史実とフィクションの融合で、西園寺卿・泰家叔父さんによる後醍醐帝暗殺計画(史実)と逃若党によるラスボス足利尊氏暗殺計画(創作)が同時並行で描かれるというスリリングな展開。まさかの物語主人公とラスボスがいきなり対決するとか目が離せない展開ですが、私的には冒頭でいきなり衝撃展開を受けてしまった。そんなこんなでいよいよ毎週目が離せなくなった逃げ若、それでは本編感想参ります。
〇2人の出会いの始まりが終わりの地
冒頭回想シーンでまだ鎌倉幕府が健在であったころに、幼児であったころの時行くんが「ある場所」で泣きじゃくっていました。…
鎌倉近郊の龍ノ口刑場跡
ウワァァァ!!いきなりのネタバレじゃない!!まだ史実を知らない皆さん、決して「北条時行」でググってはいけませんよ!
もうここを冒頭の舞台にした時点で松井センセイ、もうあの「結末」を想定しているという非情な現実が明らかとなってしまいました(涙)もちろんそこまで物語が進められたら、が前提ですけどね!
子供がどう見ても来るような場所ではない場所で泣きじゃくる時行くん、かくれんぼをして、「鬼」から逃げていたら迷子になって、父の高時さんや邦時の兄上に求める年齢相応の子供っぽさ全開の時行くん。そしてその幼児に優しく声を掛ける青年がいました。
まだラスボスがラスボスになる前の足利高氏。誰もがはぐれてしまった北条家の跡取りの男児が行方不明で皆が血眼になって探している時になんとなくというフィーリングで見事時行くんの居場所を探し当ててしまった高氏さん。しかし「逃げられなくなる位なら死ぬ」と断固帰ることを拒否する時行くんにこれは高氏も(・・;)しかし、たとえ高時父上からかくれんぼを禁止されたとしても
足利高氏「この高氏が父君に内緒で鬼の役を務めましょう」
「拙者は勘が良いのです。何処へ逃げようが探し出してみせましょう」
もうやめて!セリフの全てがフラグだから!!
物語の始まりはまさにこのセリフから始まっていたのでした。時行くんにとっては父や兄、一族の全てを亡くした形での命をかけた「鬼ごっこ」
フル・フロンタル「始まりの場所がゴールとは、古典的な趣向だ」
と全裸さんなら評しそう。かくして英雄と若君はここに邂逅し、それがやがて物語上で大きな意味を成すことになる。それにしても時行くん、「地獄の果てで本物の鬼ごっこをするのが夢」と目をキラキラさせて語りだすのだから、本当にぶっ飛んでいるなぁ…あの高氏が真っ当な常識人に見えるんだから不思議(爆)高氏が約束のアイテムとして渡した松ぼっくり。これが次回につながります。この幼き頃の体験がまさに物語を形どるという大河ドラマ的展開ですね!やっぱり歴史フィクションはこういう形での物語上での出会いがないといけない!
〇同時並行・暗殺任務
大楠公の屋敷でラスボスの具体的な行動が明らかになったことで尊氏暗殺計画を提言する吹雪。
現在、建武政権に対する反逆を企てる者たちが行おうとする暗殺計画は二つ
史実での西園寺卿及び泰家叔父さんが進める後醍醐帝暗殺計画
創作での逃若党による足利尊氏暗殺計画
建武政権を実質的な要の2人を暗殺するもので、成功すればまさに建武政権は瓦解するのが目に見えています。もっとも吹雪の視点は辛らつで前者は端緒から失敗すると既に確定されていて爆笑。まあ、何しろ関わっているのが南北朝の新宮十郎だからね、どう見ても結末が見えてしまうよね。冒頭の龍ノ口刑場以上にフラグが見えてしまっている。それでもたとえ二つとも失敗したとしても、この前代未聞の暗殺計画が立てられたという事実そのものが建武政権に大混乱を引き起こさせることができ、頼重さんが想定する来る天下を揺るがす大乱に向けての絶好のチャンスになるという二段構え作戦。
郎党たちの意見は真っ二つに割れます。弧次郎は実質的に効果があるのは武士たちを束ねる尊氏暗殺に傾注すべき、これに対して雫ちゃんは頼重さんの見立てをもって、「尊氏には暗殺は通じない」…いや本当にね、読者的にはその通りとしか言いようがないのですよ。総じて女性陣は反対論、そして男性陣が積極論に分かれて、玄蕃は「主君」である時行くんに問いかけます。
時行くん「会えるなら殺すことよりも聞きたいことが山ほどある」
うん、これは読者的に気になる。物語上でのラスボス尊氏があの人の好いお兄さんから恐怖のラスボスへと変貌していったのか、そこは本当に気になるので是非とも時行くんにそれを問いただしてほしい。でも、時行くんにはもう一つの思いがありました。
時行くん「だが、こんな好機をむざむざ逃せば滅ぼされた皆が嘆くだろう」
時行くん、それは違うぞ。大楠公が教えてくれたじゃないか。「恩讐」に囚われてはまさに「自ら檻に閉じこもる」ようなものだと。しかし、鎌倉幕府を統べる北条家という立場はそう簡単に放り投げられるものではない、ということは分かっている。だからこそ辛いのですね。かくして、時行くんは決行を決断します。女子は泰家叔父さんたちを逃がす手筈を整え、男性陣で尊氏暗殺に挑むことを。
時行くんから頼重さんの見立てを知らされも帝暗殺計画について諦められない泰家叔父さん。ここで昔「賭け事」で頼重さんの未来予知に頼って痛い目をみたそうなので信じられないのも無理はない。いやでもそれは鎌倉だからじゃない?信濃から離れると頼重さんは単なるインチキ祈祷師になってしまうからね。時行くんも叔父さんの性分を知っているのか、止めはしません。それでも失敗した時の二人を脱出させる手段は用意しておくと告げます。
かくして進められるミッション、尊氏を暗殺する準備、そしてそれらが失敗した時の逃走し、信濃まで帰るための下準備を入念に行う。
〇決行当日・建武政権関係者たち
今まで時行くんらと京ガイド旅行で楽しいひと時を過ごした魅磨。しかしこの日、一人でいる彼女には今までにない憂いの表情がありました。神力を持っている彼女は事実を知らずとも予感によって何かを感じている。「若ちゃん」彼女には時行くんに対して「何か」を抱いているようです。何かこうしてみると非常に本当に恋する姫のようでありますよね(いや、確かに姫君であるんですけどね、父親が判官殿だからそう見えないだけで)
「武者所」という「天皇親衛隊」の勤務を終えて、楠木邸へと向かう足利家一行と彼らと別れる新田義貞一行。既に建武政権のお膝元の京ですら、不満が高まっており、治安上の懸念を伝える尊氏とそれを豪快に笑い飛ばす義貞。こうしてみると二人の関係そのものは決して悪くはないようですが、むしろ問題は家臣たち。特に新田家の家臣たちはまるで格下のように扱う足利に対する不満が渦巻いていました。まあ、元々筋目から言うと「足利と新田はライバル」なのは元々の話ではなく、当時の新田は「足利の庶流」のようなものなので、足利さんサイドからすれば「今まで通り」で接していたかもしれませんが、鎌倉攻略という大金星を挙げた新田党からすれば「俺らの功績を横取りしおって!」との認識差なのかもしれません。
うーん、この無自覚に人を狂わせる極悪め(笑)
新田義貞「心配ない!敵に回れば打ち倒すだけの事!」
と家臣たちの不満を豪快に笑い飛ばす義貞。本作の義貞は実に豪傑感あるのですが、それこそが家臣たちには心配のもと。確かに名将としての能力と武勇がある(鎌倉攻略で証明済み)、それでいてカリスマもある…でもそんな彼についている家臣たちでさえ心配せぶにはいられないのは顔の横にあるもの
え、あれずっと「?」ついていたのですか(笑)
どうも自分の立ち位置が分かっていないっぽい新田義貞。多分、尊氏と不倶戴天の敵になる時も、その意味合いが分かっていないまま敵対するっぽい。
一方の足利党ではこれから訪問する楠木に対しては警戒感を隠せないでいる高師直・師泰兄弟。むしろ新田義貞よりも大楠公に対して脅威視しています。それにしても師泰の「楠木の狸は猫を被っている」という表現は面白すぎる。そこへ出迎える大楠公。何でも不手際があって、馬をつなぐ場所がないので、郎党たちは使用人が案内するので別行動をとって欲しいと例の「金八大楠公」に似た変顔で卑屈に謝罪する大楠公。高兄弟は足利を軽く見るかのような行為と不手際に「所詮成り上がり」と侮蔑丸出しで対応しますが、それを制してラスボス尊氏は承諾します。
ん?でも片目ウィンクしているぞ…
かくして主君と別れて別行動をとる高兄弟ですが、やがて余りにも離れすぎていることに不審がり。使用人たちの対応も「師直らが場所を知っているから」と怪訝な顔をして、ようやく異変に気が付きます。
ラスボス尊氏「・・・さてどうするかな、偽物の楠木殿」
やはり気が付いていました。そうこの大楠公は玄蕃の変装。それにしてもあの変顔まで再現するとは演技力高いな、おい。あれ殆ど別人の顔じゃん。変装の顔に更に変装するようなものだぞ(笑)そして持ち前の「勘の良さ」で逃若党による暗殺のための工作もそして隠れている時行くんの位置までも当ててしまったラスボス。
遂に鎌倉以来、再び対峙する主人公の少年とラスボス
あのキーアイテムである松ぼっくりが効果的です。
時行くん「足利尊氏、命を献じよ!」
「命を献じよ」うーん、この非常に響きも良く、それでいていかにもありそうな時代を感じさせるいい台詞です。本当、大河でもこんなセリフを聞いてみたい!忍び姿で顔を隠した状態でもその美ショタぶりが隠せていない時行くん、そして相変わらずニコニコ笑顔でそれを見るラスボス尊氏。かくして暗殺任務決行!!果たして、その結末は…まあお察しください。





