「誘拐犯」
The Way of The Gun
誤解を恐れずに言うと、もし私がこの映画にキャッチコピーを
つけていいとなったら、こんなのを提案するかも知れない。
「この上なく贅沢で、この上なく上質な、最高のB級映画!!!」
監督・脚本のクリストファー・マックァリーはあの「ユージュアル・サスペクツ」の
脚本も手掛けているというのに、何故か仕上がりも出来栄えも違うぞ、
というのが世間様の意見だが、決してそんな事はない。と私は思う。
まあ、どっちが上かって言ったらそりゃ「ユージュアル」かも知れないけど
大体、この2本の映画を並べて比べる方が間違ってる。
テイストとか、描こうとしてる事がまるで違うのだし、同じ脚本家だからこそ
全然別の世界を描こうとしてるんだろうし。
と、やたら援護している様に聞こえるかも知れませんがその通りです(爆)
だってだってこれのToroは最高にカッコよすぎ!!だから。
まずですね、先月の「ラスベガス」に比べると驚く程、細い!!!!!
これが同じ役者?!!って思う程違うんで、それも見どころ。
さて、ストーリーの概要。
やさぐれちゃった若い♂2人が、ひょんな事から妊婦の誘拐を思いつく。
その妊婦は代理母で、2人は彼女に子供を身篭らせた夫婦に対して
身代金を要求しようと目論む。ところがこの夫婦のダンナが食わせ物で。
知らないとは言え2人は裏社会の大ボスに挑戦状を突きつけた格好に。
さあ大変。しかもそれだけじゃない。誘拐した妊婦が、事もあろうに
とんでもないコトを告白しちゃったからますますヤバい事態に。
大ボスの使いのオヤジもどうにも一癖ありそうだし。どうなる一体。
Toroの相方に「クラッシュ」でもいい演技を見せたライアン・フィリップ。
最初アイドル的売り方をされ、今じゃ嫁の影にすっかり隠れた感があるが
こういう、ちょっと癖のある突っ張った役も大変に似合う。
クリント・イーストウッドが手掛ける「父親たちの星条旗」には栄えある主演!!!
(しかもこれの脚本は「クラッシュ」のポール・ハギス!!)なので、
日本絡みの「硫黄島からの手紙」とあわせて話題になるだろうし、
この辺で一発嫁と立場を逆転させてみてはどうだろうか。ねえライアン。
で、Toroなんだが…。ああもう好き過ぎて何から書いていいのか(苦笑)。
見た目から言いますと、メチャクチャ白が似合うんだなこれが。
白いジーンズをあれだけに履きこなせる御仁はそうそういませんよ。
お尻のキュッと上がってる男子は結構いますが、あの脚の長さ。たまらん。
更に白シャツ、第3ボタンくらいまで開けちゃってるのがまた。
せくすぃーなんて甘っちょろいトコとっくに通り過ぎてます。あ、鼻血が。
冒頭のシーン。ストーンズをバックにバーから出てきて2人で札束を数えてると
(多分何らかの状況で盗んだか賭博かどっちかでしょう(笑))
寄りかかった車の持ち主であるビッチなおねいちゃんとカレシが、gayだの
faggotだのと喚き散らしながら文句をつけてくる。で、喧嘩になるのだが
ここでToroはドサクサに紛れて横にいた知らないおねいちゃんにキス一発。
私はここでぜーーーーーんぶ、持って行かれてしまいましたね。
あんなKissされたらしんじゃうーーーーーーーー!!!!!←絶対ないから。
速攻でストーンズのアルバム買いに走りました。聞くと興奮して寝れません。
路駐してある車を盗むシーンでは、肘でガラス窓をガッシャーン!と割って。
まあなんてワイルドな。コメンタリー聞くと笑っちゃいますがここでは割愛。
代理母の持っていたビデオをコンビニで見るシーンはレジのおねいちゃんへの
ねだり方が最高。一言も言わずに視線で喋ってる。お礼がまた冴えてて
煙草を2本同時に口に銜えて、火をつけてその1本をおねいちゃんに。
ヤバいですよ。こんなコトされたら討ち死にです。
とにかくこの映画のToroは目が饒舌。台詞がない場面の表情が良すぎ。
代理母役のジュリエット・ルイスとToroとライアンのガチンコ勝負シーンでは
特にそれが出ている。
ポーカーをやりながら彼女の告白を得るところなのだが、冷たく見えたり
不意に暖かく見えたりと、一定しないところがいい。
代理母が自分のお腹に相棒(ライアン)の手を持っていかせる場面がある。
ねえ、触ってよ。私の赤ちゃんなの。動いてるでしょう?そんな感じで。
するとToroは言う。「俺達みたいな連中に、そんな事させるな」
一見冷たく思える台詞だがそうではない事は明らかだ。
明らかだから、書かないけど、凄く好きなシーンだ。
好きなシーンといえばもういっこ!!!
ベテラン俳優ジェイムズ・カーンとToroのガチンコ勝負☆
裏ボスの手下で「運び屋」のカーンが、Toroと交わす会話がいい。
あのToroのリラックスした表情といったら!!!!!
あれは役柄であるロングボーが、カーン演じる運び屋ジョーに対して見せる
一瞬とはいえ心を許した顔であり、と同時に、Toroという役者は
自分より年上のベテラン役者とガチンコしてこそ実力が発揮されるという
証拠となる顔でもあるのだと思う。
ウォーケンおとうさんやショーン・ペン、マイケル・ダグラス、ガブリエル・バーン…
Toroはこういう人と一緒の時の顔がより光ってる。
だから…ラストのラストは泣かせるんだよねぇ…。
もしジョーがコトの真相を知ってたら、彼はロングボーをどうしたろう。
やさぐれ相棒同士の、パーカーとロングボー。
彼等は最後、自分達のやさぐれた望みの代わりに守るべきものを得る。
彼等は、オトコだから、本能で守らないといけないものが解る。
その代償は大きいと、共に解っていながら。
ロングボーがパーカーに言う。
"When we die, we die alone."
死ぬ時は、ひとりだ。
「お前一人で行かせはしない」なぁんて言われるより
数倍リアルじゃございません?!本気で昇天です。
ああ…こういう男に生涯愛されたら…←妄想120%
誰が何と言おうと最高にハードボイルドなsoulが宿ってる、そんな1本。
