今回からは岐阜県平野部に残る城館についてご紹介していこうと思います。美濃と近江はちょうど東西から見た場合には東西日本の中央部であり、その為か多くの城と館がありました。幸いなことに大都市近郊とは違い、それほど開発が進まずにおいた結果として、まだまだ平野部では他の県では考えられないくらいの、平城の多くが残っていました。そのほんの一部ではありますが、ご紹介していきましょう。さて、古くから使われていた城館で今もその末裔の方が家として使用されている場合があります。

 

今回、紹介する野口館はそんな城館の一つ。しかも非常に学術的価値が高く、地元自治体の発掘調査によって明らかにされた

中世城館の構造が残された貴重な史跡

となっています。城館とは在地の武士が住居とした「屋敷」の周囲を高い土塁と空堀で防備を固め、有事には小規模な「城」とする構造の中世の城です。詳細な歴史は不明ですが、発掘調査による出土品から鎌倉時代から存在したと言われています。各務原台地北端部の西寄りの地域であり、境川の流域に形成された沖積低地はこの一帯を有数の穀倉地帯とならしめていたほどでした。

 

〇民家敷地最大の泣き所

野口館は江戸時代に入所した所有者の家が代々大きな改変を行わずに維持管理をし続けてきました。それ故に今もこうして史跡として、残り続けているので、見学の際には必ずマナーをもって行きましょう。問題は見学用の駐車場が無いので、岐阜駅からレンタカーを借りていった時には死ぬほど苦労して探す羽目になりました。この辺りは大型ショッピングモールや飲食店が立ち並ぶ場所ですが、結局悩んだ末にコインパーキングに止めることにしました。

肝心の野口館自体は非常に幹線道路から外れると閑静な住宅街に早変わり。表示案内などはありませんので、事前に地図やスマホアプリなどで確認していくことをお勧めします。

見学できるのは市のHP によると北側の駐車場越しか東側の歩道側のみとなっています。

フェンス越しの土塁と空堀

今も残る深い空堀と土塁が間違いなくこれが城館の史跡、隣の住宅街とのアンバランスな光景がなかなか面白いコントラストとなっていました。

往時はほぼ外周を並走する堀と土塁に囲まれた方形の居館でした。

 

土塁は高く、しかもそこに木々があるので、内部は遮って見られない。まさに現役居館

内部は流石に見れないのが残念でしたが、このような住宅街にこれだけ完璧な形で城館の遺構が残っているのは非常に良かった。訪問する価値があったと思います。

 

〇アクセス

JR高山本線蘇原駅から徒歩20分

 

「野口館に狼煙が一本…」