〇大興奮!山麓までの大空堀
山形県山辺町にある山城・畑谷城。山形市街から約20キロの山奥の山村に眠るこの城は山形県でも五本指に入れてもいいくらいの名城。この城の素晴らしさは
山頂から麓までを寸断するくらいの大空堀
慶長5年(1600)の関ケ原戦役において山形の郷土英雄最上義光最大の存亡の危機となった慶長出羽合戦。迫る直江兼続率いる上杉の大軍に対して、壮絶な抵抗の末に玉砕してのけたという物語性。そしてまさに存亡の危機において大改修で「ここまでやるか!」というくらいの防御力強化の為に設けられた大空堀。凄いのは山頂の主郭部だけでなく、麓にまで物凄い大空堀が待ち構えていて、登っている最中も「あ、あそこに遺構が!」「こんな所にも!」と興奮して見れました。公共交通機関での利用は絶望的ですが、是非ともレンタカーでも借りてでもここはまた訪れてみたい!と思える名城でした。山形市街から車を走らせること35分。長閑な山村に今も畑谷城は眠っています。
畑谷城は山辺町の山村の一角麓部分に駐車場と案内所が設置されており、来るものを城へと誘ってくれる親切仕様
この城の復元図ですが、やはりこれ見るだけでも興奮してしまいます。何しろ山頂部の主郭だけでない、まさに山そのものを城塞化して、空堀を巡らせているのですから。
城跡は山頂の主郭部、そして東側の大空堀と西側の三重空堀からなり、それぞれが見所ある非常に城巡りには堪らない見所沢山
麓には長松寺という寺院があり、ここに城主江口光清の墓もあります。
まずは登り口部分からいきなりの大空堀と曲輪が待ち受けてくれます。
首洗い池
今は長閑な山村もかつて戦国時代には最上にとっての国境防衛の要であり、実際に壮絶な籠城戦が繰り広げられたのが今となっては信じられないくらいのんびりした雰囲気です。
登り道も非常に整備されていて歩きやすく
登り始めて何と10分ほどでもう虎口に到着しました!凄い、登り易い!
主郭跡
主郭自体は典型的な山城の構造をしており、元はこの山頂部だけが本来の「畑谷城」だったのでしょう。
そして地元人に建てられたと思しき「旅人よ、ゆきて伝えよ、最上のために戦いたおれし者を」という勇壮な石碑
搦手虎口
裏手にある降り口から更に下っていきます。
まずは主郭と西部三重空堀の曲輪間を寸断する大堀切
そして待っていました、壮観なる三重空堀跡
これが信じられないことに麓まで延々と空堀が施されていて、絶対にここを死守せん!とする気概を感じさせますね。
今でこそ単なる坂道ですが、往時にはこの空堀も物凄いV字となって攻め手を防いだと思うと本当に物凄い改修したんだね。
ちゃんと主郭部との間には三重空堀を突破せんとする攻め手を迎撃するための城兵たちの曲輪も設けられていました。
さてそれでは主郭から今度は東部の大空堀の方を見ていきましょう。
こっちもこっちで凄い大空堀!
土塁は丁度街道を寸断する関所のような構造で遮断しています。
その内部は空堀が巡らされ
しかもこっちの空堀は底を散策出来ます。
この二重の空堀もまた上杉の襲来に備えて突貫で大改修された防御機構なのでしょう。
最後に長松寺にて戦死を遂げた江口光清の墓を詣でます。
冒頭から述べましたが、畑谷城は山形県でも屈指の隠れ名城。上杉の襲来に備えて大改修された防御の遺構である空堀が鮮明に保存されており、車で行ければこれほど登り易い山城は無いというくらいの気軽さで登れ、しかも見事な城跡の遺構が待っている。是非とも機会あれば訪れてみてください。
〇上杉の大軍に立ち向かった武将・江口光清
最上氏は領国を飛躍的に拡大させた天正12年(1584)以降、両国の境界となる国境部に新規築城あるいは既存の城を改修する形で、領国支配を強化していきました。本拠地である山形城を中心に支城をネットワーク状に築く防衛体制。畑谷城もその一つでした。
ここは置賜地方(米沢)との境界に位置し、隣国の大名であった伊達政宗と最上義光という二大勢力の接点に当たる場所。そのため最上氏にとっては重要視されていました。伊達家はやがて仙台へと国替えとなりましたが、隣国の大名が蒲生氏郷→上杉景勝に代わっても、脅威は変わることはありませんでした。そして慶長5年(1600)の関ケ原戦役によってその脅威が現実のものとなるのでした…
9月8日、上杉は直江兼続を総大将とする2万の軍勢をもって、最上領の各方面から侵攻を開始。9月11日には畑谷に集結した上杉軍は12日から総攻撃を開始。城主江口五兵衛光清が500人の城兵をもって籠城するものの9月13日には、上杉軍の総攻撃により落城し、江口以下城兵500は殆どが戦死するという最期を遂げたのでした。畑谷城を落とした上杉軍はその後、いよいよ最上義光の山形城を守る最後の関門である長谷堂城へと向かい、最上は存亡の危機を迎えます…
〇アクセス
山形駅から車で約30分で麓の案内所 そこから徒歩10分で主郭
「畑谷城に狼煙が一本…」




























