「アメリカン・ギャングスター」
American Gangster
予告編でとむちん主演の「大いなる陰謀」を初めて見たら、マイケル・ペニャが出てた。
いやぁいい仕事しまくりだね、ペニャ。「クラッシュ」以来引っ張りだこ。
「バベル」「シューター」「ワールド・トレード・センター」と、ジャンル問わず出てる。
同じトムでもトム・ハンクスの「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」は大味but面白そう。
さて。「アメリカのヤクザ様」(笑)。まずね、この話は実話。
15年以上運転手として仕えた、信頼し可愛がってくれたマフィアのボスが亡くなり
さてどうビジネス展開しようかと思案している時、アジアのヤクとベトナム戦争に目を付け
仲介をせずに直でヤクをアメリカに輸出する方法を編み出して一大財産を築いた男。
その人生と、そいつをしょっ引く事で、悪徳警察内部の膿を一掃した刑事とを、
上手く対比しながら描いている、これはそういう映画。勿論双方共に実在の人物。
デンゼル・ワシントンが悪い訳ないので、悪役なのに安心して見てられる。
その上で言うが、ラッセル・クロウがいい。正義感丸出し刑事の癖に私生活がトホホ。
妻に愛想を尽かされ親権を巡って離婚調停中なのに、おねいちゃん連れ込みまくり(大笑)。
結局自分の弁護士ともできちゃうし。まあったくこの♂は…って感じ。
それがさ、悪い♂に見えないんだな。困った♂だとは思うんだけど。そこがまた魅力でさ。
この辺の役作りの上手さが光ってると思うな。いい仕事だぜ、ラッセル。
実はこの映画、最初はこのラッセルの役を、Toroが演る筈で話が動いてた。
シーン撮りにも入ってて、写真まで公開になってたんだよね。
それが、お金の問題があって1回話がチャラになって、再始動した時にはToroが降りてた。
本当の理由とかは私には勿論、世界のToroファンをもってしても不明。
だからちょっと苦い思いもこの映画にはあったんだけど、こうして公開になったのを見ると、
案外、ラッセルで良かったんじゃないかなって思う。
とほほ感が程よく滲み出ていたし、いい意味での軽さがあったのが逆に良かった。
それに、Toroがおねいちゃんとよろしくやってるのは私生活の中だけにして欲しい(爆)。
スティーヴン・ザイリアンの脚本は相変わらず冴えてるよね。
アジアの麻薬製造所のボスが、商売の行き先に焦り始めてるデンゼルに言う。
「頂点で手を引く事は、決して逃避ではない」
私の得にはならないのだが、とした上で言うこの台詞。何という美学。かっくいい。
ラッセルと共に麻薬捜査の仕事をする事になる連中も邪魔にならず、でも存在感があり良い。
ただ、1番の敵役のジョシュ・ブローリンが、ドコから見ても宮史朗で困った(爆笑)。
御年70になられるリドリー・スコット監督はホントに、「2人」を描くのが上手ね。
「テルマ&ルイーズ」は、この先も私のベスト映画5には君臨すると思います。
映画予告で流れてるのは、samplingが効いたJay-Zの「Heart of City」。
余りにも気に入ってしまったので、iTunesで購入してしまった。延々聞いてます(笑)。
極めたものにしか見えない場所がある。
それがいかなる方向からであっても、極めさえすれば、きっと見えるものは一緒だ。
一流って、やっぱり凄いよね、という事を思い出させてくれた1本。

