教授と、妹の夫のお父さん。
お父さん、特にひとことも口きかないのに、いつも笑ってて、いつも本読んでて、いつも優しい。
頭じゃなくて、心がエリートの人がたくさん。
だからこそ、あの人の良さそうな、いい人に違いない警察官が泣ける。
立原正秋の「冬の旅」で、主人公じゃないあの人がああなった時と同じくらい悲しい。
その他の人物も大変にいい。
主人公2人の姉妹も最高だし、妹の夫や、友達、養子の子供たち、職場の上司、みんないい。
それが急に最初からいいんじゃないのが、いい。
最初からいいんじゃないからこそ、実にいい。
お墓まで持って行く、という言葉があるが、
そのくらいの苦しみを背負わなければ、彼女は生きていられないと思ったのだろう。
身内だから解る。そして身内だからこそ解らない。
解らないから、解ろうとしたい。解ってあげたい。
いや、実際、解るか解らないかなんてホントはどうでもいいんだ。そんなことは些細なことだ。
だって身内だから。

