真救世主伝説 北斗の拳 ユリア伝 | 極星十字相殺拳

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 本作は、真救世主伝説シリーズの第二作目。主人公はユリアで、幼少期からシンにさらわれ、南斗六聖拳最後の将となり、サウザーの死を見届けるまでが描かれている。また、レイ、ジャギ、五車星や新キャラクターとして、ダーマと犬のトビーが登場する。

 ユリアを石田ゆり子氏、ジャギをデビッド伊東が担当することとなり、発売前から批判の嵐だったこの作品。いざ観てみたらデビッド伊東のうまさに驚愕した。まあ石田ゆり子は棒読みではあったが、ユリアのキャラ自体がとても20代女性とは思えぬあまり感情のない女であるし、特に気にならなかった。ユリア本人にあまり興味がないこともあるのだが。
 どちらかというと阿部氏のケンシロウのほうが不満であった。第一作のあの気合はどこにいってしまったのかというぐらいで、特にシンに七つの傷をつけられるあたりはもっと頑張って欲しかった。旧アニメ5話の神谷氏の「ふぶああああああ!!!」を聞いてみてほしい。

 

 本編では、謎の多かった南斗最後の将のルーツが描かれており、北斗マニアにはたまらないものがあった。「なぜユリアなのか?」「なぜリュウガではなかったのか?」「五車星に助けられてから何をしていたのか?」「幼少期のユリアの横にいたあの老人は誰?」などがほぼ判明し、レイとの関係も描かれ、北斗の物語が一段と充実したといえるだろう。
 
 しかし、逆に新たな疑問も生まれてしまった。疑問というより、不自然と言おうか。
 まず、ユリアがシンの城から飛び降り、レイと出会うまでに1年が経過している。この時点でレイはまだ、マミヤの村に現れていない。この1年の間に何があったかというと、原作でいうとケンシロウはシン、GOLAN、ジャッカルを打倒し、ボルゲの目を奪ったぐらいだ。これに1年かかっているのである。
 ちなみに、他のキャラはというと、トキが拳王様に捕らえられ、アミバがトキになりすまし、リュウガとレイナがサザンクロスでジュウザと出会い、レイナがユダに捕まり逃亡したことがあるが、とても1年が必要とは思えない。
 また、レイがユリアと出会ってから死ぬまでが一冬の間となっているが、今度は逆にケンシロウが忙しすぎる。冬ということで、12月~2月と仮に仮定すると、三ヶ月間でケンシロウは牙一族を倒し、ジャギを倒し、アミバを倒し、カサンドラを陥落させ、拳王様と引き分け、ユダとレイの死を見届け、シュウと出会っているということになる。可能性としては無くはないが、あまりにも無理があるのではないだろうか。このあたり、もう少し自然であったら秀作だったと思う。
 
 その他、レイが五車星にあっさり捕らえられたことにも当時批判が集中していたのだが、所詮は3人がかりの不意打ちである。しかもあのフドウに水鳥拳の生命線である両足を封じられてしまったのだから、やむを得ないだろう。私はむしろ、こういう甘さと迂闊さがレイらしくて納得して観ていた。レイの声は故塩沢氏に少し似ており、大満足であった。

 

 最後はサウザーの死で終わるのだが、シバが死んだとき実はユリアが駆けつけていたり、有情猛翔破のときに崖から観ており殉愛の章とリンクするのはかなり気に入っている。トビーの死には思わず泣けてしまった。
 EDの「ユリア・・永遠に」やBGMも最高に素晴らしく、感動的なものばかりである、是非ともサントラを聞いてほしい。
 余談だが、公式PVは「だ・か・ら、今日より明日より~」で北斗四兄弟と虎が最初に出てくるのものになっているが、個人的にはアニメ蒼天の拳1巻に収録されている予告のほうが好きだったりする。北斗の拳で私が一番好きなシーンである「獄屠拳対飛衛拳」のシーンから始まるので強烈な印象があり、是非とも観て欲しいと思う。


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