佐賀県で代表的な「お城」と言えばどこになるのでしょうか?まずは当然ながら県都・佐賀にある佐賀城、歴史的重要性から言えば戦国時代の文禄・慶長の役における一大前線基地となった名護屋城、天守閣などの建物・城下町と揃った唐津城あたりでしょうが、山城においておススメしたいのが今回ご紹介する

獅子城、佐賀県唐津市にある山城なのですが、

「山奥深くに昔の山城の遺構がそっくりそのまま残っている」

隠れ名城の要素を詰め込んだおススメ城。もっともこの手の隠れ名城の常としてそのアクセス、特に公共交通機関でのアクセスは極めて困難を極めます。



そもそも「最寄り駅」唐津線の巌木駅からでも登城口まで50分、そのうえ肝心の唐津線も列車本数が極めて少ないと来ている。効率的な廻り方をするなら、朝イチの佐賀駅始発列車に乗っていくのが一番効率的な周り方となります。さて今回訪問したのは2020年7月と真夏で、これまで熊本、鹿児島、宮崎、大分と猛暑で苦しめられてきました。そのうえ、今回は1時間以上の徒歩行軍、猛暑地獄を覚悟していたのですが、この日は天の加護を信じたくなりました。

雨上がりで気温が低下した

のが幸いして、極めて快適に歩いて登ることが出来ました。真夏なら雨でも大歓迎。むしろ気温的には助かる。そんな登城の記録となります。

 

 

〇霧雨に浮かぶ石垣の城

前日、痔に悩まされた反省を生かして早めに「宿」にチェックイン。しっかり身体を休ませての朝5時出発しました。やはりどこかで旅で休養時間を設けないとだめですね。

佐賀からは唐津線に乗車。唐津はどちらかというと福岡都市圏とのつながりが深いので、あまり佐賀と唐津との連絡は良くありません。昔ながらのローカル線でしかも本数は指で数えるほど。

厳木駅にて下車

昔ながらの木造駅舎、さてだんだん雲行きも怪しくなってきました。

当然ながら無人駅ですので、駅前案内関係はありません。事前に地図で調べておくようにしておかないといけません。 


ここからはひたすらの徒歩での行軍、真夏だったら地獄なのですが、この日は雨がポツポツと降ってきており、非常に快適でした。7月でこんなに気分よく歩ける日に巡り合えるとは(笑)

そしてひたすら登っていくと獅子城跡の案内が。

ここから更に上に登っていくと城の駐車場までアスファルト道路なので非常に登りやすい

駐車場からは結構な草ぼうぼうの道。雨が降ってきており、ここからは傘を差しての城巡りとなります。

苔むした案内図

二の丸跡は垂直な岩盤上に築かれています。

北三の丸跡

そして二の丸の反対方向へ向かうと

 

一の曲輪に築かれた大石垣

全長85メートルに及ぶ石垣、山奥深くにこんな見事な石垣が今も残っているとは感動です!雨なんでなかなかデジカメのレンズが合わず、撮影するにも苦労しました。

岩盤をくりぬいて設けられた堀切

一の曲輪跡

井戸曲輪

その名の通り井戸が設けられた曲輪です。そこからすぐ登っていくと

ここにも石垣が残っていました。
険しい道を更に上り、

約1時間の徒歩の末に遂に本丸到達!

雨の中でぬかるみに足を滑らせないように気を付けながらでしたが、雨のおかげでそんなに苦労せずに上ることが出来ました。

獅子城跡

雨による霧に覆われていますが、それでも眺望はなかなか

本丸跡は廃城の際に徹底的に破壊されていましたが、

それでも虎口には石垣がきちんと残っていました。それだけかつては石垣に覆われた城であったと言えるでしょう。

実際、破壊されてもなおこれだけの見事な石垣が残っているのですから。

まだこの下にも二の曲輪、三の曲輪があるのですが、今回は残念ながら時間切れ。もう少し回りたかったな…

 

出丸跡

駐車場から本城跡とは反対側にある城跡です。ここもかなりの広大な面積を誇ります。

ああ、時間がもう少しあったらゆっくり見て回れたのに残念でなりません。それだけゆっくり見て回るだけの価値のある城でした。

もう一回行ってみたいと思える名城で、佐賀の隠れ名城です。

再び唐津線の列車に数分前に厳木駅に到着しての城巡りは続きます。

 

〇寺沢氏によって改修された総石垣の名城

戦国時代に肥前の大名である龍造寺氏の勢力が拡張されると、松浦地方を支配していた岸岳城主波多氏や松浦党は現在の唐津市一帯の防備の最前線として、獅子城を重視し、松浦党の武将である額田氏を城主としました。しかし文禄の役である失態を理由に波多氏は改易され、額田氏もまた多久氏に仕え、この地を去ります。その後、唐津一帯は豊臣大名の寺沢氏が入封。唐津城に近世城郭と城下町を建設するとともにその支城として、獅子城を重視して石垣造りの城へと大改修を施したのでした。しかし10数年ほどで元和の一国一城令で廃城となったのでした。

 

〇アクセス


JR唐津線厳木駅から徒歩45分で登城口そこから徒歩15分で本丸跡

 

「獅子城に狼煙が一本…」