ハイドラキングについて語ってみた | 極星十字相殺拳

極星十字相殺拳

北斗の拳やキン肉マン、ドラゴンボールについて普通「どうでもいいやろ」と思うことを真剣に自由きままに考える、そんなブログです。

自分の少年時代に、作品を通じて愛と友情と正義を教えてくれた製作者の皆様に、心から敬意と感謝申し上げます。

極星十字相殺拳-120414_1922~020001.jpg ハイドラ星に隠れ住み、宇宙の支配を目論むかくれ超人のボス。ロビンマスクのロビンメモを奪うため、試合中のロビンの前に囮作戦で登場。正義超人を倒すため、ニューアシュラマン、ニューサンシャイン、ニューブラックホール、ニューブラックレインを生み出す。ロビンメモを奪ったことをロビンに宣言し動揺させた隙をつき、ロビンを拉致。正義超人たちをハイドラ星におびき寄せるための人質にした。
ロビンメモに書かれた正義超人の弱点をついた罠で殲滅せんとするが、配下のハイドラブートンが弱点の意味を履き違えたため失敗。ミサイル兵器を用い正義超人たちをボロボロにするも、ミサイル台をリキシマンに破壊された後は、配下全員を各正義超人にぶつけ、自身はキン肉マンに襲いかかる。しかしロビンが教えた弱点の頭部に超人サザンクロスを受け、最後はキン肉ドライバーで倒された。


おそらく青野武氏が唯一「キン肉マン」で演じたキャラクターであり、俺が劇場版で一番好きな敵キャラである。
別に凄まじいパワーを秘めているわけでも、特別キン肉マンを苦しめたわけでもないが、悪役でありながらこれほど憎めず面白いキャラクターはまさに青野武氏が演じたからと断言してもいい。シリアスかと思ったら急にギャグ声になるこの切り替えの旨さ、これはどこまで台本にあってどこまでがアドリブかわからないくらいだ。文字だけでどこまで伝わるかわからないが、とにかく一部抜粋する。


冒頭、突如ロビンの上空に現れるハイドラキングの幻影。
ロビン「ある星に隠れていて、いつか宇宙を悪の元に支配せんとひそかに狙っているというかくれ超人・・」
キング「これまで多くの悪の超人が宇宙の支配を・・・お前たち正義超人にことごとく!打ち砕かれてきちゃったんだからねもう!そこでいよいよかくれ超人の出番になっちゃったんだからね!わかってるかいこのコンチクショウほんとにもう!このこのこのこのこのこの!ロビンマスク!」
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肉「あ!はい!」
ミート「王子のことじゃありませんよ」
肉「おお、そうであったな。やい!ハイドラキングとか言ったな!」
キング「うるさーい!誰もお前とは話しとらんわーい!!」
肉「すんまへん」


真っ黒のシルエットで登場したかと思ったら、いきなり紙相撲で登場である。しかも紙相撲の敵がちゃんと劇場版一作目のオクトバスドラゴン三世、二作目のブラックエンペラー、三作目のサタンキングになっているのが芸が細かい。「宇宙の支配を」までと「ロビンマスク!」がピッコロ大魔王で、他が友蔵といえばわかってもらえるかもしれない。


次はロビンメモに書かれた弱点をついた罠に正義超人がかかったはずが、逆に元気100倍になって登場するシーン。まずはウォーズマンが超ハイテンションでバラライカをひいて登場!
キング「あやつ少しもメロメロ♪になどなっておらんではないか!?」
ブートン「へ、へい・・」
さらにキン肉マンを除く他の正義超人も元気よく登場しリキオに塩まで投げられてブチギレるハイドラキング。
キング「ゲホゲホッ!おーこれははどうしたことなんだぁ~ん!?

みんなかえってファイト♪満々ではないか!!」
ブートン「へ、へい・・しかし少なくともキン肉マンはメロメロのはずです・・」
しかし女性ファンに囲まれてボロボロながらも上機嫌な肉も登場。
肉「こらー!根暗なかくれ超人どもよ!モテモテな輩キン肉マンがお前たちを懲らしめてやるから覚悟しろい!」
玉座から猛スピードで駆け下りてくるハイドラキング。
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キング「ハイドラブートン!これがメロメロになっとるんちゅうんか?この!!」

ここでテリーマンの解説が入るがここも面白い。
テリー「ハイドラキング、お前の一番好きなものは?」
キング「闘いに決まっておるわ!」
ブロッケン「昼飯を食べている時に闘いが始まったらどうする?」
キング「もちろん半分だけ食べて闘いに参加するわ!」
肉「変わってんのね、あんたも」
テリー「ではお前にとって、その闘いが弱いということだ」
キング「僕ちゃん強いもーん!」
テリー「他のものは一時忘れてしまうくらい好きでたまらないことを、弱いと表現するんだ」
キング「好きでたまらないことを弱いだって・・?あんさん、知ってはった?」
肉「あったり前だ!メロメロになっちゃうからわざと弱いって言うんだもんね」
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余談になるが、弱点の意味を履き違えたハイドラブートンはアホとしか言いようがないが、本当の弱点もきっと記載されていたと思う。まさかロビンともあろうものが「リキシマンの弱点:塩」とかだけ書いてるわけがない。
例えば「ウィークポイント」って欄があって、キン肉マンなら「左脇腹」みたいに書いてあったとかで、ハイドラブートンはアホやからウィークポイントが弱点という意味だとわからなかったとか。


後半は悪役に徹してミサイル攻撃や、正義超人がそれぞれバラバラになったところで間髪いれずニューアシュラマンたちを投入したり、ボロボロになったキン肉マンに襲いかかったりした。
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尺の都合でキン肉マンとはほとんどまともな勝負になっていなかったのが残念だ。闘いの前から既にキン肉マンは満身創痍だったし、ロビンによって弱点が露呈したあとは超人サザンクロスをくらい、そのままキン肉ドライバーでKOされてしまった。今回観て気づいたが、キン肉マンが「火事場のクソ力~!」を発揮するシーンすら無いぐらいの異例の尺のなさだ。これでは実力の判断が難しい。

極星十字相殺拳-120414_1928~010001.jpg しかし正義超人全員の蹴りを一度に受ける超人サザンクロスを頭部に受けながら、それを弾き飛ばすだけのパワーがあることは特筆できるだろう。
俺的には死んでほしくなく、「勝ったなどと思うなよ!覚えてやがれ~!」「ボ、ボス待って~!」とハイドラブートンと逃げてほしかった。それぐらい良いキャラクターだったと思う。青野武様、俺、このキャラ大好きでした。



キン肉マン THE MOVIE [DVD]/出演者不明