八重ちゃん「お帰りなさいませ」

笑ったぁぁ!!ガッキー八重ちゃんが心から笑ったァァァァ!!

思えば八重ちゃんが心から笑っていたのって第1話の御姫様だったころ以来じゃないですか。あれ以来、ずっと全て他者に強制された過酷な運命&親しい者を悉く失うという中でようやく巡り合えた八重ちゃん。ガッキー最強の「兵器」である見る者全てを癒される笑顔、南北朝のラスボスの「兵器」が人々の心を鷲掴みにする「カリスマ」であるのと同様にこれを見るだけで千金の価値がある(※個人的な感想です)まあそんなこんなでようやく本来のガッキーらしさが出てきて嬉しい限り。果たして次回はどうなるかが楽しみ。

さて今回はまさかの前回の頼朝の下半身問題である「亀の前事件」に端を発して坂東武士との紐帯がグチャグチャになっていく過程と次回のキーマンである信濃から京の政権の天下をひっくり返すキッカケとなった「若君」の先達・木曽義仲が従来のテンプレイメージとは全く異なる描き方が新鮮でした。創作では「毒にも薬にもならない凡人」キャラで描かれがちな範頼もむしろ実直ある人柄に好感が持てる次第。

逆に株を爆下げさせてしまったのが源氏兄弟

下半身に関しては制御不能な「ク〇」ぶりでもう今が「底値」であることを願いたくなるくらいダメ人間ぶりでした。まあそのおかげで今作の主人公にようやく「春」が訪れたという意味で、ちょうど季節もいいことですし、今回のタイトルは

第13回「八重姫の桜」

(※会津の八重姐さんじゃないよ!ご注意)でいいんじゃないかと思った次第。

元カレがどうしようもないクズ人間であった事実を受け入れたことで結果的にストーカー少年に根負けして愛を受けいれたとか言ってはいけない。

ちょっと来週の「大がかりなイベント」の準備で大忙しのため、更新が不定期となりまして申し訳ございません。今回と来週は短めで参ります。

 

〇やはり「価値観」は大事にしましょう

亀の前事件で頼朝の暴言にブチ切れた時政親父が伊豆に引っ込み引退生活を送る、ということで北条家ファミリーは大露わ。誰もそこまで…と思っていたのですが、そこからは泥仕合に。何故かこの場にいる阿野全成さん(実衣の夫)が宥め役になるのは笑ってしまいます。流石にこの件に関しては頼朝も珍しく自己反省。まあ当然のことながら、醜聞が原因で舅と激論して仲たがいした形になってしまったのですか内外における自らの人望を失墜させてしまった政治的影響を考慮しないといけないのでしょう。いくら「京では当然のことだ!」と言っても、ここは坂東の地であり、そこで「向こうでは当然の価値観なんだからセーフ」なんて理論は通用しません。

現地の価値観はできる限り理解して尊重しましょう

これは現代にも通じる異文化地域に対する理解と尊重しないといけません。ましてや政治家たるものは当然の事。なお、小四郎まで出ていかないかと頼朝が心配していたのは史実。それだけ彼が頼朝にとってはいなくてはならない側近であると同時に、父時政とは政治的に独立した存在であることが伺われます。

 そしてこの時、頼朝を悩ませていたのはトラブルメーカーである叔父・行家の来訪。なんとここで甥に対して、「自らの功績」を言い立てて、領地しかも国レベルの要求をしてしまうのが強欲で自己客観視に乏しい行家らしさ全開。まあ「11度戦い、8度破った」なんてのはきっと小競り合いレベルの衝突までカウントしての「水増し発表」である疑惑が拭いきれません。そもそもただでさえ、領地の分配では坂東武士たちの処遇で頭を悩ましているのに「以仁王の令旨を届けた」くらいの功績を言い立てて「国」を要求するのも無茶な話。これには頼朝は墨俣川の戦いで弟の義円を巻き込んで、無謀な戦いを挑んだ挙句に義円を見殺しにして自分一人だけ逃げ出した事実を冷厳と指摘して、鎌倉への出禁を突きつけます。まあ残当。ここで行家が脅しに使ったのが「木曽義仲」の名。これが頼朝や小四郎、大江広元ら鎌倉政権首脳部が意識しだすキッカケとなってしまいます。ああ、そういうこと言うからダメなんだよ。本当にお口にチャックのできない残念な人だよね。まだ足元の関東ですらまだ基盤が成立していない状況では、木曽義仲の動きは非常に気になるところ。しかし一方で奥州の藤原秀衡の動向は去就定まらない以上、動くことが容易ではない。ここで重要なのは「義仲が北陸道の制圧によって京の平家の食糧を干上がらせてしまう」というのが大きなポイント。平家にとって北陸はなかんずく越前は日本海交易ルートの重要な中継ポイントであり、ここを押さえているからこそ、瀬戸内と日本海、2つの水運ルートから物資が届いている。清盛が「治承3年の政変」を起こしたキッカケとなったが、亡き重盛の知行国であった越前を後白河院が没収してしまったことにブチ切れたことにも大きく関わってきます。関東と北陸では平家にとっては重要度が違う。だからこそ、富士川の戦いと違って平家にとっては北陸遠征は存亡にかかわる「本気度」だったのです。そしてそれがアムリッツァ級の大敗となってしまったのが悲しいところ。

 そして信濃国では青木さん演じる木曽義仲登場。見た目のワイルドな外見に反して、意外にも冷静沈着。京に攻め上れ!と煽る行家に対しても冷静に接します。おお、大河史上でももっとも理性的な青木さんが見られた気がする。てっきり木曽義仲を演じるので「るろ剣」の相良左之助ばりに

木曽義仲「タダで喧嘩を買ってやるよ!」

とばかりにアニメ『平家物語』ばりにヒャッハーなキャラになるかと思っていたのですが、これは嬉しい意味での予想外。亡き父・義賢の因縁(そもそも頼朝兄弟らの父・義朝は祖父為義により冷遇され、義賢がむしろ嫡流のような扱いだった。そしてそれをぶっ殺したのが長兄の悪元太義平)を持ち出すあたりは抜け目ない。もちろんこの義仲はそれすらも冷めた目で見ているのが非常に良い。

 

〇カリスマも賞味期限切れ

さて伊豆に引っ込んで農作業に没頭している時政親父の下を訪問する三浦親子。B作義澄の下馬評ではむしろ頼朝に対して、「侠を貫いた」時政の方がむしろ好感度を上げており、逆に「亀の前事件」ですっかり人望を下げた鎌倉殿との明暗が別れてしまいました。さてすっかり農作業にも没頭しだしたりくさんですが、それでもヤマコー義村を篭絡するあたりは流石です。女とみれば見境なく手を出すヤマコー義村もやはり、りえりえの前では鼻たれ小僧も同然。これが風格の差を言うやつか(笑)

 甲斐から訪問した武田信義からの情報で義仲と行家の接近を知らされる鎌倉殿。もちろん武田信義の思惑としては信濃を狙って、義仲と接近しようとしたら袖にされたという事情は入っています。ありていに言えば、源氏同士の牽制と駆け引きに利用しようとしているのですね。平家を前にしても「誰に火中の栗を拾わせるか」で責任の押し付け合いをするのがいかにも源氏流。まったく「共通の敵がいれば一枚岩になれる」というのが空しい幻想であるか、源氏の問題は他人事ではありません。勿論信義の黒い思惑は承知の上で、義仲に対する対応を協議する鎌倉政権はとりあえず出兵して、義仲の去就を確かめようとします。人質を差し出せば、義仲が頼朝の下風に立つことになればよし、反抗すればそれを口実に攻め滅ぼすのも良し…ということなんですが、そこで立ちはだかったのが坂東武士たちのクレームの嵐。「なんで源氏同士の内輪もめで兵を出さないといけないのだ!」というのは彼らの視点からすれば当然。元々、坂東武士たちが決起したのは平家の専横で自らの所領の既得権益が脅かされるからであって、実際に関東に半独立王国を築いた時点で彼らの目標は達成されていました。ここから彼らを動かすロジックが必要なのは自明の理。古今東西、新興組織が成長をある程度達成できたときに陥りやすいのがこの状態であり、指導者のカリスマ性の維持と更なる構成員の一体化を図るためには新たな「目標」ありていに言えば「実利」を必要とします。もっともこの時点で飢饉下にある西国遠征など問題外であるのは小四郎の言にもある通り。

 かくしてバラバラな坂東武士たちの処遇に頭を痛める頼朝。ここで梶原景時が三浦館に集まって頼朝にブーイングを浴びせたメンバーのリストをさりげなく出す梶原景時。死神のデスノートにならなければいいのですが。当然、こういうのがリストアップされる目的は「政権にとって都合の悪い者は誰かを記録に残す」ことであり、この後の展開を考えると怖い。そして坂東武士たちにもそして頼朝側近らとも一線を画すポジションにいるのが鴨こと上総広常。登場当初はむしろ上総広常こそ彼らの先頭に立つ立場にいるのかと思ったのですが、最近の広常はむしろ小四郎の良きアドバイス相手であり、また「武衛」と頼朝に対する愛着もあるなど非常に微妙なポジション。うーん、その彼が真っ先に(ネタバレ厳禁)されてしまったら小四郎がまた闇堕ちしてしまう未来予想図が見えてしまいそう。

 かくして軍勢の派遣は上記事情もあり断念となり、使者を派遣して義仲の意向を確かめることになります。正使は弟の範頼、そして副使として側近である小四郎が選ばれるのですが、その小四郎に「俺も連れてけ!」子供のようにねだり出す菅田九郎。基本的にコイツを連れて行ったりしたら、間違いなく「よろしい、ならば戦争だ」の事態しか考えられないのですが…何故聞き届ける小四郎。お前、前回それで痛い目に遭っただろうが…まさかオグリンが常識人で菅田君がダメ人間になる「逆銀魂」になるとは予想外。まあただ小四郎にとってはラッキーなことにこの後予想外のことでこの話は流れることになります。それにしても何で小四郎、こんなに九郎には甘いんだ?という疑いが頭をよぎってしまうのですが、やはりあれかなぁ…姉がむしろ九郎を操縦しているから、その姉に遠慮しているからかな…

 

〇株を下げる源氏兄弟と株を上げる亀&義仲

さて時政の出奔でむしろ勢力を伸ばしているのが比企能員。今回では鎌倉殿首脳会議にも列席者の一員となり、すっかりVIP待遇です。最初の挙兵時にはむしろ消極的で、奥さんの道さんなんかもむしろ否定的であったのが嘘なくらい今では更なる嫡男・万寿の乳母だけでなく、さらなる源氏との閨閥による関係強化の真っ最中。そんな夫婦が目を付けたのが範頼・九郎兄弟。彼らに自らの一族子女を接近させ…ありていに言えば「いざという時の保険」で娘を差し出すという黒い思惑がありました。それとなく察して、さっさと辞去する範頼の実直さとそんな思惑などまったく知覚せずあっさり自らの欲望に無頓着な九郎。

九郎「しまった!寝過ごした!」

決勝戦時に前夜にどんちゃん騒ぎをして大事な決勝戦を寝過ごすアンツィオ学園並みにやらかしてしまった九郎。しかも女性との夜の営みに夢中で使節出発の会合にも出遅れるとかいろいろな意味で終わっているな(笑)

 信濃まで到着した範頼や小四郎らの前に現れる行家叔父。

行家「義仲はどこぞの誰かと違って、ワシの事を大事にしてくれる。逃がした魚は大きいぞ、ハハハハ」

今回最大の笑いどころでした。ダメ人間で疫病神な御人なんですが、むしろ飾らないその人柄が私は大好きだったよ(笑)

そこへ川釣りに行っていた義仲と使節団一行の対面の場面となります。「平家と通じている噂が流れている」との情報を出して、義仲の意図を探ろうとする小四郎に対して

木曽義仲「噂とは流す者に都合よくできている。惑わされてはならん」

おお!現代にも通じる至言ですね。現代では「噂」が「プロパガンダ」となり、まさに「情報を流す者」にとって都合よくできている。この点を考慮して、疑ってかからないとまさに義仲がいうように「誰かにとっての都合のいい『噂』」に踊らされる者が続出するばかり。現代ではSNS上では真偽不明の情報を「確定された真実」であるかのように思い込む者たちで溢れかえっています。私はあんまりSNS上で発信情報に関しては「単なる趣味」情報しか取り上げないのもそれが理由。閑話休題。義仲が北陸道に勢力を拡大しているのは東海方面に出ると頼朝や武田信義らと衝突する恐れがあるから。彼の目的はあくまでも平家打倒であり、むしろ源氏同士の内ゲバを望んではいない。なかなかに理想的な「出来た人」です。むしろ和気藹々としているさまは政治家・頼朝の計算された歓迎にはない「大将の器」でしょう。それにしても「生焼けの川魚」は果たして何の隠喩なのか。これは「義仲は蛮人ではないのだが、気配りがちょっと足りなかったために敵を作ってしまった」ということなのでしょうか。有名な

この逸話もその解釈ではないかなと考えています。そして人質を差し出せ、というかなり高圧的な要求にも他ならぬ嫡子の義高くんを差し出すとあっさり承知してしまいます。ただこれはちょっと苦しいかな、と。片方が一方に人質に出すというのはもちろんこれは相手に一方的に臣従しましたということなのでかなり無理があります。まあ行家叔父を人質になんか出せば「コイツ、絶対捨て駒を送り込んだろ!」と相手に真意を悟られ・・・あ、いや曲解されることになりかねないのでその選択肢はないのですが、それでもねぇ…史実では頼朝の衝突を避けたどころかむしろ上野国という鎌倉殿の縄張りに手を出したことから軍事衝突の危機が高まり、不利を察した義仲が差し出したというのが真相なんですが、果たしてどんなロジックが働くのかが気になることです。今後の展開としては「義仲は争うつもりはなかったが、周り(多分後白河院や頼朝の所為)が煽って心ならずも衝突してしまった、という展開になることが予想されます。ここで登場した巴御前、政子も先代の巴御前でしたが、今作ではさらに一層戦士感が強まっています。言い寄るヤマコー義村に対しても「斬り捨てられたいか」と一喝。全ては信濃に流れ着いた「侍王子」のために尽くすという意味で

まさに信濃女子の憧れになるにも理解できるというもの

もっとも既に「女は捨てた」という言葉通り、女性らしさなど欠片もない塩対応なのは流石に覚悟が違います。これに比べれば

大好きな若様のためにキャーキャー言うのはまだまだお子様だよね(笑)

 

さてそれでは本編感想終わり。ここからは

 

今週の八重ちゃん:『八重姫の桜』でお届けします。

編み物をしていたら、相変わらず江間の館に足しげく通うストーカー小四郎にびっくり目をパチクリさせてしまうガッキー八重ちゃん。

今回はガッキーが目を大きく見開く目芸の数々。基本的にリーガルハイ以外でこんなに顔芸するのはあまり見たことないのでその意味では美味しい場面でした。それにしても「ちょっと寄った」という言い草の割には海産物まで用意している豪勢さにドン引きしてしまう小四郎のやっぱりストーカーぶりよ

八重ちゃん「・・・怖い」

ほらやっぱり怖がられているじゃないかい。これは現代でならストーカー規制法に抵触する案件です。まあストーカーというのは自分がストーカーという自覚が無いので、熱愛とストーカーとの境界区分は実ははっきりしません。そんなこんなで最初はドン引き状態の八重ちゃん。それにしてもこのシーンでもそんな内容とは裏腹に光り輝くようなガッキー八重ちゃんに心惹かれるものがあります。

八重ちゃん「小四郎殿…私辛いのです」

と一方的な好意を受け取らされる立場の女性の言外の「もう来ないで」というメッセージにも鈍感な小四郎。

八重ちゃん「それに要らなかったら誰かにあげてってなんで私が山菜好きな人を探さないといけないのですか!」

ここはメンドクサイヒロインキャラ鉄板のガッキーらしさ全開(笑)でもよく考えてみれば、八重ちゃんはずっと本音で話せる相手がいなかったのであり、逆にここで心境の変化の訪れでもあります。

頼朝「来てしまいました!」

ってコッチかよぉぉぉ!!!!

と思わず「将軍かよぉぉぉ!」と同じ表情になってしまった私。全く反省の色もなく、またしても亀の隠れ家に赴くと政子がいたので、すごすごと引き返した頼朝が「このままでは終われん」と言った先はなんと八重ちゃんの所でした。

頼朝「噛むかぁ!!」

不適切な表現があるために別の場面を差し替えてお届けします

ばりに花を愛でる藤九郎という誰得な場面(笑)に差し替えられた八重ちゃんから頼朝に対する明確な拒絶の意思表示。まあそりゃ頼朝の股肱の側近の藤九郎もいい加減嫌になっていたんだろうね。もちろん心ではガッキー八重ちゃんがようやく迷妄から脱してくれたことでガッツポーズを出してしまいました。こうしてようやくに目の前の男に対する現実に目が覚めた八重ちゃん。

そこへ丁度のタイミングで信濃から帰還したストーカー小僧こと小四郎がまたしても信濃土産の数々を懇切丁寧に解説しだすのでした

自分が頼朝と会っていた(正確には向こうが押しかけた)ことを聞かないのかと逆質問し、更には「かつて心を通い合わせた相手が今も心を引きずっているだなんて世の中の勝手な思い込み」と自分の未練を断ち切るかのように、それまで未練タラタラだった自分への自己嫌悪感の裏返しのように卑下しちゃう八重ちゃん。しかし、小四郎はそんなことにはお構いなしでした。ずっと昔からの幼なじみであり、大好きな人に振り向いてもらわなくても構わない。それでも大好きな女性のために尽くす。あるのはただ好きな人の幸せのため。これついこの前のまさに木曽義仲と巴御前に影響されたのですね。

そして冒頭に記したガッキー八重ちゃんの心からの嬉しい感情表現での「おかえりなさいませ」

ああこんなに幸せそうなガッキーの笑顔、鎌倉殿が始まって1話目以来のことです。奇しくも頼朝が恋のキューピッドとなってくれたことでようやく2人に「春」が訪れたこと。実に13話にしてようやくヒロインである八重ちゃんがこれからの期待に活躍しましょう。

オグリンと一緒に私もうれし泣きしてしまいそうです。そして

サンキュー大泉頼朝(中指突き立てながら)